J-PARC オンライン施設公開2021 今年もオンラインで潜入~ふだん見られないところをのぞいてみよう~

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Q and A

※当日回答された質問はYouTubeとニコ生で確認できますが、時間の都合により、お答え出来なかった質問等について回答を掲載します。

- リニアック (LINAC) -

Qイオン源はICP(誘導結合プラズマ:Inductively Coupled Plasma)でしょうか?磁場もかけている?

Answer

➤ はい。J-PARCのイオン源では、7年ほど前からICP-RFイオン源を導入しています。(RF: Radio Frequency=高周波)
  また、プラズマ点灯効率やイオンビーム出力を向上させるために、永久磁石や軸磁場コイルを使用しています。

- 物質・生命科学実験施設 (MLF) -

Q核変換ターゲット(Pb-Bi?)と異なる理由を教えてください。

Answer

➤ お昼前の核変換の時間に表を使ってご説明しましたが、PbBiは800 MWの原子炉の冷却に適した高い沸点(1670℃)を有しています。一方、水銀の沸点 (357℃)は低く、ADS(加速器駆動システム:Accelerator-driven System)の原子炉の冷却には向いていません。MLFでは1 MW出力の陽子ビームの除熱が出来れば良いので低い沸点は問題にならず、常温で液体のため取り扱いやすい水銀を使っています。

- 加速器 (MR) -

Q「電気代高そう」「再生エネルギー利用とかの工夫は?」...など

Answer

➤ J-PARCのような大きな加速器施設は多くの電気を使います。そのようななかで、例年電力需要がひっ迫する夏季に運転停止期間を設定するなど、需給バランスへの配慮を行っています。また、少しでも電力消費の少ない機器の開発を行うなど、加速器の省電力化への努力も続けています。

- ニュートリノ (NU) -

QCPV研究として、ニュートリノ・反ニュートリノ実験の長所は?

Answer

➤ CPV研究にはクォークのCPV研究とレプトンのCPV研究があります。
  宇宙が反物質ではなく物質で出来ているのはCPVによるものである可能性が指摘されています。先行するBelle実験等によるクォークのCPV研究によると、クォークのCPVでは十分に現在の宇宙の物質を説明できないことが分かっています。ニュートリノ・反ニュートリノの違いを調べるレプトンのCPV研究がより重要性を持つ理由です。