■ J-PARC News 第55号より       (2009/10) 
●ビーム利用実験再開
  10月15日から、物質・生命科学実験施設でビーム利用実験を再開した。下図に示す様に、大学、研究機関に加え産業界からも多数の利用実験申請が寄せられている。ビーム供用開始となった平成20年12月23日以降、平成21年度A期(4月〜9月)及び平成21年度B期(10月〜3月)の課題件数は、それぞれ98件、132件、74件となっている。この中で、産業界からの利用申請は、26件、25件、29件となった。

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  ハドロン実験施設では、K1.8BRビームラインに加えK1.8ビームラインとKLビームラインが新たに整備され、国内外の大学等から数十人のユーザーが来訪して実験にあたった。50GeVシンクロトロンでは加速器の性能向上のための種々の試験に加え、夏季シャットダウン中にインストールされたハドロン実験施設へのビーム取出しを制御する機器の運転を開始した。10月21日にはハドロン実験施設への陽子ビーム取り出し・輸送、2度目の二次粒子生成を確認した。
(詳細はhttp://j-parc.jp/ja/news/2009/news-j0909.html#EQ_RQ
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●「JーPARC/世界最先端量子ビームの世界」
  平成21年10月7日、東京で開催された第4回原子力機構報告会で、岡俊雄機構理事長の総括報告の後、永宮正治JーPARCセンター長が「世界最先端量子ビームの世界」と題した報告を行った。JーPARCで期待される研究内容、実験施設利用状況やこれまで得られた実験成果、ユーザーズオフィスの施設利用者へのサポート体制についての紹介などを行った。

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●ニュートリノコラボレーション国際会議
  ニュートリノT2K実験は12ケ国、65機関、約400名が関わる国際協力研究である。今年度末から本格化する実験に先立ち、平成21年9月24日〜26日の3日間、いばらき量子ビーム研究センターで約120名が参加した国際会議が開催された。JーPARCからは加速器の現状やニュートリノ実験施設の整備状況などを報告した。

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●特集:JーPARCの実験装置について
< ハドロン実験(その1):ハイパー核物理実験 >
  物質は、陽子、中性子で出来た原子核と電子から構成されており、さらに陽子や中性子はクォークから構成されています。JーPARCの加速器を利用すると、ストレンジクオークを持つ通常にはない特殊な原子核(ハイパー原子核)を作ることが出来ます。ハイパー核物理実験では、ハイパー原子核の物性や宇宙の成り立ちなど、基礎科学の研究を進めます。

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●加速器運転計画
  11月の加速器運転計画は下記の通りです。尚、運転計画は機器の調整状況により変更が生じる場合があります。

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●物質・生命科学実験施設(中性子ビームラインの整備)
  物質・生命科学実験施設の中性子及びミュオンビームラインの実験装置は、7月から実施していた夏期メンテナンスを終了した。また各種作業後の機器調整、装置の特性試験などを実施し、10月15日からビーム利用試験を再開した。

  メンテナンスは多岐に亘る作業で、一例として中性子ビームチョッパーのメンテナンス、新規に製作した真空試料槽と中性子散乱槽の設置、追加中性子検出器の装着作業、中性子ビームライン遮蔽体を解体してのガイド管据付け状況の確認等がある。

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●ハドロン実験施設(K1.8ビームライン第2静電セパレータの設置)
  実験ホール北側のK1.8ビームラインを建設した。ビームラインに第2静電セパレータを設置し、通電試験を実施した。KEKつくばキャンパスから移設された超伝導K中間子スペクトロメータ(SKS)の励磁試験を実施し、測定結果が計算値と一致していることを確認した。またTOF検出器(Time Of Flight Wall)の組立てを継続中。

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●ハドロン実験施設(KLビームラインの建設)
  実験ホール南側のKLビームラインの整備を実施した。                                                       

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●ニュートリノモニター棟(オフアクシス検出器)
  モニター棟地下1階フロア(深さ23.3m)のバスケットに設置されるオフアクシスの各測定器を、T2K実験に参加する各国から順次JーPARCに送り、ニュートリノモニター準備棟、HENDEL棟、リニアックヘリウム圧縮室/冷凍機室にて、各グループによる設置準備を実施した。9月下旬〜10月上旬にかけ、P0D(Pi-Zero/π0 detector)、FGD(Fine Grained Detector)2モジュール、DSECAL(Down Stream Electromagnetic CALorimeter)、TPC(Time Projection Chamber)2モジュールを順次バスケットに設置した。並行して配線・配管作業及び付属機器の設置を実施した。

  これら検出器(P0D、FGD、DSECAL、TPC)によりニュートリノ生成直後のエネルギー、スペクトル等が測定される。

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●最先端科学技術における放射線計測
  平成21年10月17日、「最先端科学技術における放射線計測」と題した放射線計測セミナーを東海村のテクノ交流館リコッティで開催((財)放射線計測協会主催、(独)原子力機構後援)、JーPARC放射線安全セクションリーダー 宮本幸博氏が「大強度陽子加速器施設の放射線管理計測」と題し、JーPARC施設における放射線防護上の特徴と放射線管理計測についての講演を行った。また、他の講演として「最先端のパルス中性子計測」(元JーPARC中性子計測デバイス開発グループ片桐政樹氏)、「ニュートリノを測る:素粒子計測の最先端」(京都大学 横山将志氏)が行われた。パルス中性子計測では、JーPARC物質・生命科学実験施設の中性子ビームライン(BL03、BL19)に採用された中性子検出器の紹介もあった。 ニュートリノ計測では、非常に稀な現象の測定をしなくてはならず最先端の測定技術が必要と、何れもJーPARCに関わる講演であった。

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