■ 大強度陽子加速器計画月報1月号より       (2004/1) 

●ニュートリノビームライン用2極/4極複合磁場型超伝導電磁石の開発
 KEK低温工学センターを中心として、 ニュートリノビームラインに使用される超伝導電磁石の開発が進められている。 このタイプのものとしては世界的にも初めての試みとなる1層コイルのみによる2極/4極複合磁場を生成するコンバインドファンクション磁石で、今回実機スケールの超伝導コイル試作品を完成した。 現在、有機材料の液体窒素温度でのガンマ線照射試験で、材料劣化やアウトガスの測定等を進めている。今後、製作精度の検証、2次元断面モデルの試作、実機と同じ設計のプロトタイプの試作へと開発を進める。
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●第3回中性子位置敏感型検出器に関する国際ワークショップ:PSND2004
 13-16日に東大本郷キャンパスで標記WSがNOP2004(中性子光学に関する国際会議)と同時に開催され、120件の発表論文と約150名(国外から40名)の参加者があった。 最新の中性子分光器に使用する「革新的な中性子検出器探索」をテーマに、各種中性子検出器、エレクトロニクスなどのセッションに分かれ深い議論が行われた。 その中で、J-PARC計画の中性子分光器に対する要求に焦点を当てた専門家による議論は特に有意義なものであった。
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●フランス原子力庁(CEA)との分離変換協力調整会議
 CEAの分離変換プロジェクトマネージャーであるD.Warin氏他4名が来所し、核変換分野(燃料、ADS、核データ等)における原研及びCEAの研究開発の現状と今後の計画、研究協力の進め方などについて討議した。 ADSに関しては、欧州で進めているTRADE実験計画(水冷却研究炉に陽子ビームを導入するもの)や、MUSE実験(DT中性子源と臨界集合体を用いた炉物理実験)の現状が報告された。

●宿区懇話会
 31日(土)、建設地に隣接する「宿区」住民、村役場関係者の出席のもと定例の懇話会が同区コミュニュティセンターで開催された。 建設工事、埋蔵文化財発掘調査等の進捗状況報告、工事関連調整事項の協議、近隣住民との意見交換などが行われた。

●物質・生命科学実験施設(MLF)
 本実験施設では3GeVに加速された陽子ビームを標的に衝突させ発生する2次粒子(中性子やミュオン)を使用した各種実験が行われる。今回、本施設の建家の工事契約が完了し、着工の運びとなった。 建家中央は、陽子ビームに沿って陽子ビームライン、ミュオン標的及び中性子源、その両側が大実験ホール。また、建家の南側、北側は3階構造(一部に地下1階有り)で制御室、電源・機械室等が配置される。完成は平成18年12月を予定。
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●972 MHzクライストロン製作
 200〜400MeVリニアックの、高周波源の試験機となる972MHz大電力クライストロンの15年度製作分が完成し、陽子加速器開発棟に納品となった。今後、性能試験を予定している。

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