■ J-PARC News 第60号より       (2010/3) 
●T2K実験、スーパーカミオカンデ (SK) でJーPARCのニュートリノ初観測に成功
  平成22年2月24日午前6時00分、茨城県東海村のJーPARCから295km離れた岐阜県飛騨市神岡町にあるスーパーカミオカンデに向けて打出したニュートリノを検出することに成功した (2/25、プレス発表) 。T2K (Tokai to Kamioka) 実験は、ミュー型ニュートリノが電子型ニュートリノへ振動 (変化) することを見つけ、ニュートリノの様々な性質の解明を目指す国際共同実験プロジェクトである。 (詳細は、http://www.kek.jp/newskek/2010/marapr/T2KfirstEvent.htmlをご覧ください) 。

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●世界最高強度 (1パルス当たり) のミュオン発生を確認 (物質・生命科学実験施設) 
  JーPARCの物質・生命科学実験施設に設置したミュオン実験装置で、平成21年12月の試験的な陽子ビーム高出力運転において、1パルス当たり世界最高強度のパルスミュオンを発生させたことを確認した。 (3/12、プレス発表) 同装置では平成20年9月に初ミュオンの発生、12月には中性子ビームと同様に供用運転が開始された。平成21年11月以降は120kWの加速器定常運転で高強度なパルスミュオンを利用した実験を継続しているが、12月に実施した試験的な300kW運転で、その約3倍のミュオン強度が得られた事を確認した。これにより、これまでの最高強度であった英国の同種ミュオン源の1パルス当たりのミュオン数を上回り、世界最高強度であることが確認された。 (詳細は、http://www.jaea.go.jp/02/press2009/p10031201/index.htmlを参照願います) 。

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●特集:JーPARCの実験装置について
< 高分解能チョッパー分光器 (HRC)  >物質・生命科学実験施設:BL12
 (HRC:High Resolution Chopper Spectrometer) 


  本ビームラインでは、物質科学研究を主として行う。新しく開発したチョッ パーと呼ばれる中性子のエネルギーを選別する装置を用いて、実験に必要なエ ネルギーを自在に選別し、高精度 (高分解能) の実験を実現する。高精度化が 可能になると、高いエネルギー領域の中性子を利用することが可能になり、こ れまで測定が出来なかった時空間での観測が実現する。また、物質内の原子・ 分子の運動やスピンのダイナミクスを高精度でとらえることができるようにな り、様々な現象の機構を明らかに出来、優れた磁性材料などの開発が期待されている。

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●加速器運転計画
  4月の加速器運転計画は現在未定です。決定次第JーPARCホームページでお知らせします。
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●実験施設関連
     (1) リニアック施設では、加速器エネルギー増強に向けた冷却水設備の設置工事を実施。
     (2) 物質・生命科学実験施設では、中性子BL11の遮蔽体本体室が完成。
     (3) ハドロン実験施設では、実験ホール南側でK1.1ビームラインの設置作業を継続中。

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●各種委員会、国際会議等
 < 第1回中性子国際諮問委員会/NIAC-1 > 
NIAC:The Japan Spallation Neutron Source (JSNS) 
International Advisory Committee


  JーPARC物質・生命科学実験施設では、現在120kWでの中性子ビームの提供が行われ、多数の研究者・産業界の利用者によって多くの成果を創出しつつある。このような状況の中、施設全体の性能向上、中性子源および中性子実験装置に関わる技術的問題や、利用環境の整備の検討を進めるため、関係者の意見を伺う委員会として中性子国際諮問委員会NIACを開催することになった。第1回委員会は平成22年2月24日〜26日、いばらき量子ビーム研究センターにて開催された。
○委員会メンバー(出席:9名)
        Dan A. NEUMANN (NIST, USA) 委員長
        Guenter BAUER  (Germany) 
        Stephen M. BENNINGTON教授 (ISIS, UK) 
        Kurt N. CLAUSEN (PSI, Switzerland) 
        John R. HAINES (ORNL, USA) 
        金谷 利治教授 (京都大学) 
        鬼柳 喜明教授 (北海道大学) 
        Robert A. ROBINSON (ANSTO, Australia) 
        山田 和芳教授 (東北大学) 

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 < 第8回ミュオン科学実験施設委員会/MuSAC2010 > 

  JーPARCミュオン科学実験施設のため、国内外の物質科学、素粒子科学、ミュオン科学の専門家から構成された国際諮問機関であるミュオン科学実験検討委員会 (第8回) が平成22年3月11-12日の両日に、いばらき量子ビーム研究センターで開催された。ミュオン科学実験施設の一年の進展、サイエンスの成果、将来計画並びにその戦略に関する報告、諮問がなされた。
○委員会メンバー(出席:8名)
        秋光 純教授 (青山学院大学) 
        網塚 浩教授 (北海道大学) 
        R.Cywinski教授 (University of Huddersfield) 
        E.Morenzoni博士 (PSI、委員長) 
        J.-M. Poutissou博士 (TRIUMF) 
        篠原 厚教授 (大阪大学) 
        J.E.Sonier教授 (Simon Fraser University) 
        鳥養 映子教授 (山梨大学) 

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 < 加速器技術国際アドバイザリー委員会/A-TAC2010 > 

  JーPARC加速器は、これまでに各加速器の初期ビームコミッショニングに成功し、更なる加速器の性能向上を進めるとともに、各実験施設へのビーム供用を行っている。加速器施設の性能向上、加速器に関する技術的問題、および400MeV入射に向けた技術開発の検討を進めるために、A-TAC (Accelerator Technical Advisory Committee) が平成22年3月11日〜13日にいばらき量子ビーム研究センターにて開催された。委員会は陽子加速器に関する世界的な専門家8名を招聘し、永宮JーPARCセンター長をはじめとする18件の現状報告・技術報告が行われ、各委員と発表者およびJーPARC加速器関係者との間で多くの活発な質疑応答や議論がなされ、助言、および提言として最終的にレポートにまとめられ、平成22年3月15-16日に行われた国際諮問委員会で報告された。
○委員会メンバー(出席:8名)
        Thomas Roser (BNL、委員長) 
        Stephen D. Holmes (Fermilab) 
        Roland Garoby (CERN) 
        Peter Ostroumov (Argonne National Lab.) 
        野田 章教授 (京都大学) 
        John Galambos (ORNL) 
        David Findlay (ISIS) 
        Jie Wei教授 (Tsinghua Univ.) 

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 < JーPARC計画国際諮問委員会/IAC2010 > 

  JーPARCの国際諮問委員会が平成22年3月15-16日に、いばらき量子ビーム研究センターで開催された。J-W.White委員長を含む12名のメンバーが参加、鈴木KEK機構長、横溝JAEA理事が各機構についての概要説明を行い、続いて永宮JーPARCセンター長が概要説明、加速器や実験施設については各担当者が現状並びに研究成果を報告された。また、本委員会に向けて開催されたJーPARCに関わる中性子国際諮問委員会、ミュオン科学実験施設委員会、加速器技術国際アドバイザリー委員会からの助言、および提言が各委員長から報告された。
○委員会メンバー(出席:12名)
        John William White教授 (Austrarian National Uni. 委員長) 
        Jean-Michel A Poutissou博士 (TRIUMF) 
        Andrew Dawson Taylor博士 (ISIS) 
        Ian Anderson博士 (ORNL) 
        Hugh Montgomery博士 (Thomas Jeffrrson National Accelerator) 
        Thomas Roser博士 (Brookhaven National Laboratory) 
        Bernard Frois博士 (CEA) 
        Young-Kee Kim博士 (Fermilab) 
        田中 知教授 (東京大学) 
        福山 秀敏教授 (東京理科大学) 
        Horst Stoecker博士 (GSI) 
        鳥養 映子教授 (山梨大学) 

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●社会・環境部会「優秀活動賞」受賞
  JーPARCセンター、茨城県、東海村などが一体となった、JーPARCの理解促進活動が、日本原子力学会社会・環境部会の優秀活動賞を受賞した。

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