物質・生命科学実験施設

ミュオン施設2次ビームライン

ミュオン施設では厚さ20mmの炭素標的に陽子ビームを衝突させることで、パイ中間子を造り出し、これが崩壊する際に生まれるミュオンを実験室に導くことにより様々な実験を行うこととなります。

2次ビームラインはこのビーム輸送のための基盤装置であり、おおまかにはパイ中間子を集めてきて、それが飛行中に壊れて生ずるミュオンを輸送するタイプの崩壊ミュオンチャネルと、標的表面に止まったパイ中間子からのミュオンを集める表面ミュオンチャネルの2つの種類に分けることができます。特に崩壊ミュオンチャネルでは飛行中のパイ中間子を封じ込め、効率よくミュオンを輸送するための超伝導ソレノイドシステムが使用されます。また各2次ビームラインにはミュオンをパルスごとに振り分けるキッカーと呼ばれる機器が取り付けられ、同時に多数の実験ができるような構成となっています。

ミュオン施設において建設が予定されている2次ビームラインでは、現在高エネルギー加速器研究機構中間子施設で得られるミュオンに比べて、100倍から1000倍もの強度増加が見込まれ、文字どおり世界一のパルスミュオン源となります。また状来的には、超低速ミュオン生成用専用大立体角表面ミュオンチャネル、高エネルギーミュオンチャネル等が設置されることが予定されています。

ミュオン実験施設全体平面図