■ J-PARC News 第10号より       (2006/1) 

●建物建設状況
(1) リニアック棟では加速空洞、電源装置、電磁石、真空ダクト等の機器について搬入・据付及び組立・調整を継続中。3GeVシンクロトロン棟では、電磁石の搬入据付け、電源システム、制御システムの組立・調整、冷却水設備の試運転調整を進めている。また、3NBT棟のトンネル部では、装置の電気工事を進めている。
(2) 50GeVシンクロトロンのC工区では雨水排水工事を進めている。同トンネルD工区ではトンネル躯体の配筋型枠・コンクリート打設工事を継続中である。また周辺の関連建家の躯体工事を進めている。
(3) 物質・生命科学実験施設では、建家の壁床配筋及びコンクリート打設工事を継続中。。工区では内外部の仕上げ工事が進められ一部で外壁の吹付け塗装を実施中。また各階では、床、壁、天井の塗装等内部仕上げ工事を継続中である。
(4) ハドロン実験施設では、ビームスイッチヤード躯体工事等でトンネル本体及び周辺建家のコンクリート打設工事を継続中。また、同施設実験ホールでは基礎配筋コンクリート打設など基礎工事を進めている。
(5) ニュートリノアーク部では、掘削・山留等土木工事を進めている。

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●リニアック加速器空洞の据付調整
 リニアックトンネルにおいて加速器空洞等各種機器の設置が行われている。ドリフトチューブリニアック(DTL1〜DTL3)に引続き、現在SDTLの据付・調整が進められている。

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●セラミックスビームダクト第1号機の組込み
 3GeV加速器トンネルへの偏向電磁石搬入が開始された。電磁石は機器搬入フロアにおいて上下に2分割し、セラミックスビームダクトを組込んだのちエアーパレット(運搬台車)でトンネルへ搬送する。

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●物質・生命科学実験施設(MLF)中性子源の設置工事
 MLFの地上建屋は、幅70m、長さ150m、地上高最大32mの建屋で、その中に設置する中性子源は建築工事と並行して設置工事が進められている。 一昨年12月に据付けた中性子源容器(ヘリウムベッセル)の外周はコンクリート遮蔽体で囲まれ、その壁面には23本の中性子ビームポートが現れた状態にまで仕上がってきた。

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●ピローシールモックアップ試験
 物質・生命科学実験施設のミュオン標的近傍のビームダクトフランジ接続は、遠隔操作で挿入着脱する真空シール(ピローシール)で行い真空気密性能を担保する。今回これらのモックアップ試験を進めているが、ピローシールのベロー構造を押し広げる圧縮空気圧を規定値に上げても十分な気密が確保できなかった。 そこで、ピローシールに対向したフランジ面の変位状態を感圧紙(極超低圧圧力測定フィルム)を使った接触圧分布測定試験で確認したところ、フランジ面の変位量に起因していることが判明しその変位量計測、再加工等を行い再試験を行った。 これら一連の試験により、真空気密性能へのフランジの平面度と表面粗さ等について有効な知見を得ることが出来た。今後、これらの結果を踏まえモックアップ試験を継続していく。(関連記事、J-PARC月報2004年3月号)

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●第16回運営会議
 平成18年1月5日、第16回運営会議をKEKで開催した。平成17年9月に開催の前回運営会議以降の経過報告、平成18年度概算要求の状況説明、総合科学技術会議によるJ-PARCに係る評価等の報告が行われた。

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●第6回放射線等安全検討委員会
 1月16日、原子力機構で濱田委員長(日本アイソトープ協会・顧問)他11名の委員により標記委員会が開催された。 今回は、J-PARC進捗状況、放射線関連申請状況、各専門部会報告、ニュートリノ実験施設の概要報告がなされた後、J-PARCにおける放射線障害予防規程について、委員による活発な議論が行われた。また、ニュートリノ源専門部会の設置が承認された。
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●第7回核破砕中性子源用材料の科学と技術研究会
 12月14-15日、標記研究会を原子力機構とKEKの共催により原子力科学研究所で開催した。発表は合計19件で50余名の参加者となった。J-PARC計画全体概要と、中性子源、ミュオン、ニュートリノ、核変換実験施設に関る開発プロジェクト報告に加えて、中国科学アカデミーから招聘したJia博士による中国における陽子加速器計画(BSNS計画)の報告があった。 また、特別講演としてスイス核破砕中性子源での材料照射の成果、及び炭化珪素材料の2件が発表された。一般講演では、水銀ターゲット圧力波低減方法の現状、鉛ビスマスターゲットの開発状況の他、電子線照射を含むモデレータ開発関連2件、材料中ガス生成量評価3件、F82H鋼研究、析出系の損傷発達過程、溶融塩応用技術についての報告があり、現状の材料科学・技術課題について活発な議論が行われた。 15日の午後にはJ-PARC建設現場を見学し、リニアック、3GeVシンクロトロン及びMLF施設で関係者から建設進捗状況について説明を受けた。
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●KEK-PS 主リング共同利用実験(本実験)終了
 KEKの12GeV陽子シンクロトロン(KEK-PS)の主リングの共同利用実験(本実験)への供用が昨年末を持って終了し、約29年間に亘った共同利用実験のための主リング運転に幕が降ろされた。1月13日、14日の両日には、これを記念したシンポジウム「KEK12GeV陽子シンクロトロン−その35年の軌跡ー」が開催された。 KEK-PSに深く携わってこられた方々から、KEKの創設、PS加速器の建設、研究、支援体制、将来への展望等について、J-PARCの建設、運営、研究にも教訓となる貴重な講演がなされた。研究の場はKEK-PSからJ-PARCへと引き継がれる。今後、関係者はJ-PARCにおける早期実験開始に向けて取り組む。

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●バードバス(鳥の水飲み場)完成
 J-PARCは、原子力科学研究所敷地内の中央地区から南地区に広がる松林の中の東西約500m、南北約1500m内に建設する加速器及び実験施設で、平成13年度末に建設を着工し、平成20年度には施設が供用開始となる。これら研究施設建設のため、林地開発を行うにあたり貴重植物の保護、自然環境の復元、鳥類等の生息地保護などが考えられた。 そこで、建設着工前には貴重植物の移植を行い、建設の進捗に合わせて造成地への松苗等の植林を行ってきた。今回、鳥類等保護のため、山口眞壽美氏(日本鳥類保護連盟茨城県支部長)の指導を仰ぎ、工事エリア内に残した松林の一角に、鳥の水飲みや休憩場所となるエリア(700m2)を確保しバードバスを整備した。 今後、このエリアを中心に数多くの鳥が飛来することを願っている。

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