■ J-PARC News 第58号より       (2010/1) 
●4次元空間中性子探査装置「四季」の完成式典:物質・生命科学実験施設 (BL01) 
  平成21年12月25日、JAEA・KEK・東北大学が科学研究費補助金特別推進研究「4次元空間中性子探査装置の開発と酸化物高温超伝導機構の解明」 (代表者:新井正敏 物質・生命科学ディビジョン副ディビジョン長) の一環として建設した「四季」の完成式典が開かれた。来賓として、高谷浩樹 文科省量子放射線研究推進室長、山田和芳 中性子科学会会長 、遠藤康夫 東北大学名誉教授に出席いただき、また各機器の製作メーカーの方々にも参加頂いた。新井代表の装置概要説明、来賓からの祝辞、装置担当者による四季の特徴などの説明と、山田会長らから「四季」に期待されるサイエンスについての講演が行われた。
  詳細は、http://j-parc.jp/MatLife/ja/news/091228.htmlをご覧下さい。

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●第1回ANPhA (Asian Nuclear Physics Association) シンポジウム
  平成22年1月18〜19日、いばらき量子ビーム研究センターにおいて開催された。アジア・オセアニアの7ヶ国/地域から原子核物理の研究者56名 (外国人27名) が出席し、原子核物理に関する各国の施設 (加速器施設や大規模計算機施設など) の概要と将来の整備計画を中心に紹介と議論が行われた。永江知文京都大学教授 (元KEK教授) がJーPARC施設に関わる報告を行った。レセプションには村上達也東海村長が出席、自治体関係者との交流も深められた。

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●特集:JーPARCの実験装置について
< 高性能試料水平型中性子反射率計「ARISA-ll」 >物質・生命科学実験施設:BL16
  中性子反射率法とは、試料表面に当てた中性子が反射する様子を観測することにより、ナノメートル (10億分の1メートル) 程度の微細構造を観測する測定法である。例えば、シャボン玉の虹色はシャボン膜の厚さによって変化するが、それと同じように波長による反射率の変化を調べることによって、試料表面にできている膜の厚みなどを見積もることができる。また、通常のガラスと磨りガラスの違いのように、反射率自体の変化を調べることによって、表面の粗さを評価することもできる。特に、ARISA-llでは中性子ビームを水平に対して下方に取り出しているため、液体表面の構造を観察することが可能である。

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●加速器運転計画
  2月の加速器運転計画は下記の通りです。尚、運転計画は機器の調整状況により変更が生じる場合があります。

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●物質・生命科学実験施設
 冷却窒素吹き付け装置設置:BL03茨城県生命物質構造解析装置 (iBIX) 
  物質・生命科学実験施設の中性子実験装置・iBIXで、タンパク質等の機能を調べる際に試料を冷やすため、冷却窒素ガスを試料に吹き付けることが行われる。今回、その装置の据付が行われた。

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●ハドロン実験施設
 FM電磁石の組立
  ハドロン実験ホール南側では、物質質量の起源に関する実験 (JーPARC E16実験等) に使用する大型電磁石 (通称 FM電磁石) の組立て作業を実施している。この電磁石は元々旧東京大学原子核研究所のサイクロトロン電磁石であったが、その後KEK-PSでのφ中間子の核物質中での質量変化を調べる実験 (KEK-PS E325) のためKEK-PS北カウンターホールに設置されていたものである。今年度末までに組立てを完了させ励磁試験等を行う予定となっている。同時に実験に用いるビームラインのための電磁石の組み立て、調整が進行中である。

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●ニュートリノモニター棟
 電磁カロリーメータの設置
  ニュートリノモニター棟では、Off-axisニュートリノ前置検出器のECAL (Electromagnetic CALorimeter:電磁カロリーメータ) の据付が開始された。バスケットと呼ばれるフレームに設置されたP0D、TPC、FGD、DSECALという検出器を囲うように配置されるが、今回は電磁石ヨークの内側にECALの設置が行われた。ECALは細分化されたシンチレータと鉛のサンドイッチ構造の検出器で、バスケットに設置されたP0D、TPC、FGD、DSECALでのニュートリノ相互作用によって生じるγの測定を行うもので、電子ニュートリノ出現事象を探る上で多大なバックグラウンドになる。

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●県内中性子利用連絡協議会 講演会
  平成22年1月20日、いばらき量子ビーム研究センターにて県内中性子利用連絡協議会 講演会が開催された。当協議会は、茨城県中性子ビームラインの利用促進、JーPARCビジネス参入支援を目的として、茨城県商工労働部産業政策課が取りまとめる協議会で、現在、202社の県内企業が会員となっている。講演会では、県ビームラインの運転維持・管理を行う茨城大学・フロンティア応用原子科学研究センターの石垣教授、田中准教授が、材料構造解析装置と生命物質構造解析装置について現況報告を行い、茨城県技術士会が中性子技術解説を行った。また、県内企業のグループによるJーPARC関連装置の製作事例の紹介が行われた。製作した装置は、ビームラインBL08の超高分解能中性子粉末回折装置で、地域の企業有志が集まって結成したJーPARC支援研究会 (JSS:JーPARC Study Support Group) に参加する16企業の中の7社が、装置責任者の協力を得ながら世界最高性能の装置製作を成し得たとの報告があった。最後に、平成22年度の活動報告が行われ、県ビームラインのトライアルユース (お試し実験) へのグループでの参加が提案された。

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●中性子利用の実例
  中性子源特性試験装置 (BL10) を使用して、誘電体の強磁場中の特性測定が行われた。20kW運転時には10日以上要したデータが、約100kW運転で数日で取れるようになり、実験が格段に容易になった。

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●人気アニメ番組「サザエさん」にJーPARC登場!
  平成22年1月から「サザエさん」 (フジテレビ系列、毎週日曜日、夜18時30分) のオープニングに、JーPARCが登場。各県観光地などが紹介されるサザエさんのオープニング、昨年10月から今年3月まで茨城県が紹介される。今月から3月まで、気球に乗ったサザエさんが上空からJーPARCを眺めます。是非一度ご覧下さい。
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