平成25年5月25日
J-PARC ハドロン実験施設におけるトラブルについて
- 発生日時: 平成25年5月23日(木)11時55分頃
- 発生場所: 日本原子力研究開発機構 大強度陽子加速器施設J-PARC
- 施設名 : J-PARC ハドロン実験施設
- 状況 :
原子力機構が高エネルギー加速器研究機構と共同で運営している大強度陽子加速器施設J-PARCのハドロン施設 で、標的である金に陽子ビームを照射し、素粒子を発生させる実験をしていた。
ビーム取出装置が誤作動したことにより、短時間に想定以上のビームが標的に照射された。
その結果、突発的に標的である金が高温となり、その一部が蒸発した可能性がある。
その直後、ビーム照射によって生成された放射性物質が、ビームライン装置から施設内に漏えいしたため管理区域内の汚染が生じ、作業していた研究者が被ばくした。なお、当日管理区域に入域し、かつ、装置付近に立ち入った人数は55名である。
【施設の状況】 現在施設は停止しており、事象の進展はない。
【汚染の状況】 建屋内の汚染程度は、約30Bq/㎝²。なお、現在は、建屋内を閉鎖し、立入禁止としている。
【被ばくの状況】 作業者4名の被ばく線量を評価したところ、最大で約2mSvであった。
- 影響 : 建家周辺に設置している管理区域境界のエリアモニタは若干の上昇が確認されたが、原子力科学研究所周辺に設置されているモニタリング
ポストについては、通常の変動範囲内であった、また、核燃料サイクル工学研究所のモニタリングポスト(2箇所)及びモニタリングステーション(1箇所)に
おいては、通常時の平均値(70~130nGy/h)に対して約10nGy/hの一時的な上昇が確認された。環境への放出量は調査中。
- 本事象の取扱い: 5月24日22時15分、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行規則第39条第1項第4号(管理区域外での漏えい)に基づき、法令報告に該当するものと判断した。
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