■ J-PARC News 第36号より       (2008/3) 
●第1回J-PARC国際シンポジウム(平成20年3月5日)
 海外からの研究者130名を含む約430名が参加した国際シンポジウムが、平成20年3月5日水戸市内で開催された。各国の研究者からJ-PARCに対する大きな期待が報告された。シンポジウムは、物質・生命科学及び素粒子原子核研究分野の2つのシンポジウムで構成され、更に活発な意見交換が行われた。最終日にはJ-PARC見学ツアーも実施された。

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●茨城大学フロンティア応用原子科学研究センター発足に向けて
〜新しい産官学連携をめざして〜(平成20年2月27日)
 茨城県がJ-PARCに設置する中性子ビームラインの管理、性能向上などを担当するため、茨城大学フロンティア応用原子科学研究センターが4月に発足することになった。発足に先立ち、茨城大学が主催する講演会が水戸市内で開催された。
 講演会では、茨城県からJ-PARCの茨城県中性子ビームライン整備計画と産業利用促進計画の報告、茨城大学から上記センターの概要について説明があった。また元東北大学総長、前総合科学技術会議顧問で現在は(独)科学技術振興機構の阿部博之顧問から「21世紀の大学と地域の活性化」と題し、茨城県の存在意義を示すための産官学連携“茨城モデル”作りについて特別講演があった。更に、茨城県知事(代理)、内閣府原子力委員会委員長代理の田中俊一氏などからもメッセージを頂いた。

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●平成19年度茨城県中性子利用促進研究会「個別研究会成果報告会」(平成20年3月18日)
 本研究会は、茨城県の中性子ビームラインを産業界や企業の研究開発に活用し、新産業の創出を図ることを目指すため、13の研究会を作り活動しているものである。平成19年度の研究会活動報告会がつくば市のつくば国際会議場で開催され、それぞれの研究会から研究成果等について報告があった。
 研究成果は上記協議会藤井保彦会長などからも高い評価を受け、茨城県ビームラインを産業界や企業の研究開発に利用、活用する準備が着実に進められていることが確認された。今後は茨城県ビームラインの実験開始に伴う実験課題精選が求められるとの講評もあった。

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●特集:J-PARCを利用して出来ること
< 中性子ラジオグラフィ >
 X線や中性子などを用いる放射線ラジオグラフィーは、検査対象物を透視して非破壊で内部情報を得る技術として工業をはじめ幅広い分野で利用されている。X線は金属などの重元素の観察に優れているが、中性子はX線と比較して水素や炭素などの軽元素の検出や観察に適しているため、相互の利点を使い分けることで、検査対象物の更に詳細な観察が可能になる。
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●施設建設状況
(1) 加速器関連
 リニアック、3GeVシンクロトロンは加速器運転停止期間中の保守・点検を実施。50GeVシンクロトロンは電磁石通電試験を再開したが、通電停止時には入射部のビームコリメータ据付け調整等も実施している。
(2) 実験施設関連
 物質・生命科学実験施設は、中性子減速体系における極低温水素循環系の性能試験、中性子ビームライン据付け、遮蔽体設置等作業を継続中。ミュオンの2次ビームラインを建設中。原子核素粒子実験施設は、標的収納箱や標的回転駆動機構、標的直下の電磁石を収める中央真空箱(通称五角形)、遮蔽ブロックの搬入が行われた。ニュートリノ実験施設は、ターゲットステーション棟の建設、ニュートリノ生成領域下流部のニュートリノパイプ据付け及びモニター棟の床部鉄筋組上げ及びコンクリート打設が進められた。

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●中性子輸送用スーパーミラーガイド管据付け(物質・生命科学実験施設)
 茨城県生命物質構造解析装置用のビームラインに据付けが進む中性子ガイド管へのスーパーミラー組込み、アライメントを終了し、周囲に遮蔽体ブロックが設置された。このビームラインは、中性子源から試料までが約38m、そのうち約25mが中性子ガイド管に組込まれたスーパーミラーによって中性子を効率良く試料がセットされる真空槽まで導くもの。ミラーはハンガリーのMIROTRON社製。

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●中央真空箱(通称五角形)の搬入(原子核素粒子実験施設)
 原子核素粒子実験施設では、T1標的直下の真空ビームパイプが極めて高い放射線や熱に曝されるため、電磁石ごと真空槽に設置する。今回その真空槽となる五角形をした中央真空箱が実験ホールに搬入された。また、T1標的容器、T1標的の回転駆動機構が備わった上部遮蔽体等も運び込まれた。
参考:J-PARCNews6号、平成17年9月「Ni標的装置(T1)の長時間試験運転」、及び同21号、平成18年12月「間接水冷型超耐放射線電磁石の開発

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●国際アドバイザリー委員会:IAC(平成20年3月3〜4日)
 第7回国際アドバイザリー委員会が平成20年3月3〜4日に日本原子力研究開発機構にて、国外委員9名、国内委員1名の参加で開催された。永宮センター長が全体進捗状況を説明したあと、加速器施設、原子核素粒子実験施設、物質生命科学実験施設について各担当リーダーから現状報告がされた。 2日目は両機構とJ-PARCについて、また核変換、情報システム、ユーザーズオフィスに関わる報告が行われ、その後J-PARCサイトツアーが行われた。今回、委員会からJ-PARCリニアックや3GeVシンクロトロンのビーム加速試験の進捗状況についてすばらしい成果が得られていると高い評価を得た。

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