■ 大強度陽子加速器計画月報3月号より       (2005/3) 

●第4回国際アドバイザリー委員会
 2/28-3/1、第4回標記委員会がオーストラリア国立大学教授J.White委員長他12名(国外9名)の委員が出席の下、つくば・KEKにおいて開催され、建設状況、予算状況等が報告された。 会議終了後には建設現場の見学ツアーが実施され、加速器トンネル、実験施設等の建設進展状況を視察された。
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●日本物理学会年会
 24-27日、東京理科大学において開催された標記年会で、「大強度ビームの物理」や「定常・パルス中性子が拓く21世紀の物理」と題したシンポジウムが開催された。 その他、多くの関連講演も行われた。また、関連各コミュニティ(高エネルギー、原子核、中性子、中間子等)の総会等が開かれJ-PARCに関する議論がなされた。

●レーザーを使った負水素ビーム荷電変換試験に成功
 負水素ビームにYAGレーザーを照射して電子を1個剥ぎ取る荷電変換反応が、リニアックで3MeVまで加速されたビームを使って実証された。 さらにレーザーの照射位置と剥ぎ取られた電子信号の強さを測定することで、ビームの形状を求めることにも成功した。 この方式はビームを物理的にさえぎらないので、大強度の負水素ビーム診断、核変換実験施設で必要とされるビーム電流制御技術への応用等に有効な手段となる。
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●エアパレットによる重量物搬送試験
 3GeVシンクロトロン加速器トンネル内での電磁石等重量物運搬台車としてエア浮上式台車の製作が進められた。 今回、3GeV最大重量である38トン偏向電磁石の搬送模擬試験を実施した。牽引による走行及び自走(横行)により電磁石が据付場所に設置できることが確認された。
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●日米パルス中性子源(JSNS-SNS)に関る技術会合
 7-11日、米国オークリッジ研究所にて標記会合が開催された。現在、日米両国においてMW級の陽子ビーム出力で、核破砕ターゲットに水銀、中性子減速材に超臨界水素を用いるパルス中性子源の建設を進められている。 装置建設には共通の技術課題が多く、今回、これらについての議論や、技術協力についての協議が活発に行われた。
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●第5回放射線等安全検討委員会
 3日、東海研で日本アイソトープ協会・顧問の濱田委員長他9名の委員により標記委員会が開催され、リニアック等に係る使用許可申請書について、活発な議論が行われた。

●大型偏向電磁石(大型BM)
 米国アルゴンヌ国立研究所のZGS加速器施設(約40年前に建設)で使用されていた大型BM4台が、原子核素粒子実験施設の高運動量ビームライン建設のために提供され、今回、KEKに搬入された。 今後、これらの整備を行い実用に供する。

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