■ J-PARC News 第30号より       (2007/9) 
●建物建設状況
(1) リニアックは、ビーム調整試験を再開、24時間連続で運転中。3GeVシンクロトロンは、リング周回真空ダクトが接続され、真空試験及び各種保護インターロック確認試験が実施された。また各種電磁石や高周波加速空胴の調整試験を継続実施中。
(2) 50GeVシンクロトロンは、レーザーを利用した電磁石の精密アライメント、各種電源ケーブル接続関連作業を継続実施中。また3GeVシンクロトロンからのビーム輸送ラインにイオンポンプの据付作業を実施。
(3) 物質・生命科学実験施設は、中性子ビームラインのビームシャッター、各種モデレータの脱着確認試験を実施。長尺ビームライン実験施設、第3実験室の建設工事を実施中。
(4) 原子核素粒子(ハドロン)実験施設は、電磁石設置準備作業を実施。ニュートリノ実験施設は、ターゲットステーション部で、大型機器となるヘリウム容器の溶接作業を実施中。ディケイボリューム下流部は、掘削作業を実施中。また第1、第2設備棟及び搬入棟の建設工事を実施中。

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●3GeVシンクロトロンの試験運転前施設検査(JーPARC施設検査)
 原子力安全技術センターによる3GeVシンクロトロン施設の試験運転前検査が9月5、6日に実施された。初日は、検査手順等の打合せの後、関連建屋の構造等についての書類検査と実地検査が行われた。 また、2日目にわたって、安全系インターロック検査が実施された。これら検査の後、9月12日付で、「検査結果は良好であると認められたので、試験運転時検査の準備に入ることは差し支えありません」との連絡があった。
 これをもとにJーPARC障害防止予防規程に則った管理区域の設定が9月25日に行われ、3GeVシンクロトロンはリニアックからのビーム受け入れの準備が整った。 尚、本検査及び管理区域設定は、3GeVシンクロトロンと繋がる物質生命科学実験施設へのビーム輸送系施設及び50GeVシンクロトロンへビーム輸送系施設の一部が含まれる。

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●ニュートリノ四極電磁石PQ2の設置
 50GeVシンクロトロンの速い取り出し部からニュートリノビームラインアーク部に分岐した場所に設置する四極電磁石・PQ2の組立て据付けが進められた。ビームライン上に設置された四極電磁石は天井クレーンにより上下半割りにされ、花びら型のビームダクトが組込まれた。

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●大型真空散乱槽の搬入(中性子利用ビームライン)
 物質・生命科学実験施設第一実験ホールのビームラインNo.1に建設される、4次元空間中性子探査装置に使用する真空散乱槽が8月31日に搬入された。本真空散乱槽は、容量22m3、重量約15tという大型真空タンクで、1x10-5torr以下の到達真空度が実現出来る。 真空散乱槽内部には測定試料や多数の中性子検出器が設置される。この実験装置を使った非弾性中性子散乱実験によって、酸化物高温超伝導機構解明の研究等が行われる。実験ホールに設置される実験装置配置の詳細については、http://j-parc.jp/MatLife/ja/instrumentation/ns.htmlをご覧下さい。

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●JーPARCユーザーズオフィス窓口開設
 これまで暫定的にJーPARCセンター内に置かれていたユーザーズオフィス窓口が、9月18日から旧原子力安全技術センターに設置された(原科研敷地外正門付近、原子力科学館脇)。JーPARCセンターに、ユーザー支援のため実験施設の利用環境整備等について審議するユーザーズオフィス委員会が発足し、平成19年9月12日に第1回会合が開かれた。
 平成19年度より開始される業務として、ユーザー登録、提出書類の受付、来所時の案内窓口・構内施設の説明、JーPARCカード交付、オリエンテーション実施、放射線業務管理手続き等についても審議するとともに、本格供用開始までに整備すべき食堂、利用者居室、実験準備棟、宿泊施設等のインフラの整備についての検討も行った。

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●MLF利用者懇談会設立総会
 物質・生命科学実験施設(MLF)の利用や将来計画等に対して利用者が要望等を行うため、平成19年9月7日に利用者懇談会(発起人代表:福永京大教授、会員数:238名)が設立された。
 当日、設立総会に先立ちユーザーへのMLF見学会を開催するとともに、プレスを対象としたJーPARC見学会も行った。また設立記念講演が催され、青山学院大理工学部の秋山教授、豊田中央研究所の杉山主席研究員及び茨城大学の新村教授により、中性子やミュオンを利用した研究及び産業利用についての講演が行われた。 また、設立総会後は東海村リコッティで懇親会を開催し、来賓の橋本茨城県知事、村上東海村長、林文科省量研室長から同会への強い期待が表明された。

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●利用者協議会
 平成19年9月14日、JAEA東京事務所にて利用者協議会が開催された。本会議は利用者の立場からJーPARCの運営及び利用に関する事項について協議する使命がもたれたものだったが、JーPARCが運転期に差しかかった現在、当協議会の今後の在り方についての議論が活発に行われた。
 センター長からの期待及び高エネルギー委員会からの要望をもって、委員会の提案する「研究計画」の議論を行ったり、コミュニティ間の調整等を行う場所として、利用者協議会がその役割を拡大すべきとの意見が出されていた。
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