■ J-PARC News 第81号より       (2011/12) 
●J-PARC加速器、陽子ビーム試験運転を開始!
   J-PARCは震災により運転を停止していたが、復旧作業を予定通りに進め、12月9日 (金) 、リニアックのビーム試験運転を開始した。 11時20分、RFQからの3MeVのビームを確認した。その後、加速空洞の調整を進めている。今後、3GeV・50GeVシンクロトロン及び各実験施設の試験運転を行い、来年1月中旬から実験施設の利用運転・共用運転の開始を目指す。

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●渡辺昇氏「第1回AONSA Prize」受賞!
   第1回アジア・オセアニア中性子散乱国際会議 (AOCNS) において、渡辺昇 元J-PARCセンター客員研究員 (KEK名誉教授) が、加速器による中性子源施設への先駆的研究とJ-PARC中性子源の建設等の功績により、第1回アジア・オセアニア中性子散乱協会 (AONSA) 賞を 受賞した。また、同時開催の日本中性子科学会年会では、J-PARC関係者9名が日本中性子科学会技術賞及び奨励賞を受賞した (下記参照) 。

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●特集:J-PARC/MLFで建設中の中性子ビームライン
 < 特殊環境中性子回折装置:「SPICA」 > MLF/BL09
  地球温暖化対策として、CO2排出削減の取組みが進められているが、その有効な手段の一つとしてガソリン車などに代わる電気自動車 の開発がある。電気自動車の実用化に向けては、搭載するリチウム電池の小型化・高性能化が大きなカギとなっている。また自動車は極寒冷地や灼熱の砂漠など様々な環境下で使用するため、自動車用蓄電池には、どの様な状況でも常に安定した性能を発揮することも求められている。
  J-PARC/BL09「SPICA」では、特殊な環境条件を再現して、その環境下で起こる電池内部のLiイオンなどの電気化学反応と、電極材料の構造変化の相関を解明することができる。特に in situ (その場) 測定に重点をおいており、電池材料の構造変化などを詳しく調べるこ とで、自動車用蓄電池の高性能化、実用化に向けた研究の進展などが期待されている。 (本研究は、NEDO (独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構) 革新型蓄電池先端科学基礎研究事業 (RISING事業) の一環) 

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●震災復旧状況と新設工事
   来年1月中旬のMLF共用運転やハドロン及びニュートリノ実験施設の利用運転に向け、機器調整や遮蔽体の積み戻し工事などが進んでいる。 MLFでは、ビームラインの新設工事などを継続実施中。また、リニアック棟など建屋周辺の復旧工事も継続して実施している。

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●Günter Bauer、John Carpenter両博士へ感謝状
    11月25日、J-PARCの建設開始から共用運転に至るまでの7年以上にわたり、中性子源テクニカルアドバイザリー委員会 (N-TAC) の委員として、J-PARC中性子源の建設に多大な助言と貢献を頂いた両博士に、J-PARCから感謝状が贈られた。
Günter Bauer博士 (独) 
    元ユーリッヒ総合研究機構 (FZJ) に所属。ヨーロッパ核破砕中性子源 (ESS) 計画で活躍し、 2002年から2008年までN-TACの委員長を務めた。引き続き2009年から中性子国際諮問委員会 (NIAC) 等の委員を務めた。
John Carpenter博士 (米) 
    アルゴンヌ国立研究所 (ANL) で、世界初の核破砕を利用したパルス中性子源 (IPNS:Intense Pulsed Neutron Source) を建設するなど、現在の核破砕型中性子源の生みの親。米国で中性子源開発に関わり、活躍された。2002年から2008年までN-TACの委員を務めた。

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●水銀ターゲット容器の交換
    物質・生命科学実験施設 (MLF) に設置した水銀ターゲットは、陽子ビームが入射する際にターゲット容器内部に衝撃波が発生する。その衝撃波は、少しずつ容器を損傷していくため、J-PARCでは損傷防止対策研究を継続してきた。
    3月の地震の揺れにより、約3年間使用したターゲット容器は、ベロー部が伸びる被害を受けたため交換することになり、容器構造に改良を加えた新ターゲット容器と交換した。交換作業は全て遠隔操作によって行われた。

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●ご視察等
   11月24日 第1回アジア・オセアニア中性子散乱国際会議 (AOCNS) 参加者約140名
   12月 6日 参議院文教科学委員会
   12月13日 中国科学院高能物理研究所 (IHEP)  CHEN Hesheng前所長
   12月15日 大本洋ペンシルバニア大教授 (地球科学) 、
        NASAペンステート宇宙生物学研究センター前センター長
   12月19日 与謝野馨衆議院議員

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