■ J-PARC News 第142号より       (2017/02) 
●第4回加速器施設安全シンポジウム
 (1月26-27日、いばらき量子ビーム研究センター (IQBRC) ) 
  2013年のハドロン実験施設における放射性物質漏えい事故の後、J-PARCセンターは、安全シンポジウムを毎年開催し、国内外の加速器関係者と安全性向上を目指すための情報交換と議論を行っています。今回は、トピックスとして、加速器施設における「緊急時対応」と「電気安全」を取り上げ、国内の加速器施設や大学、企業など外部機関からの参加者47名を含む計131名に参加いただいて開催しました。各機関からの12件の講演内容は、失敗談も含めた経験や、各施設での工夫を凝らした取り組みなど、示唆に富むものでした。施設紹介等のポスターコーナーでも情報交換が進み、加速器施設の安全についてさらに相互理解と連携が深められました。


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●異常・予兆診断システムに関する勉強会開催 (1月25日、J-PARC) 
  2008年の運転開始から10年近くが経過したJ-PARCでは、適切な保全で合理的な施設運転が行われています。しかし、国内外の多数のユーザーが使う実験施設として、高い稼働率で安定して運転することが必須であるため、機器の異常・予兆診断を運転業務に取込み、より信頼性の高い運用を目指す必要があります。今回開催した勉強会では、企業、大学関係者を招いて、空調設備回転機器の異常診断に使用されている予兆診断システムを紹介していただきました。また、J-PARCセンターからは中性子源セクションの直江崇氏とターゲット開発セクションWan Tao氏が大強度中性子源の異常診断システムの開発状況を報告し、施設の安定運転に向けた方向性の議論を行いました。

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●CROSSroads of Users and J-PARC 第19回「中性子とミュオンによる界面研究」開催 (2月13日、IQBRC) 
  総合科学研究機構 (CROSS) 中性子科学センターは、物質・生命科学実験施設 (MLF) に設置された7本の共用ビームラインについて、その利用促進業務を担っており、この度、ワークショップ「CROSSroads of Users and J-PARC」シリーズを2011年より開始しました。MLFでは、加速器からのパルス陽子ビームにより生成される世界最高強度の中性子及びミュオンビームを用いて、物質科学・生命科学研究が推進されています。
  今回、第19回となる標記研究会では最新のミュオン測定技術と中性子反射率測定技術の解説及びそれを利用した電池、高分子、磁性機能材料等に関する「界面」をキーワードとする様々な研究が紹介されました。研究会には52名が登録参加され、8件の講演では終始活発な質疑応答が行われました。まとめの議論では超低速ミュオンの実現に伴う中性子反射率測定との相補研究による新たな可能性が話し合われました。研究会のプログラムなど詳しくは、CROSS東海のホームページをご覧ください。http://www.cross-tokai.jp/ja/research/events/2017/v17008/

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●中性子アドバイザリー委員会 (NAC) 開催 (2月20-21日、J-PARC) 
  2月下旬、J-PARCの施設や運営について、国内外の専門家を招聘して国際的視点でレビューを行う4件のアドバイザリー委員会が開催される予定です。まず、2月20日と21日には、国内外の中性子源・中性子散乱の専門家10名による中性子に関するアドバイザリー委員会が開催されました。J-PARCからは、金谷利治 物質生命科学ディビジョン長がMLF施設全体の現状と利用の最大化の取り組みなどを紹介するとともに、各担当者が水銀標的や極低温システムなどの各設備、研究成果、ユーザープログラムなどについて報告し、活発な議論が行われました。

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●アメリカ科学振興協会 (AAAS) にブース出展 (2月16-20日、米国マサチューセッツ州ボストン) 
 
  2月16日から4日間開催されたアメリカ科学振興協会 (AAAS) の年次総会において、J-PARCセンターは、日本学術振興会や理研、国立天文台、京都大学などと共同のブース出展を行いました。アメリカ科学振興協会は、分野を横断した科学者が作るNPOで、学術誌「Science」を発行しています。毎年開催される年会には、研究者だけでなく、高校生や大学生、院生、ジャーナリストや、研究機関などの広報担当者など、科学研究にかかわるさまざまな人々が、全米だけでなく世界中から集まり、今回は東大宇宙線研究所の梶田隆章所長も、重力波のシンポジウムの演者として参加しました。J-PARCブースにも多様な来場者があり、岡田小枝子広報セクションリーダーの説明に熱心に耳を傾ける姿が多く見られ、研究者からは「どのようにプロポーザルに応募したらよいのか」という質問もありました。また、岡田広報セクションリーダーは、「Understanding the Media: What Makes a Good Science Story?」と題した研究者向けのキャリアワークショップで、報道対応についての講演も行い、T2K (Tokai to Kamioka) 実験に関する日本での報道例も紹介しました。

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●Flower Arrangement Class開催 (1月23日、原子力科学研究所先端基礎研究センター) 
   
  1月23日、JAEA国際協力室、東海村国際交流センター (TIA) 、J-PARCセンターは、2016年度原子力機構文化祭に向けて「生け花教室」を開催し、機構内に働く外国人研究者ら11名を含む23名が参加しました。参加者は、TIAの先生指導のもと熱心に作品制作に取り組み、生け花の面白さを体験した参加者の中には2点、3点と作品を完成する姿も見受けられました。作品は、24日から27日にかけて原子力科学研究所先端基礎研究センターの1階ロビーに飾られ、同センターを訪れる研究者や生け花愛好者らの目を楽しませていました。

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●Workshop of Key chain with Chirimen cloth (2月10日、KEK東海ドミトリー) 
  T2K実験コラボレーションミーティングは毎年数回、東海村で開催され、海外から毎回150名近い研究者が来訪します。現在、J-PARCでは海外の研究者らとの交流の場として日本の伝統文化に触れてもらう各種体験教室を開催しており、多数の研究者が教室に参加されます。
  2月6日から開催されたT2K実験コラボレーションミーティングに合わせて、J-PARCセンターによる和布根付教室 (Workshop of Key chain with Chirimen cloth) が開催されました。和布には、"ちりめん (縮緬) "の生地が準備され、海外からのコラボレータ―を含む参加者約40名は、スタッフから作り方の指導を受けながら、ニワトリやフクロウの根付作りに1時間ほど取組みました。完成後は、根付に付けた鈴の音色や、和布ならではの温もりのある作品の出来栄えを楽しんでいました。

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●ミネルバ21のJ-PARCご視察 (2月21日) 
  2月21日、茨城県内の戦後生まれの市町村長有志で構成されているネットワーク「ミネルバ21」によるご視察がありました。この会は、県内44市町村のうち30を超える市町村長が会員となり、それぞれの地域の発展を目指した情報交換や研修会等を行い、連携を強めることを目指しています。今回の視察には16名の市町村長が参加し、J-PARCでは、産業利用を目指した研究も行われるMLFや、世界的な水準の素粒子実験であるT2K実験設備を視察、J-PARCへの理解を深めていました。

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●施設の状況
   (1) J-PARCでは、将来の核変換実験施設の建設に向けてリニアック棟クライストロン準備室に整備したテストスタンドで、レーザー荷電変換実証試験を進めています。
   (2) ハドロン実験施設では、ホール南側のHigh-p/COMETビームラインで電磁石の設置などが進められました。
   (3) 50GeVシンクロトロン (MR) では、ニュートリノ実験施設への30GeV陽子ビームの供給を9日に460kWから470kWに上げて運転を行っています。

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●加速器運転計画
  2月の運転計画は、次のとおりです。なお、機器の調整状況により変更になる場合があります。

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●ご視察者など
     1月 26日  駐日オーストリア大使館 Ingomar Lochschmidt商務参事官 他5名
     2月 10日  文部科学省研究開発局原子力課立地地域対策室 熱田 英史 室長補佐 他2名
   
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