■ J-PARC News 第90号より       (2012/9) 
●特殊環境中性子回折装置「SPICA」の完成披露式典開催 (9月4日) 
  J-PARC物質・生命科学実験施設 (MLF) のBL09に、蓄電池開発専用の中性子回折装置「SPICA」が整備された。今回、その装置完成を祝う完成披露式典が、KEK、NEDO及び京都大学により開催された。式典に先立ち、記者会見が 開催され、RISING事業などについての説明が行われた。続いて、「SPICA」が設置されているMLF革新型蓄電池実験棟で、共同研究に関わる関係者が多数見守る中でテープカット、装置の見学会を行い、その後、いばらき量子ビーム研究センター (IQBRC) で式典が開催された。 (NEDO:独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構) 
  本装置は、電池の使用環境条件を再現した実験を行い、電池内部の原子の動きを見る事が可能で、電池内部の詳しい仕組みの解明が期待される。更には、次世代型電池の開発にも繋げられる。なお、「SPICA」は、NEDOの革新型蓄電池 先端科学基礎研究事業 (RISING事業、代表:京都大学 小久見善八特任教授) の一環で整備されたものである。
詳細については、
NEDOホームページ (http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100143.html) 及び
KEKホームページ (http://imss.kek.jp/news/2012/topics/120907SPICA/index.html) をご覧ください。

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●パルス中性子イメージング研究会 (9月3日) 
  物質・生命科学実験施設 (MLF) BL22に、中性子イメージング専用装置 (名称:「物質情報3次元可視化装置」) が、世界に先駆け平成24年度から3年計画で建設される。パルス中性子源は、高いエネルギーから低い領域までの中性子 を一度に生成できるため、飛行時間法を使うことでエネルギーの異なる透過画像を一度に取ることができる。そのため、中性子のエネルギーによる透過画像の変化を分析することにより、結晶構造解析から元素、磁場などの情報を得ることができる。

  装置建設にあたって、平成22年7月、中性子ビームラインへイメージング装置の建設を推進するため「J-PARCの (パルス中性子) イメージング研究会」が開催された。装置関係者と実験利用者 (ユーザー) との情報交換が行われ、利用者のニーズを聞くことができた。また今回は、建設開始となった装置について、その特徴、現状の設計概要の報告 を行い、ユーザーからは実験環境整備などについて具体的な要望が出されるなど、活発な質疑応答、意見交換が行われ有意義な研究会となった。

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●物質・生命科学実験施設 (MLF) 実験課題申請の状況
  2012A期のMLF利用運転が10月より再開される。各期の実験課題申請数は、震災の影響で減少した2011B期を除き、順調に増加している。また、2012B期 (11/21〜) には、中性子利用実験の有用性がユーザーに広まり、同A期の50%増の課題申請となった。

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●加速器運転計画
  10月の運転計画は、下記の通りです。尚、運転計画は、機器の調整状況により変更が生じる場合があります。詳細は、J-PARCホームページの「J-PARCの運転計画」
http://j-parc.jp/ja/Operation/Operation-j12_0903_Shalf.htmlでご確認願います。


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●実験施設関連
  物質・生命科学実験施設では、第2実験ホールで超低速ミュオンビームラインの機器設置が進んでいる。ハドロン実験施設のKLビームラインでは、9月中旬までにKOTO実験装置中央部に位置する主バレル内に検出器32ユニットが設置された。また、ニュートリノ実験施設では、ビームラインおよび前置検出器の保守を継続実施。

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●震災復旧工事
  リニアックでは、震災で地上建家の床下にできた空隙へ、床に開けた穴からのグラウト注入工事を開始。また、各実験施設では壁のひび割れ補修など、建家関連の復旧工事が進められた。また、50GeVシンクロトロンでは、GPS測量用の貫通孔の修復工事が行われた。

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●LINAC12/第26回リニアック国際会議 (9月9〜14日) 
  第26回リニアック国際会議が、イスラエルのテルアビブで19カ国、312名の参加登録の下、開催された。 招待講演が48件、ポスターが270件。J-PARCからは7名が参加し、リニアックの震災復旧状況、ビーム増強計画などを報告した。発表内容は、超伝導リニアックに関わるものが多かった。また、最終日には加速器施設見学が行われた。

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●陽子ビーム平坦化技術の開発 (3NBTビーム輸送系) 
  MLF水銀ターゲット容器は、入射する陽子ビームにより損傷を受ける。その低減策として、3GeVシンクロトロンからMLFへの陽子ビーム輸送系 (3NBT) に、電磁石磁場によりビームの分布を平坦化し、ピーク強度を下げることに有効な八極電磁石が今年3月に完成した。ビームラインへの設置は、来年を予定している。

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●ご視察等
     9月  4日  森本浩一 文部科学省大臣官房審議官
     9月 12日  OECD/NEA主催SATIF会議参加者 
     9月 14日  第15回国際中性子捕捉療法学会
     9月 20日  水岡俊一 内閣総理大臣補佐官
     9月 26日  国際結晶学会・高圧ワークショップ参加者

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