■ J-PARC News 第50号より       (2009/5) 
●ニュートリノビーム生成に成功
 平成21年4月23日19時09分、ニュートリノ実験施設の陽子ビームラインの軌道調整、超電導磁石の調整を行い、グラファイト標的に陽子ビームを入射し、ニュートリノの生成を確認した。ニュートリノの発生は、パイ中間子が崩壊する際にニュートリノとともに生成されるミュー粒子の観測によって確認した。
  これにより、第1期計画として8年の歳月をかけて建設してきたJーPARCの全施設が稼働を開始し、関係者の大きな喜びとするところである。なお翌24日には文部科学大臣談話としてもJーPARC全施設稼働が発表された(詳細は、http://www.kek.jp/ja/news/topics/2009/daijindanwa.htmlを参照願います)。

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●平成21年度上期  物質・生命科学実験施設(MLF)実験課題採択結果
 MLFにおける平成21年10月までの上期の実験課題は、大学や企業などから一般利用課題98件の応募があり85件が採択となった。ただし採択件数の半数は今後の装置運転の状況を見てビームタイムが割り当てられる予定である。
  なお、平成20年度下期に、MLFは12月から2月まで32日間の供用運転を実施した。

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●特集:JーPARCの実験装置について
< 超高分解能粉末中性子回折装置(SuperHRPD:Super High Resolution Powder Diffractometer) >物質・生命科学実験施設BL-08
 新開発の中性子源モデレーター(PM型、http://j-parc.jp/MatLife/ja/source/index.htmlを参照願います)から生み出される中性子と、全長100mのビームラインにより、世界最高性能の分解能を有する実験装置(プレス発表、、http://www.kek.jp/ja/news/press/2008/J-PARC_SuperHRPD.htmlを参照願います)。物質構造を高精度で解析する ことが可能なため、新物質開発や最新のナノテクノロジー研究などへの利用が期待される。

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●加速器運転計画
  5月末〜6月の加速器運転計画は右の通りです。
  尚、運転計画は機器の調整状況により変更が生じる場合があります。

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●ハドロンビームダンプ室遮蔽体増強
 ハドロン実験施設ビームダンプ室において、最大12kWまでの陽子ビームの受入を可能とするために、つくばの東カウンターホールからコンクリートブロックを移設し、遮蔽体の積み増し作業を実施した。最終的にはダンプ室内はコンクリート及び鉄遮蔽体により埋め尽くされる。

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●ハドロン実験ホール
 K1.8BRビームラインは、K1.8ビームラインの中ほどで分岐したビームラインで、昨年度建設が完了した。今年2月には、このビームラインにおいて、K中間子の発生とビームラインの先にあるK1.8BR実験エリアへのビーム輸送に成功した。今秋からの本格的な実験に向けて、K1.8ビームライン下流部やK1.8BR及びK1.8実験エリアへの電磁石等の実験機器設置を継続して行っている。

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●ニュートリノ前置検出器ND280:P0D測定器(Pi-Zero detector)
 ニュートリノの前置検出器ND280の組み立てがニュートリノモニター棟で進められている。ND280は、神岡町のニュートリノ検出器・スーパーカミオカンデに向けて飛ばすニュートリノビームの生成直後のエネルギー分布、粒子数、物質との相互作用の断面積等を、測定するもので、スイスのCERNから譲渡を受けた電磁石と何種類もの測定器から構成される。
  すでにINGRID測定器、SMRD測定器の設置作業が進行中であるが、4月からリニアック棟でP0D測定器の準備作業も開始された。

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