誘電性と磁性が構造を通じて結合し、磁気的性質と電気的性質が相互に結びついている物質であり、様々な電子デバイスへの応用が期待される。実用に向けて、機能発現の微視的機構解明が必要。
鍵となる原子構造、構造の揺らぎである原子の微小振動の様子(格子振動の運動量・エネルギー依存性)を磁性と共に同時に詳しく調べることができるのは中性子散乱のみである。
すでに国内外の研究グループがマルチフェロイック物質の構造、格子振動と磁気励起の関係についての測定を行っている。その結果、BiFeO3において、磁性原子の微細な磁気構造が明らかにされ(論文①)また磁気的相互作用 などを知るための磁気励起の様子の全容(図1、論文②)が初めて観測された。これらの実験結果はマルチフェロイック物質の機能発現の理解に重要な手がかりとなる。
使用ビームライン:BL08 S-HRPD、BL14 AMATERAS
研究グループ:ソウル国立大、東北大、JAEA、KEK、STFC、J-PARC
発表論文