研究成果｜中性子利用先端科学

電子とスピンが織りなす新しい物性の開拓　鉄系超伝導の機構解明を目指して

鉄系超伝導とは

近年我が国で発見された鉄の化合物による超伝導（鉄系超伝導）の機構解明は、高温超伝導の機構解明さらには夢の室温超伝導の実現への道筋を開くものと期待され、世界中で競争が激化しています。

中性子で何がわかるか

その超伝導機構は鉄原子の持つスピンの微小振動の様子（磁気励起の運動量・エネルギー依存性）に反映されますが、それを詳しく調べることができるのは中性子散乱のみです。

J-PARCにおける研究とその成果

すでに国内外の研究グループが鉄系超伝導体における磁気励起の測定を行っています。その結果、BaFe₂(As,P)₂（図1、論文①）やCa-Fe-Pt-As（図2、論文②）の磁気励起が初めて観測されました。
これらの実験結果は鉄系超伝導体の機構解明の議論に重要な指針を与えました。

Note

使用ビームライン：BL01 四季

研究グループ：JAEA、産総研、電通大、名古屋大学、東京理科大学、豊田理研、CREST、JST-TRIP、J-PARC

発表論文