RCS3GeV 陽子シンクロトロン RCS (Rapid-Cycling Synchrotron)
3GeVシンクロトロンは3つあるJ-PARCの加速器のうち中心に位置しており、上流のリニアックから受け取った陽子ビームを3 ギガエレクトロンボルト(3 GeV)まで加速し、下流の物質生命科学実験施設と主リングシンクロトロンに供給しています。3GeVシンクロトロンは一周およそ350mの大きさで、陽子ビームはおよそ1/1,000,000秒(1マイクロ秒)で加速器を一周します。加速器を一周する際、高周波加速空胴を通る毎に少しずつエネルギーを上げて、最終的に3 GeVまで加速します。3 GeVシンクロトロンはビームの加速と取出しを1秒間に25回という早い繰り返しで行うことから、早い繰り返しのシンクロトロンの英語訳、Rapid Cycling Synchrotronの頭文字をとって通称としてRCSとも呼んでいます。
3GeVシンクロトロンの特徴は、1 MWという大強度のビームを出すことで、そのために加速器を構成する機器には様々な工夫を凝らしています。それら機器についても紹介していますので、ぜひご覧ください。
研究者による施設紹介
Galleryギャラリー
Facility mapRCS施設図
Video Gallery動画ギャラリー
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入射
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RCS荷電変換フォイル
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主電磁石
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高周波加速空胴
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ビームモニタ
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真空システム
List of Facilities施設一覧
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リニアック
J-PARC加速器の始まりとなる直線型加速器。負水素イオンを作り出すイオン源と4種類の加速器(RFQ、DTL、SDTL、ACS)を用いて負水素イオンを光速の70%まで加速する。
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RCS
加速器の2段目となる円形加速器。陽子はこの加速器で光速の97%まで加速され、MLFとMRに向かう。
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ニュートリノ
J-PARCで作り出した大量の人工ニュートリノを295km離れた岐阜県飛騨市神岡町にある「スーパーカミオカンデ」に打ち込む。このT2K実験で、粒子・反粒子の性質に違いがある(CP対称性が破れている)現象の謎に迫る。
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物質・生命科学実験施設 MLF
世界最高強度の陽子ビームで作り出される中性子ビームとミュオンビームを利用して、基礎科学から応用研究まで幅広い分野の研究を行っている。現在、21本の中性子ビームラインと4本のミュオンビームラインが稼働中だ。
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MR
加速器の3段目となる巨大な円形加速器。陽子は光速の99.95%まで加速され、ニュートリノ実験施設、ハドロン実験施設に送られる。
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ハドロン
物質を構成する究極の要素が何かを極微のスケールで探求する。大強度の陽子ビームを使って原子核反応や素粒子崩壊など様々な実験を行っている。
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核変換
加速器により高レベル放射性廃棄物を減らす核変換技術の研究開発を行う実験施設建設に向けて、液体重金属標的に関する技術開発を行っている。