■ J-PARC News 第62号より       (2010/5) 
●世界最高性能の中性子核反応測定装置が本格稼動 / JーPARC MLF:BL04
 (NNRI:Neutron-Nucleus Reaction Instrument) 

  新型原子炉などの設計に必要な基礎データとして重要な、マイナーアクチノイド及び長寿命核分裂生成核種の中性子捕獲断面積を測定する装置が本格稼動した。 (5/12、プレス発表、北海道大学、東京工業大学、JAEA、京都大学) 。
 (これらの研究は、特別会計に関する法律 (エネルギー対策特別会計) に基づく文部科学省からの受託事業として、北海道大学が実施した平成20年度及び21年度「高強度パルス中性子源を用いた革新的原子炉用核データの研究開発」の成果です。) 
  詳細については、http://www.jaea.go.jp/02/press2010/p10051202/index.htmlを参照願います。

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●核データ国際会議ND2010
 −中性子核反応測定装置NNRIで革新的原子炉用核データの測定に成功− 

  JーPARC物質・生命科学実験施設に設置した、中性子核反応測定装置 (NNRI:Neutron-Nucleus Reaction Instrument) / BL04により、マイナーアクチノイド及び核分裂生成核種の中性子捕獲断面積測定が、北海道大学、東京工業大学、日本原子力研究開発機構、京都大学により実施され、その研究成果が4月26日〜30日にかけて韓国済州島で開催された核データ国際会議において発表された。会議には世界38ヶ国より395名の研究者が集結し、核データの基礎研究から応用研究までを網羅する本分野最大の会議となった。NNRIにより、半減期が18年と短く従来測定が困難であったキュリウム244Cmの中性子捕獲断面積測定に成功したことは、加速器中性子を用いた世界初の測定となり大きな注目を集めた。
 (これらの研究は、特別会計に関する法律 (エネルギー対策特別会計) に基づく文部科学省からの受託事業として、北海道大学が実施した平成20年度及び21年度「高強度パルス中性子源を用いた革新的原子炉用核データの研究開発」の成果です。) 

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●特集:JーPARCの実験装置について
< 中性子光学基礎物理実験装置 (NOP)  >物質・生命科学実験施設:BL05
 (NOP:Neutron Optics and Physics) 


  BL05では、JーPARCのパルス中性子による光学実験装置により、中性子の“崩壊”、“散乱”、 “干渉”、“小角散乱”を利用したサイエンスが展開され、高精度で高精密な基礎物理実験が行われる。中性子源のビーム取り出しポートに繋ぎ込まれた3本のビーム導管は、中性子ビームを実験エリアまで効率良く導くためのスーパーミラーが夫々使われている。低発散ビームライン (1) では、中性子干渉を用いて精密な重力測定が行なわれる。偏極ビームライン (2) では中性子の崩壊時間を、中性子の飛行時間を測定する手法 (TOF:Time of Flight) によって高精度に測定される。また、非偏極ビームライン (3) では、キセノン (Xe) 、アルゴン (Ar) やクリプトン (Cr) など希ガス原子の中性子散乱を精密に測定し、中性子と原子の間に働くと考えられる未知の「中距離力」の検証などの実験が行われる。
  詳細については、http://neutron-www.kek.jp/contents/nop.htmを参照願います。

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●加速器運転計画
  6月の加速器運転計画は下記の通りです。尚、運転計画は機器の調整状況により変更が生じる場合があります。

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●物質・生命科学実験施設
  物質・生命科学実験施設では、第1実験ホールでBL02 (DNA:バイオ非弾性散乱装置) 、BL11 (PLANET:超高圧中性子回折装置) 、及び第2実験ホールではBL15 (大観:大強度型中性子小中角散乱装置) 、BL17 (階層構造回折装置/垂直反射率計) 及びBL18 (物質構造回折装置/単結晶回折計) の中性子ビームラインの建設が進められている。また、本年度計画として実験装置BL09 (蓄電池構造解析用中性子回折装置/粉末中性子回折計) の建設がある。

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●ハドロン実験施設
  ハドロン実験施設では、実験ホール南側でKLビーム実験エリアの拡張作業を継続中。KL実験エリアには、厳密な空調が必要とされるCsl検出器のための「箱」が運び込まれた。

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●物質・生命科学実験施設供用運転の再開
  MLFは、今年2月に発生した中性子減速体系/極低温水素循環システムでの不具合のため運転を停止していたが、3月に補修作業を完了し、4月に陽子ビームの受入試験調整運転で健全性が確認されたので、5月9日からビーム供用運転を再開した。
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●ビームラインの建設に着手
  中性子ビームラインBL17:階層構造解析装置/垂直反射率計、及びBL18:物質構造解析装置/単結晶回折計の建設が開始された。今年度内に装置据付けを完了する予定。

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●ご視察等
  5月18日  フランス原子力庁 Bo Sundman 客員研究員
  5月20日  レンツェンドー・ジグジッド 駐日モンゴル国特命全権大使、
               石川多聞 茨城県議会議員

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