研究成果|中性子利用 暮らしを支える

アミロイド症 原因タンパク質繊維化の解明

水素結合ネットワークからpHに依存するアミロイド線維化の解明へ

研究の背景

アミロイド症は繊維状のタンパク質が全身の臓器の細胞外に沈着する疾患です。トランスサイレチン(TTR)タンパク質は通常4量体構造を保っていますが、pHの低下で単量体にかい離すると、部分的に間違った折れ畳み方をして、交差したβシートアミロイド線維を形成する異常な集合体となります。

中性子で何がわかるか

中性子により4量体を安定化/不安定化するのに重要なプロトネーションの状態と水素原子の位置情報を明らかにします。これによって、アミロイド病に効く可能性のある薬剤の設計に貢献できます。

J-PARCにおける研究とその成果

研究により構造を解明しました。この結果、水素結合ネットワークを安定化させる残基が明らかになり、異常はpHによるそのネットワークの崩壊によるものとわかりました。アミロイド線維化の解明に向けて前進しました。

Note

使用ビームライン:BL03 iBIX

研究グループ:茨城大、富山大

発表論文