J-PARC MLF News

楽しく成果が出るMLFを目指して

[2017/07/12]

2017年6月23日(金)にいばらき量子ビーム研究センターにてJ-PARC MLF(物質・生命科学実験施設)全体会議が開催され、約100人の参加がありました。会議ではJ-PARC全体、加速器、MLF、CROSS、茨城県BLについての報告と今後の活動について13人が講演し、MLFの将来計画について参加者全体での議論をしました。

MLFは2008年に稼働を始めましたが、2011年は震災、2013年はハドロン実験施設の事故、2014年はMLFの火災、2015年は中性子標的容器の不具合による停止期間がありました。しかし関係者のたゆみない努力により2016年度のMLFの運転実績は93%と昨期に比べ大きく改善されたことや、今夏、中性子標的容器8号機をインストールすることにより、10月から300kWで運転を開始し段階的に高出力を目指していくこと、2016年度にMLF関連で11件の成果に関するプレスリリースが出ていることなどが示され、今後の利用運転への期待と意欲が醸成されました。

MLFの将来計画についての議論では、将来計画を持つべきという点での合意は得られましたが、第2ターゲットステーションの建設が唯一の選択肢ではなく、色々な選択肢を持つべきであるといった意見も出ました。

MLFが高い稼働率と高出力で稼働した場合、成果創出はより重視されるようになります。そして研究・開発テーマ別に組織を横断して結成された各サイエンス・テクノロジーグループがMLF外部とも広く深い協力関係を構築し、成果を創出していくことが期待されます。金谷MLFディビジョン長は「楽しく研究成果が出るJ-PARC MLFを目指して行きましょう」と参加者に呼びかけました。