●50GeVリング入射用対向磁場セプタム電磁石の開発 |
従来のビームの入射・取出し用のセプタム電磁石は、ビームの取り出し軌道のみに磁場を発生させ周回軌道側の磁場はゼロとするもので、強磁場ではセプタム導体が過大な電磁力に晒される。
しかしその機能の面からはなるべく薄い構造が求められている。50GeVリングの場合、ビームサイズが大きくセプタム電磁石の口径も大きくなり、電磁石の設計が大変難しいものであった。
今回、 当加速器の入射用セプタム電磁石として周回軌道側にも逆向きの磁場を発生させて、セプタム導体を挟んで等しい大きさの逆向きの磁場によってセプタム導体に力が働かない電磁石の開発に成功した(特許出願中)。
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●新型電磁流量計の開発 |
核変換実験施設核破砕ターゲットモデルの鉛ビスマスは、環状二重配管の外配管から内配管へ循環して流れる。
その流量測定に従来型の電磁流量計を用いた場合、誘導電流の相殺、電極の損耗、経時変化等で正確な測定が難しいことがこれまでの経験から予想された。
今回、内配管に磁気及び電気の遮蔽部を設け、外配管表面に多数の電極を取付ける工夫を行い、誘起起電力を大きくし、電気ポテンシャル分布を測定することにより精度が高い流量測定に成功した。
また連続運転により良好な出力安定性も実証された(特許出願中)。
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●建設工事状況 |
リニアック棟、3GeVシンクロトロン棟の地下トンネル工事を完了させ、地上建物の鉄骨工事、屋根・外壁工事もほぼ終了させた。
今後、平成17年6〜7月の竣工を目指して、トンネル内、建家内及び建家周りの電気設備工事、機械設備工事等を進めて行く。
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●茨城県・中性子ビーム実験装置の整備について正式申請 |
原研とKEKのプロジェクトチームは30日、茨城県が独自に物質・生命科学実験施設内に整備を希望している実験装置についての正式申請となる平成16年度「実験装置提案書」を受理した。
装置は、小型燃料電池や高密度磁気メモリ等の材料開発が見込まれる『材料構造解析装置』と、難病治療薬の開発等につながる『生命物質構造解析装置』の二基。
これらは、茨城県のサイエンスフロンティア21構想の一環で整備されるもので、中性子の有効性を産業界に周知するために産学共同研究プロジェクトとして進められるものである。
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