■ J-PARC News 第166号より       (2019/02) 
●素粒子用写真技術を応用した超高分解能新型中性子検出器の開発に成功!
〜中性子の波紋を撮って解読し、この世の成り立ちに迫る。物体の透視にも期待〜
 (2月15日、プレス発表) 
  名古屋大学の長縄直崇研究員、京都大学の日野正裕准教授、中性子利用セクションの三島賢二KEK特別准教授らの研究グループは、現存の中性子検出器の空間分解能よりも2桁程度良い、最高値で11ナノメートルという未到の分解能を持つ新しい中性子検出器の開発に成功しました。この検出器は、ニュートリノやミュオンなどの素粒子を用いた実験や古代の遺跡の透視等で活躍している素粒子現象を写し出す写真技術を応用した、全く新しい測定手法の導入で実現しました。名古屋大学でダークマター粒子観測用に開発した超高分解能な素粒子用写真フィルムの原料を、京都大学で開発したホウ素を含む特殊な薄膜に塗布し、その安定化に成功し得られた成果です。今回、物質・生命科学実験施設 (MLF) の中性子光学基礎物理実験装置BL05において、空間分解能が100 ナノメートル以下であることを確認しました。この研究成果は、平成30年11月21日付欧州科学雑誌「The European Physical Journal C」のオンライン版に掲載されました。
   (注) 本研究は、科学研究費助成事業若手研究 (B)  (JP26800132) の支援を受けました。
  詳細はJ-PARC ホームページをご覧ください。http://j-parc.jp/ja/topics/2019/press190215.html

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●新種の超原子核 (二重ラムダ核) を発見 - 中性子星の内部構造の謎に迫る - 「美濃イベント」と命名 (2月26日、プレス発表) 
  岐阜大学の仲澤和馬シニア教授のグループをはじめとする6カ国24大学・研究機関の研究チームは、ハドロン実験施設を利用した国際共同実験 (E07実験) で、ベリリウム (Be) 原子核を芯とする新種の二重ラムダ核を発見し、「美濃イベント (MINO event) 」と命名しました。この種の超原子核の発見は、同グループが発見の「長良イベント」に次ぐ二例目で、ラムダ粒子間に働く力が引力であることが今回の発見でも確認されました。今回の解析の成功は、今後、E07実験で取りためたデータを解析することで、芯となる原子核が異なる様々な二重ラムダ核が発見でき、それらの質量変化の測定からラムダ粒子間に働く力の知見が確実に増えることを意味するもので、はるか宇宙の中性子星の内部構造の解明につながります。本研究成果は、日本物理学会が刊行するオンラインオープンアクセス国際月刊誌『Progress of Theoretical and Experimental Physics』で2019年2月22日に出版されました。
  詳細はJ-PARCホームページをご覧ください。http://j-parc.jp/ja/topics/2019/press190226.html

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●J-PARCのアドバイザリー委員会開催 (2月14日〜3月5日) 
  J-PARCセンターは、2月14日から3月5日にかけて国内外の専門家にJ-PARCの加速器や実験施設、研究内容、将来計画などについて審議いただき、提言を受けるアドバイザリー委員会4件「核変換実験施設 (T-TAC) 、中性子実験施設 (NAC) 、加速器施設 (A-TAC) 、ミュオン実験施設 (MAC) 」に続きJ-PARC国際アドバイザリー委員会 (IAC) を開催します。T-TACでは、施設に関わる英語版の技術設計書完成への高い評価を受け、また、類似プロジェクトを注視しつつ独自性を確保することなど、また、NACでは施設担当者からの進捗状況の報告に対し活発な議論が行われ、最後に委員会から提言を受けました。3月4日から開催のIACでは、J-PARC各施設からの現状報告に加え各委員会からの提言が示され、今後のJ-PARCのあり方などが議論される予定です。

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●平成30年度西川賞を發知英明氏が受賞 (2月15日、東京・アルカディア市ヶ谷) 
  加速器ディビジョンの發知英明JAEA研究主幹は、平成30年度の高エネルギー加速器科学研究奨励会・西川賞を受賞しました。この賞は、高エネルギー加速器ならびに加速器利用にかかる実験装置の研究において、独創性に優れ、かつ論文発表され国際的にも評価の高い業績をあげた研究者・技術者に贈られるものです。今回受賞対象となった研究課題は「J-PARC RCSにおける大強度陽子ビームのビーム力学的研究とビームロスの低減」です。今回の受賞はRCSにおいて、精度の高いビームシミュレーションを実現したこと、また、それを用いたビーム力学的研究により、極限まで低減されたビームロスで1MW加速を達成したことなどが高く評価されたものです。
  ※ラピッド・サイクリング・シンクロトロン (3GeVシンクロトロン) 

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●東海村子ども科学クラブでJ-PARCハローサイエンス開催 (1月21日、1月28日、2月4日、東海村中丸コミュニティセンター) 
  東海村教育委員会は、村内小学校5・6年生を対象に子ども科学クラブを開校しています。2019年1月から2月にかけて3回実施され、J-PARCセンター科学コミュニケーターの坂元眞一氏らが、J-PARCハローサイエンスとして科学実験教室を行いました。各教室では、静電気、真空、光のテーマで講義・工作・実験を行い、1月28日には、日立市のケーブルテレビJWAYの取材がありました。インタビューを受けた坂元氏は、「自分の手を動かして工作し、それがどうなるか実験を通じて理解する。そんな子どもたちを育てたい。」と熱く語りました。
  ※「東海村教育振興基本計画 - とうかい教育プラン2020 - 」の一環として、児童の科学への探究心を育むために開催されています。

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●J-PARCハローサイエンス〜"奇妙な"原子核から中性子星内部の物質を探る〜 (1月25日、東海村産業・情報プラザ「アイヴィル」) 
  現在、宇宙で一番密度が高いと考えられている中性子星がどんな物質で出来ているか?それを知る手掛かりの一つとして、ストレンジ (s) クォークを含む原子核 (ハイパー核) 研究が行われています。そこで、1月のサイエンスカフェは、ハドロンセクションの高橋俊行氏が、J-PARCハドロン実験施設で進めているハイパー核の研究について紹介しました。実験は、普通の原子核に加速器で作った2次粒子である負電荷のK中間子 (K-, sクォークを持つ) を入射して生成されるsクォークを2つ含むハイパー核の崩壊の様子などを写真乾板で観測します。実験の様子や最新の結果についての詳しい紹介に対し、参加者は次々と質問を投げかけ、普段の生活では耳慣れない研究に対する興味の高さが感じられました。
  ※ 安定した物質の原子核は、アップクォークとダウンクォークで構成される陽子と中性子の原子核です。
   
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●第26回日立サイエンスショーフェスティバルにJ-PARCハローサイエンス出展 (2月3日、日立シビックセンター科学館) 
 
  1月27日と2月3日、日立シビックセンター科学館で、サイエンスショーや実験・工作が体験できる、日立サイエンスショーフェスティバルが盛大に開催されました。J-PARCセンターは、2月3日に「光はなに色?」のテーマでJ-PARCハローサイエンスを行いました。計10回行われた教室で、子どもたちは分光シートを使用した光の万華鏡づくりを行い、完成した万華鏡で、電球、蛍光灯、LED電球など異なる光源の観察をして見え方の違いを体験しました。就学前の子どもたちも参加し、父兄の手助けを受けながら一生懸命工作をする姿も多く見られました。
   
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●加速器運転計画
  3月の運転計画は、次のとおりです。なお、機器の調整状況により変更になる場合があります。

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