●建物建設状況 |
(1) | リニアック棟では、加速器ビーム調整試験を引き続き実施中。3GeVシンクロトロン棟では、高周波加速空洞、キッカー電磁石などの搬入据付調整を実施中。3GeV陽子ビーム輸送系トンネルでは、電磁石電源の調整及び連続運転試験を、また電磁石への通電試験や冷却装置の試運転調整を実施中。 |
(2) | 50GeVシンクロトロンのトンネルでは、電磁石の搬入が約90%に達し、ケーブル接続作業も実施中。また第1・第2電源棟では、電磁石用電源の搬入据付工事や屋外ヤードでの据付工事も進行中。 |
(3) | 物質・生命科学実験施設では、建家の内部仕上工事や外構工事及び電気機械設備の試運転調整を継続中。建家内部では、中性子源ステーション関連工事、中性子付帯冷却設備工事、中性子ビームライン遮蔽体などの設置工事を実施中。 |
(4) | 原子核素粒子(ハドロン)実験施設では、外部足場の解体、内装仕上工事など実施中。また実験ホールの40t天井クレーンが完成し、ビームライン遮蔽壁埋込鉄の搬入据付けを開始。付属電源棟内のハドロン制御室では19インチラックや制御ケーブル接続などを進めている。スイッチヤードでは、電磁石の搬入据付工事を継続中。ニュートリノ実験施設ターゲットステーション部では基礎掘削工事を継続中。 |
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●1MW中性子源[解説] |
物質・生命科学実験施設の中性子源及び中性子ビームラインの整備が順調に進められている。中性子源は、3GeVのエネルギーをもつ陽子ビームを水銀ターゲットに入射し、核破砕により生成される2次粒子の1種である中性子を取り出す装置である。生成された直後の中性子は非常に大きなエネルギーをもっているため、物質・生命科学の研究に利用できるエネルギー領域まで、超臨界水素により10桁近くエネルギーを落とす。
今回、その水素を循環させるためのアルミ合金製容器(モデレータ)3台とそれを取り囲む中性子の反射体(アルミ合金製容器にベリリウム及び鉄鋼ブロックを封入したもの)の搬入・据付けが2月8日に行われた。今後、超臨界水素を循環させる試験及びそれら機器の遠隔操作による交換操作試験を行う。また、中性子ビームラインの整備では実験ホールでの放射線遮蔽ブロックの設置等が進められている。
(モデレータ:核破砕で発生する中性子を凡そ1eV以下のエネルギー領域にまで減速するための、水素含有材料を格納した機器である。モデレータには結合型、非結合型と呼ばれるものがある。結合型では中性子がモデレータと反射体間を自由に行き交うことができ、大強度のパルス中性子ビームを取り出すタイプ。
非結合型はモデレータ周りに巻かれた中性子遮蔽材により減速された中性子の行き来が遮られており、よりパルス幅の狭い中性子ビームを取り出すタイプ。これらの特色のあるモデレータにより、多様な実験研究に適したエネルギー、強度、パルス幅を持った冷中性子ビームを供給する。)
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●50GeVシンクロトロン用四極電磁石通電試験 |
50GeVシンクロトロン(周長約1600m)は直線部と曲線部(アーク部)から構成されているが、3ヶ所のアーク部にはビーム進行方向を変えるための偏向電磁石(BM)96台が設置される。またアーク部及び直線部にはビームの収束・発散を制御する四極電磁石(QM)216台、六極電磁石(SM)72台が配置される。このうちQMは11種類(以後ファミリーと呼ぶ)、SMは3ファミリーの仕様で製作されている。QMやSMは各ファミリーの電磁石が直列に接続され、ファミリー毎の電源に繋ぎ込まれる。
現在、原子力科学研究所のHENDEL棟大実験室においてQMの1ファミリーについて通電試験が進められている。既に50GeVトンネル内には約9割近い電磁石が搬入されており、今後、各電源棟への電磁石電源の搬入据付け・配線等を進める。平成19年12月からはトンネル内へ据付た各種電磁石のファミリー通電試験等を実施する予定である。
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●液体鉛ビスマス(PbBi)ターゲットの開発[解説] |
長寿命放射性核種の核変換の研究では、原子力機構が参加する国際共同実験MEGAPIE(MEGAwatt PIlot Experiment)により、スイスのポール・シェラー研究所(PSI)において、世界で初めて液体鉛ビスマスを用いたメガワットクラスの核破砕ターゲットの運転に成功した。
使用済核燃料に含まれるマイナーアクチニド(MA)等の長寿命放射性核種を短寿命核種あるいは安定核種に核変換することを目的に、加速器駆動システム(ADS、図1)の研究開発を進めている。
このシステムには、大強度の中性子を作り出すことができる液体重金属(鉛ビスマス)を用いた強力中性子源の開発が不可欠である。2000年以降、日本(原子力機構)、ヨーロッパ諸国、米国、韓国の9つの機関よる国際協力により、MEGAPIEターゲット(図2)の設計、製作、運転のための各種試験が進められてきた。
昨年、8月から12月にかけてスイスPSIの核破砕中性子源SINQを用いて、1MWのビーム強度をもつ鉛ビスマスの液体ターゲットの運転を行い、運転効率95%、固体鉛ターゲットの1.4倍の中性子生成率を達成した。ターゲット設計、運転、計測に関して、MEGAPIE実験で得た結果は、今後、原子力機構で建設を計画しているJ-PARC第II期計画の核変換実験施設建設に役立つ成果である(平成19年2月7日プレス発表)。
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●第2回JーPARC計画評価作業部会 |
文科省科学技術・学術審議会のもとに設けられた標記の評価作業部会は、2006年12月5日の初回会合に続いて1月19日に第2回目会合が開催された。井上明久・東北大学総長を主査とする16名の委員により学術複合施設としての適切な運用体制の構築や、J-PARCの円滑な利用体制の基本的な考え方についての検討が行われた。
また1月26日には、ビーム加速で181MeV加速を達成したリニアック装置、他施設の建設状況や装置の整備状況等を視察した。視察後、委員の方々からは、宿泊施設や外国人用施設の整備、ユーザー対応の重要性などについて指摘があった。
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●つくばテクノロジー・ショーケースに出展&茨城県中性子利用促進研究会 |
2007年1月30日に第6回つくばテクノロジー・ショーケースがつくば国際会議場において茨城県科学技術振興財団(理事長:ノーベル賞受賞者の江崎玲於奈氏)主催で開催された。J-PARCブースも設置され来場者にJ-PARC研究施設をアピールした。また江崎玲於奈氏のJ-PARCブース見学もあった。
同時に開催された「つくば研究祭ミニシンポ」では、KEK物質構造科学研究所の清水教授が「JーPARCと中性子光学デバイス開発」について講演した。更に、茨城県主催の茨城県中性子利用促進研究会・個別成果報告会(13研究会)も同時に開催された。
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●NHK取材 |
2007年2月15日にNHKの取材があった。J-PARC関係者が同行し各施設や加速器装置について詳しい説明を行い、質疑応答を交えながらJ-PARC全体を取材した。
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