J-PARC_Center

平成25年5月29日
J-PARCセンター長 池田裕二郎

 

 

J-PARC ハドロン実験施設における事故について
(センター長から皆様へ)

 

 J-PARCでは、5月23日、50GeVシンクロトロンのビーム取り出し装置の誤作動により、陽子ビームが想定を超えた短時間に集中してハドロン実験施設の金標的に照射されました。その結果、標的が高温となり、その一部が蒸発した可能性があり、生成された放射性物質がハドロン実験施設内に漏えいし、同施設内で実験作業中であった研究者等多数の方が内部被曝を受けました。

 また、実験ホール上部に設置してある排風ファンを稼働したことにより、放射性物質を施設周辺に漏えいさせる結果となりました。原子力科学研究所周辺に設置されているモニタリングポストは通常の変動範囲内であったものの、核燃料サイクル工学研究所のモニタリングポスト (2箇所) 及びモニタリングステーション (1箇所) においては、通常の変動範囲を超える一時的な線量率の上昇が確認されました。尚、環境へ放出された放射性物質の量については、現在精査中です。

 今回の事故についての調査、確認、判断の遅れにより、周辺地方公共団体および関係省庁等への通報連絡が大きく遅れ、関係者の皆さま、周辺住民の皆さまに大変なご迷惑とご心配をおかけいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。

 J-PARCとしては、在ってはならない事故であり、社会的かつ道義的責任を重く受け止めております。これまで多くの方に、最先端のサイエンスの創造を目指してJ-PARCプロジェクトへの期待と支援を頂いてきました。失われた信頼を取り戻すために、もう一度原点に立ち返り、関係各省庁の指導のもと、日本原子力研究開発機構、高エネルギー加速器研究機構と連携協力し、J-PARCセンター構成員一丸となって、事故の原因究明と再発防止に取り組み、1日も早い信頼回復に努めていく所存です。

 

 

 

 

 


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