■ 大強度陽子加速器計画月報1月号より       (2005/1) 

●新154kV特高受電所が受電
 J-PARCに必要な電力は現在の東海研究所が使用する電力の5倍以上になると予測されるため、 東海研究所の既存中央変電所に替わる新154kV特高受電所の建設工事が平成14年9月から進められ、平成17年1月6、7日に受電試験、本受電の運びとなった。 また、併せて建設されたJ-PARC用の2つのサブ特高変電所及び中央変電所への送電試験も無事終了した。 本工事では特に、送電線等への落雷による地絡電流がアース線以外に鉄筋を介して流れることによる変電所機器への悪影響を及ぼさないよう、 鉄筋を凌ぐ強度と、非磁性、非導電特性を有する高機能繊維(アラミド筋)が引留鉄鋼の基礎工事で採用された。
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●スエジロック用自動オープンレンチの開発
 原子核素粒子実験施設のビームラインに設置される機器の保守作業は高線量下での作業が予想され、作業者の被爆を低減させるために遠隔操作で実施できるよう機器の開発を進めている。 今回、電磁石冷却水配管の接続に用いられるスエジロックの締付け及びリリースの装置を考案し、プロトタイプ1号機を製作した。 KEK東カウンターホールの電磁石冷却水管路に挿入されている2インチ・スエジロックで実用試験を実施し、良好な結果が得られ実用化の目途がたった(特許出願中)。
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●第3回利用者協議会
 31日、原研・上野において第3回利用者協議会が開催され、概算要求の状況、第3期科学技術基本計画と中性子科学、 J-PARCの建設状況及び、産業界の中性子利用に関連した茨城県のビームライン整備等についての報告がなされた。
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●第3回放射線等安全検討委員会・インターロック専門部会
 19日、KEKにおいて井上部会長(立命館大学COE推進機構・客員教授)他7名の委員により標記専門部会が開催された。 今回は、全体制御グループから「J-PARC・PPS(Personnel Protection System)の設計方針」についての報告がなされた後、当部会報告書の纏め方について委員による活発な議論が行われた。

●加速器トンネル床面平坦度測定
 3GeVシンクロトロン加速器トンネル内で使用する電磁石等重量物運搬台車には、高速気流を床面と台車スカート間に送り込んで僅かに浮かすエアパレット台車が考案された。 この方式では周長約350mのトンネル床の全周は極めて滑らかな仕上げが要求されており、このため床面工事では平坦度測定を繰返し実施し、凹凸や傾きを3/1000以下とすることができた。
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