■ 大強度陽子加速器計画月報12月号より       (2002/12) 

●遠山文部科学大臣ご視察
 中央地区建設現場の造成工事や南地区の50GeVシンクロトロンA工区の樹木伐採が順調に進められている。 26日に東海研究所を訪問された遠山敦子文部科学大臣は、車から降りられリニアック棟造成工事現場等をご視察された。
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●高性能二次元中性子検出器の開発
 これまでX線用に開発されてきたマイクロストリップガスチェンバ(MSGC)を高性能中性子検出器とするための改良を進めてきた。 今回、JRR3における試作MSGCの基礎特性試験を行い、本検出器によって中性子捕獲反応で生じる二次粒子の飛程を正確に測定できることが実証された。 今後は、ガス条件の最適化を図ることによる飛程の低減と、多チャンネルフルリードアウトによる高速化を進め、高速・高位置分解能を有する二次元中性子検出器の開発を目指す。

●第4回核破砕材料研究会
 4-5日にKEKで開催され、国内外の現存ターゲット施設、開発チーム、及び分野別専門家約70名が出席した。 水銀ターゲットの圧力波で生じるピィテング 対策への取組み、加速器や原子炉による材料照射後特性の変化、 新型デカップラーの開発状況、新開発ナノテク材料の性能等について発表があり、活発な議論が行われた。

●埋蔵物試掘調査
 茨城県文化課による南地区の埋蔵物試掘調査において中世の製塩所跡と思われる遺構が発見された。 遺構は「村松白根遺跡」と命名され15年度から茨城県による本格調査がおこなわれる。 よって南地区における施設建設は遺跡調査スケジュールと調整して工事が進められることとなる。

●50GeVリング用偏向電磁石(BM)、四極電磁石(QM)の実機1号機完成
 平成13年度に製作を開始した50GeVリング用BM及びQM実機各1号機が完成し、20日にKEK低温真空実験棟へ搬入された。 R&D機と比べて実機BMでは磁石端部の構造強化等の改善、又両電磁石ともコイルの対地絶縁強度の強化等の改善が施された。 1号機の磁場測定は年明けから始まる。BM、QMは16年度末の納入完了に向け製作が続けられる。
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  最大磁場:1.9 T  最大磁場勾配:18 T/m
  最大励磁電流:3015 A  最大励磁電流:1507 A
  全長:6.3 m  全長:1.6 m(QMの長さは7種)
  重量:33 トン(97台製作)  重量:8.2 トン(216台製作)

●第1回東アジア大強度陽子加速器ミニワークショップ-RFQ
 中国、韓国等と当プロジェクトの専門家30人による第1回のワークショップが10-11日に原研KEK共催で開催された。 トピックスを高周波四重極リニアック(RFQ)に絞り討論を行い、出席者の経験に基づいた実際的な議論が行われ有意義な会合となった。

●中性子実験装置提案募集
 国内外研究者等に対する平成14年度の中性子実験装置提案募集は6日に締め切られた。その結果、応募は国内からのみ、プロジェクトチームからのものを含めて18件であった。 提案書は永宮ディレクターからの諮問にもとづき中性子実験装置計画検討委員会(藤井委員長)で審査される。

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