■ J-PARC News 第71号より       (201/2) 
●JーPARCセンターとBATAN間で国際協力
  これまで長期に亘り、JーPARCに関わるJAEA・KEKの研究者とインドネシア国家原子力庁BATAN (Badan Tenaga Nuklir Nasional) の研究者は、主に超イオン伝導体 (電池材料) に関する研究を協力して進めてきた。その研究の更なる展開を図るため、現在、JAEAとBATANとの間に結ばれている、 「原子力の平和利用分野におけるインドネシア原子力庁と日本原子力研究開発機構との間の取決め」の下に、「JーPARCセンターでの中性子散乱研究とその関連技術に関する協力」の附属書を取り交わし、特に中性子科学分野の装置開発等の国際協力を本格的に推進することとした。協定締結期間は、平成23年4月11日から平成33年3月31日の10年間となる。

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●第1回韓国大学生インターンシップ開催 (2月9〜17日) 
  2月9〜17日、JーPARCは韓国研究者のJーPARC利用促進を図るため、インターンシップ (実施研修) を開催した。韓国ユーザーセンターから公募により選ばれた、4大学 (ソウル大学、釜山大学、慶北大学、全北大学) で加速器物理、原子核物理、素粒子物理、材料科学などを専攻する6名の大学生が派遣された。JーPARCで研究に携わる各分野のエキスパートが講義や現場実習を行い、学生と質疑応答を重ねた。
  韓国は、自国研究者がJーPARCを利用する支援センター「CKor JーPARC」を立上げ、平成22年10月にJーPARCセンターとの間で協力体制の覚書を締結している。

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●特集:JーPARCにおける実験成果の紹介
  水素貯蔵金属 (バナジウム) における水素の観察
   < 高強度全散乱装置:NOVA MLF / 中性子BL21 > 


  地球環境問題の有効な解決策の一つとして、水素と酸素の化学反応で得られるクリーンエネルギーが考えられている。例えば、水素燃料自動車の開発では、水素を安全に自動車に搭載する方法として、水素貯蔵材料が注目される。しかし、実用化には材料における水素の吸蔵・放出効率・貯蔵能力の向上、開発が必要である。JーPARCのBL21「NOVA」では、 重水素を吸蔵したバナジウム金属に吸蔵された水素原子同士が、どのように配置され、どれだけの量が分布しているかなどを解析する研究を進めた。測定結果は、モデル計算による解析結果とほぼ一致し、装置の性能が確認できた。今後は、更に複雑な原子配列の水素貯蔵材料について研究を広げ、水素燃料自動車の実用化を目指す。


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●加速器運転計画
  3月の加速器運転は下記の通りです。尚、運転計画は機器の調整状況により変更が生じる場合があります。

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●リニアック
  リニアックでは、加速器後段部加速空洞の工場製作、納入された加速空洞の大電力エージング試験を継続実施。また、高周波四重極リニアック予備機の組立てを継続。

●ニュートリノ実験施設
  ニュートリノ第1設備棟南側では、ヘリウム液化機棟の建設が開始された。ニュートリノT2K実験の前置検出器モニター監視ルームでは、検出器のイベント監視を昼夜継続実施。

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●物質・生命科学実験施設
  物質・生命科学実験施設では、BL02「ダイナミクス解析装置」、BL18「微小単結晶中性子回折装置」の本体室遮蔽体組立てなどが進行。BL09「革新型蓄電池実験棟」の建設では、建屋が2月4日に竣工となった。実験装置では、BL20で使用される実験装置の搬入や、BL10「NOBORU」を使った、検出器の特性試験などが行われた。

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●ハドロン実験施設
  ハドロン実験施設では、KLビームラインで使用するCsI検出器の組立て、K1.8ビームラインで使われるエアロジェルチェレンコフ検出器の組立て、FM サイクロトロン電磁石磁場内での加速器空洞磁性体コア製作試験などを継続実施。

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●JーPARC、定期検査・定期確認に合格
  JーPARCはリニアックの運転が開始されて以降初めて、国が定める施設定期検査を受検した。検査は代行機関である (財) 原子力安全技術センターにより実施された。「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」 (”障防法”) に定められた内容に従い、1月5〜7日にインターロック検査、標識検査、排気設備・排水設備検査等を実施した。また、 1月24〜26日には線量測定等及び書類の定期確認が行われ、何れも合格となった。

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●各種委員会 (2月17〜22日) 
  いばらき量子ビーム研究センターで、加速器技術国際アドバイザリー委員会 (A-TAC:2月17〜19日) 、ミュオン科学実験施設委員会 (MuSAC:2月18-19日) 、JーPARC計画国際諮問委員会 (IAC:2月21-22日) などが開催された。 JーPARC担当者からここ1年の成果、各装置の課題、今後の計画等が報告され、今後のあり方などが討論された。それら内容についてはIAC会議に報告され、JーPARC全体の今後の進め方などが議論された。まとめでは、JーPARCの各分野におけるこの1年間の技術や研究の大きな進展に対して評価を受けた。
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●ご視察等
     2月 1日 文科省科学技術・学術政策局 原子力安全課 赤坂尚昭 安全国際室長
     2月 3日 文科省研究開発局 川端和明 開発企画課長、篠崎資志 原子力課長
     2月 4日 笹木竜三 文部科学副大臣

     2月 4日 橋本博明 衆議院議員

     2月14日 下路健次郎 茨城県議会議員





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