「量子ビームによる高温超伝導機構の解明」研究会
日 時 : 2005年11月1日(火)10:00 〜 2日(水)12:00
場 所 : 五浦観光ホテル 別館 大観荘
(〒319-1703 茨城県北茨城市大津町722)
内 容 : このたび,科研費・特別推進研究「4次元空間中性子探査装置の開発と酸化物高温超伝導機構の解明」(研究代表者・新井正敏(日本原子力研究所))による,酸化物高温超伝導に関する研究会を開催することになりました。 本研究は2008年4月に完成予定のJ-PARCにこれまでの100倍の強度を持つ中性子散乱実験装置を建設することにより,21世紀に先送りされた物性物理学上の超難題であります酸化物高温超伝導の機構解明を飛躍的に推し進めることを目指すものであります。研究を始めるにあたり,考え方を整理する観点から,
 ・これまで酸化物高温超伝導の研究で何が分かってきたか,
 ・今後,中性子等で何を明らかにすべきか,何を目指すべきか
について議論したいと思います。理論の先生方に実験家がよく分かるように十分時間を掛けてご講義して頂き,またARPES,放射光のような中性子と相補性のある手法の研究者にもお話し頂き,両手法が今後いかに補い合った研究を展開してゆくべきか等を議論したいと思っております。 そして,これらの議論から,本研究が建設する装置が持つべき性能についての方向付けが出来ること,さらに,理論や他の研究手法との協力関係が築かれることを切望しております。従いまして,一般の研究会と異なり,理論,中性子あるいは量子ビームに偏ったものとなる予定です。
なお,11/1の夜には会場となるホテル内で懇親会を,11/2の夕方にはJ-PARCの建設サイトを見学するツアーを予定しております。本研究会の開催地である五浦海岸は近代日本画の発祥の地として知られる風光明媚な土地で,研究会会場の近くには日本画で知られた美術館(天心記念五浦美術館)もあります。 参加者の皆様には研究会以外でも楽しんで頂けることと思います。
プログラム:
  11/1(火)
10:00 - 10:10 (10) はじめに
 新井 正敏(原子力機構)
10:10 - 10:25 (15) 「J-PARCの現状」
 藤井 保彦(原子力機構)
−実験1−
10:25 - 11:05 (40) 「高温超伝導のやさしい理解と個人的意見」
 小池 洋二(東北大)
11:05 - 11:45 (40) 「中性子散乱実験による高温超伝導体の研究」
 藤田 全基(東北大金研)
11:45 - 12:15 (30) 「高温超伝導体の研究に向けた中性子散乱装置の開発」
 梶本 亮一(原子力機構)
12:15 - 13:30 (75) <昼休み>
−理論1−
13:30 - 14:30 (60) 「現在までの研究と最近の研究」
 小形 正男(東大)
14:30 - 15:30 (60) 「電子ドープ系,ホールドープ系高温超伝導体の違い」
 遠山 貴己(東北大金研)
15:30 - 15:40 (10) <休憩>
15:40 - 16:40 (60) 「電子間斥力と超伝導」
 青木 秀夫(東大)
−実験2−
16:40 - 17:20 (40) 「ARPESによる高温超伝導体の研究」
 藤森 淳(東大)
17:20 - 17:30 (10) <休憩>
17:30 - 18:10 (40) 「放射光非弾性散乱による高温超伝導体の研究-電子状態の研究」
 石井 賢司(原子力機構)
18:10 - 18:50 (40) 「放射光非弾性散乱による高温超伝導体の研究-フォノンの研究」
 福田 竜生(原子力機構)
20:00 - <懇親会>
  11/2(水)
−理論2−
09:00 - 10:00 (60) 「高温超伝導体と電子・格子相互作用」
 永長 直人(東大)
11:00 - 11:00 (60) 「高温超伝導におけるフォノンとホールの役割」
 立木 昌(物材機構)
11:00 - 12:00 (60) 議論・おわりに
 新井 正敏(原子力機構)
12:00 - <昼食・解散>
J-PARCツアー
14:00 - 15:30 東海へ移動
15:30 - 16:30 建設サイト見学
16:30 解散(東海駅へ)
参加費 : 無料(ただし宿泊費・懇親会費は別途お支払い下さい)
定員 : 40名
問合先 :
梶本 亮一 (日本原子力研究所 中性子利用研究センター)
tel: 029-284-3888 E-mail: ryoichi.kajimoto@j-parc.jp
研究会幹事 : 梶本 亮一 (日本原子力研究所 中性子利用研究センター)
研究代表者 : 新井 正敏(日本原子力研究所 中性子利用研究センター)