■ 大強度陽子加速器計画月報12月号より       (2004/12) 

●ビーム監視用エンドレスメモリ付デジタイザーの開発
 大強度の陽子ビームが軌道を逸脱することは重大な機器損傷に成りかねない。従って、最大50回/秒のパルスビーム全てを定常的に高精度で計測・監視し、制御できることが必要となる。 しかし、全てのビームの振舞いを記録することはデータ量が膨大過ぎて不可能であった。 そこで、記録に残したい事象発生時にその原因解析に有効となる測定データをある時間さかのぼって保存でき、且つ、加速器各箇所に標記装置を多数台使用したときに、各データを相互に同定できるよう内部時刻やトリガカウンタの自動補正機能を備えた本装置を開発した。 これによりビームの障害等発生時の原因究明に必要となる大量なデータの確保が可能となった(特許出願中)。
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●第13回運営会議
 27日、原研・柏本部にて第13回の運営会議が開催され、前回会議以降の経過報告、平成17年度の予算状況、J-PARC運営体制等についての報告がなされた。

●第1回M-TAC
 13-15日、KEKにて第1回のミュオン施設に関する技術諮問委員会を開催し、諸外国、国内の専門家8名による国際外部評価を受けた。 1MW陽子ビームラインに設置するミュオン標的並びにその周辺の機器に関する問題点の指摘、改善点について意見・アドバイスを頂いた。来春1月にミュオン科学実験検討委員会(MUSAC)に答申案が提出される予定。
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●中性子源ヘリウムベッセルの据付け
 3日、物質・生命科学実験施設建設工事において、水銀ターゲット、モデレータ・反射体等の機器を装着し陽子ビーム入射により中性子源の心臓部となるヘリウムベッセル(最大外形4.14m、高さ約6.3m、重さ71t)の据付が実施された。 ベッセルには中性子ビームを取り出すためのポートが23カ所に取付けられており、実験ホールに整備される中性子ビームライン導管が順次接続される。
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●「次世代型中性子非弾性散乱実験装置とそのデータ解析」国際ワークショップ
 2-3日、原研はJ-PARCやSNS、ISISにおいて建設が進められている非弾性散乱実験装置に関した標記WS(後援:KEK、日本中性子科学会)を開催した。国外13名を含む約50人の参加者があった。 WSでは、プロジェクトチームが提案する3台の装置をはじめ、各国が開発する装置の最新状況や先進的データ解析法について活発な議論がなされた。
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●EPICS Collaboratopn meeting
 8-10日、東海村のリコッティを会場に国外19名を含む45名の参加者のもと、 加速器汎用制御システムであるEPICSの共同研究の現状と将来について話し合わ れた。30件の発表があった。

●第4回放射線等安全検討委員会・中性子源専門部会
 24日、東海研で近藤部会長(KEK共通基盤研究施設長)他4名の委員により標記専門部会が開催された。 今回は、中性子源施設開発グループから、中性子源冷却設備に関する安全設計及び放射化した機器の取り扱いに関わる報告がなされ、委員による活発な審議が行われた。

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