■ J-PARC News 第80号より       (2011/11) 
●ビーム試験運転、12月中旬予定!
   各施設、装置・機器の復旧、点検作業などは、ほぼ復旧工程どおりに順調に進んでいる。12月中旬から加速器ビーム調整試験を開始するための準備として、連続通電試験や通水試験、アライメント作業などが進んでいる。
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●第1回アジア・オセアニア中性子散乱国際会議 (AOCNS) 及び、日本中性子科学会第11回年会
   日本中性子科学会とアジア・オセアニア中性子散乱協会 (AONSA) 主催の第1回AOCNSが、11月20〜24日にエポカルつくば国際会議場において開催された。アジア・オセアニア圏の研究者を中心とした約550名の参加があり、中性子利用研究の成果等について、講演約110件、 ポスター発表約400件が行われ、盛況であった。22日には、日本中性子科学会第11回年会も同会場にて開催され、総会、学会賞授賞式、受賞記念講演が行われた。

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●特集:J-PARC/MLFで建設中の中性子ビームライン
 < 特殊環境微小単結晶中性子構造解析装置 (千手) :「SENJU」 > MLF/BL18
  半導体や磁性材料など、機能性材料の高性能化や新材料開発には、物質の原子配列、スピン配列などを精密に調べることが必要である。 「SENJU」は、高いピーク強度かつ低バックグラウンドで、原子や分子に関する高精度のデータ収集を行うことができる。また、ミクロな磁石でもある中性子の性質を利用して、原子のスピン配列、物質の磁気構造などを調べることもできる。さらに、様々な複合環境下  (温度、磁場、電場、圧力、光、ガス雰囲気など) での測定にも対応しており、30台以上設置される検出器により高効率なデータ収集が可能である。本装置は、1mm3以下の小さな試料でも、従来の単結晶構造解析装置に比べ短時間で精密な構造解析を行うことも出来る。

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●震災復旧状況と新設工事
   J-PARCの各施設では、来月からの運転再開に向け、震災復旧工事や機器調整作業が順調に進んでいる。また、年明けに予定しているMLF共用運転と、ニュートリノやハドロン実験施設の利用運転再開に向けた準備作業も進められている。更に、MLFでは新設ビームライン の設置工事、加速器施設では、出力増強や性能向上へ向けた機器製作や調整作業も継続実施している。
 (1) 加速器関連
   リニアックでは、イオン源連続通電やトンネル内空調設備の調整などのビーム運転準備が進んでいる。リニアック棟玄関前の給排水管 及び東側道路の復旧工事は、11月末完了予定である。3GeVシンクロトロンでは、高周波加速空洞の定格運転、震災前後の運転時ビームロスのシュミレーション評価、新規入射部コリメータの据付けなどを実施した。50GeVシンクロトロンでは、レーザートラッカーを利用した 電磁石の全周 (1,600m) にわたるアライメント (位置調整) 作業が終了した。加速器出力増強や性能向上へ向けた機器製作、調整作業も継続実施している。
 (2) 実験施設関連
   物質・生命科学実験施設 (MLF) では、低温水素循環器系の復旧工事が終了し、ヘリウム循環系の連続運転も開始された。実験ホール各ビームラインでは、遮蔽体の再設置、機器の点検などの復旧作業が進み、加速器からのビーム受入れの準備が着々と行われている。また、 新設ビームラインの設置工事も継続実施されている。ハドロン実験施設の北側ホールでは、K1.8BRの再設置作業が順調に進んでいる。また、ニュートリノ実験施設 (NU) では、一次ビームラインの超伝導電磁石、冷凍機等の準備作業を終えた。二次ビームラインに設置の3台の電磁ホーンは、遠隔操作による測量で、震災による装置の歪みが無いことが確認された。また、前置検出器についてもほとんどの測定器の動作確認を終了した。

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●J-PARC/MLFの一般課題について
    平成23年度後期 (平成24年1月〜3月分) の一般課題公募が行われ、58件の応募があった。課題審査を経て45件が採択された。
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●カナダTRIUMF研究所御一行が来訪
    KEKつくばで開催された科学シンポジウムに合わせ、8日にカナダ国立研究所・粒子加速施設TRIUMF (TRI-University Meson Factory) の関係者がJ-PARCの視察に訪れた。 (※TRIUMF:素粒子&核物理研究を行うためのカナダの国立研究所。三つの大学の連携で創設された粒子 加速施設だが、現在は7つの大学で運営されている。) 
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●BSフジ「ガリレオX」の取材 (11/12&15) 
   科学ドキュメンタリー番組「ガリレオX」 (BSフジ) が日本の加速器を特集するためJ-PARCを取材した。放送は、12月11日朝8時からの予定。

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●ご視察等
   11月10日 韓国釜山科学連盟理事他、プレス関係者
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