■ 大強度陽子加速器計画月報12月号より       (2003/12) 

●真空中での電磁石運転試験
 原子核素粒子実験施設の二次粒子生成標的の下流では生成される大量の粒子による膨大な発熱のため、従来のように磁石の磁極ギャップの中に真空ビームパイプを置くことが困難である。 そこで標的近傍に巨大な真空槽を設け、その中に電磁石を置くことを考案。今回その実現性を確認するため、試験用に製作した真空容器内に電磁石を入れ3000Aの大電流を流して磁場を発生させることに成功した。
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●第6回核破砕材料技術国際ワークショップ
 1-5日、標記WSが総合研究大学院大学を主会場に日本原子力学会北関東支部等の後援で開催され、約75名(国外7カ国から約30名)の参加者があった。 有馬朗人参議院議員による特別講演「大強度陽子加速器の統合計画への期待」の後、核破砕等の原子核反応で発生する二次粒子発生装置開発の現状、設計データベース、材料課題の議論が行われた。
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●陽子ビーム輸送系設計グループの合同技術開発報告会
 9日、東海研で3GeV及び50GeVの陽子ビームを各実験施設に輸送する施設建設の担当者約40名により、ここ一年間の技術開発の成果について発表と議論が行われた。 これまでの成果を踏まえ、今後、克服すべき課題も明確にでき、大変有意義な情報交換がなされた。

●工事安全大会
 12月現在の工事件数は25件を上まわり工事作業員の入場は1日500人を超えている。全国安全月間の2日に工事請負業者による安全大会が現地で開催された。 工事連絡協議会会長、原研建設部長等から冬に向けた安全管理や体調管理等に心掛け、春先以降の無事故を工期完了まで続ける覚悟で、尚一層の努力を怠らないよう訓示があった。
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●日本中性子科学会第三回年会
 10-12日、標記年会が東海村等の後援の下、地元東海会館を主会場に開催され、220人以上の参加者があった。 原研・大山氏が当計画の現状について講演、東大物性研・吉沢氏が改造3号炉に関わる報告を行った後、2つの分野に分かれ、「中性子散乱の将来と夢」を語る170件に及ぶ講演と発表が行われ盛会となった。 また、本年会から「中性子科学会賞」が新設され記念講演等も行われた。
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●第5回水銀ターゲット及び減速材工学に関するワークショップ
 8-10日、東海研で標記WSが米国から4人、欧州から3人の専門家の参加のもと開催され、J-PARC及び米国SNSで建設を進めている水銀ターゲットを用いた高出力核破砕パルス中性子源技術に関する最重要課題について活発な議論が行われた。 特に、ピッティング(損傷)によるターゲット容器壊食現象の解明に向けた共同実験計画がまとめられるという大きな成果が得られた。
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