■ J-PARC News 第72号より       (2011/3) 
●「東北地方太平洋沖地震」発生に伴う、J-PARCに関わるお知らせ
  J-PARCは今回の東北・関東地方の大地震によってライフラインを含めて施設に大きな被害を受けました。大地震が発生した3月11日 (金) 、J-PARCではリニアックが運転しておりましたが、直ちに自動停止しました。近隣で発生した津波の影響は無く、負傷者も出ず、放射線の問題も生じておりません。現在、各機器や装置の被害状況 の把握を進めておりますが、今後の詳細な施設点検を踏まえて修復計画を検討していく必要があります。現時点では、J-PARCの再稼働までにかなりの期間を要するものと予想しておりますが、関係者及び各機関のご協力を得ながら復旧に全力で取り組んで行く所存です。今後の復旧に向けて皆様のご理解とご支援をお願い致します。
  J-PARCセンター長 永宮正治
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●グンナー・エクイスト博士 (前スウェーデン王立科学アカデミー事務局長) 来訪
  3月9日、ノーベル物理学賞、化学賞、経済学賞の各賞の選考を行っているスウェーデン王立科学アカデミーで事務局長を 歴任された、グンナー・エクイスト博士Dr.Gunnar QUISTが来訪。 (後述のHOPEミ−ティングの講演者の一人) 

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●第2回J-PARC/MLF中性子国際アドバイザリー委員会:NIAC-2
  標記委員会が、2月 28日〜3月2日にいばらき量子ビーム研究センターで開催された。委員会では、施設や実験装置の 整備状況と運営、研究成果の概要や今後の整備計画などが報告され、活発な議論が交わされた。また、建設中や試運転中も含めた全実験装置等を見学した。最後にまとめとして、委員会からMLF関係者に対し、施設運営に関わる課題や方針等について提言がなされた。


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●特集:J-PARC/MLFで建設中の中性子ビームライン
 < BL15「大観」:大強度型中性子小角散乱装置 > 

  物質・生命科学実験施設では、6本の中性子ビームラインを現在建設中である。このうち、機能性材料の開発と高度化を進めるための実験装置BL15「大観」では、3月8日に初めての中性子ビームの受入れ試験を実施し、健全性が確認された。

●物質・生命科学実験施設
  物質・生命科学実験施設では、BL02ダイナミクス解析装「DNA」の本体装置部品の組立を実施中。また、ミュオンビームラインD2の実験装置等の整備を継続実施。
●ハドロン実験施設
  ハドロン実験施設では、KLビームラインの装置 (前置バレル部) 改造作業に着手。
●ニュートリノ実験施設
  J-PARCでのガス化ヘリウムを回収して再利用する、ヘリウム液化機棟の建設に着手。

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●国際ワークショップ (WS) 等開 催(2月24日〜3月9日) 
  物質・生命科学実験施設 (MLF) のBL04中性子核反応測定装置「ANNRI」完成記念研究会、核破砕中性子源を持つ J-PARC、ISISとSNSによる国際WS「NASCES11」、MLF実験環境検討会 (強磁場、高圧実験装置関連) などが、いばらき量子ビーム研究センター等で開催された。それぞれの研究分野における装置概要、研究内容と成果、今後の計画などが報告され、有意義な意見交換等が行われた。

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●HOPEミィーティング参加者が施設見学 (3月9日) 
  東京で開催のこの会議は、アジア各国・地域の物理学及び関連分野から選抜された100名を越える大学院生・若手研究者などが、研究内容を発表・討論したり、ノーベル賞受賞者と交流するもので、将来の研究リーダーとして飛躍する機会とするものである。その会議参加者がJ-PARCを見学し、概要説明、施設見学では終始多くの質問があった。

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