●建物建設状況 |
(1) | リニアック棟では、加速器ビーム調整試験を継続中。3GeVシンクロトロン棟では、真空システムや電磁石などの最終据付調整を実施中。また放射線安全管理設備の総合試験を継続中。ビーム輸送ライントンネルでは、真空系の試運転やリーク試験を継続し、陽子ビーム遮断装置の据付調整及び冷却水設備の運転調整を実施中。 |
(2) | 50GeVシンクロトロンのトンネルでは、電磁石の搬入据付やケーブル接続作業を継続中。また第1・第2電源棟や屋外ヤードでは電磁石用電源の搬入据付工事を継続中。 |
(3) | 物質・生命科学実験施設では、建家の内部仕上や外構工事、植栽工事を実施中。建家電気機械設備の最終運転調整を実施中。建家内部では、水銀ターゲット容器の搬入設置、中性子源ステーション関連工事、中性子ビームライン遮蔽体などの設置工事を継続中。 |
(4) | 原子核素粒子実験施設(ハドロン実験施設)では、ビームライン遮蔽壁埋込鉄の搬入据付けを終了。付属電源棟内のハドロン制御室では制御機器類の設置工事やケーブル接続作業を継続中。スイッチヤードでは、電磁石の搬入据付工事を継続中。ニュートリノ実験施設ターゲットステーション部では引続き基礎掘削工事を継続中。 |
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●鉄遮蔽体の据付け(ハドロン実験施設) |
ハドロン実験ホールの一次ビームライン遮蔽壁へ埋込む遮蔽鉄の据付けを、2月中旬から開始した。厚さ250mmのスラブ鉄ブロック(大きさ約4×2m)を4枚重ねて1mの鉄遮蔽を構築した。1日約6枚のペースで搬入・据付けを進め、3月下旬までに予定の全数1,800トンの据付けを完了した。これら鉄遮蔽体はコンクリートに埋込まれ、一次ビームラインの遮蔽壁が完成する。
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●ビームダンプへの真空ダクトの設置 |
50GeVシンクロトロンでは、3GeVシンクロトロンからのビーム入射セクショントンネルにビームダンプ(3kW)が設置されている。2月下旬にビームダンプへの真空ダクトの一部が設置された。
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●リニアック運転時施設検査について |
原子力安全技術センターによる法律(障害防止法)に基づく加速器運転時施設検査を受験し、2月27日付けで合格となった。検査は中央制御棟の加速器運転モニターでリニアックが受験に必要な出力で運転されていることを確認後、リニアック建屋の線量評価点、管理区域境界となる扉部分等で漏洩放射線測定、事業所境界における放射線測定が実施された。検査官から加速器の運転に関して問題無いことが伝えられ、後日合格証を受領した。
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●陽子ビーム遮断装置の設置 |
3GeVシンクロトロンがビーム運転中に、ビーム下流となる物質・生命科学実験施設(MLF)のトンネルに入域する場合、安全を確保するための陽子ビーム遮断装置が3GeV〜MLF間のビーム輸送ライン部分に設置された。陽子ビーム遮断装置は長さ500mmのステンレスブロックから出来ており、MLFに入域中はビーム軌道上にブロックが挿入されビーム遮断を確実に行う。
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●ニュートリノ第1電磁ホーンのパルス通電耐久試験の終了 |
ニュートリノ生成装置の第1電磁ホーンは設計電流の320kAまでの通電試験を行い、装置各部の歪みや電極温度などから設計通りであることが確認された。その後2秒に一度パルス通電を行う試験が開始され2006年12月からパルス通電耐久試験を本格的に開始した。通電の度に張力を受ける金属が大音響を発生するため防音シートを被せて試験が進められた。
3月9日に85万パルスまでの通電を実施し振動によるネジの緩み等部分的な改善点が見つかっているものの、大きな問題は発生しなかったことを確認し、試験を終了した。第2電磁ホーンはアメリカで製作され、来春日本で試験が予定されている。また、第3電磁ホーンについては試作機を今年度中に完成し性能試験、通電試験を開始する予定である。
(関連記事:J-PARC News15号、2006年6月30日発行)
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●国際アドバイザリー委員会(IAC)の開催 |
2007年3月5-6日に第6回国際アドバイザリー委員会を東海で開催した。J-PARCの運用にあたってはJ-PARCセンターにできるだけ権限が委譲されることが重要であること、できるだけ速やかにリニアックの400MeVへの性能回復がなされるべきであること、J-PARCセンターのスタッフがユーザー支援と研究の両方を行うことが重要であることなどの提言があった。
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●JーPARC中間評価作業部会の経過 |
文科省科学技術・学術審議会の下で行われているJ-PARC中間評価作業部会の第3、4回の部会が2007年2月27日、3月7日に開催された。第3回部会では委員からの意見・質問に対してJ-PARCからの回答を行い、続いてJAEA、KEK両機関からJ-PARCへの取組みやセンター組織への考え方を説明した。
また実験課題審査に関した議論、利用料金、産業利用に関わる議論等が行われた。第4回部会では運営体制に関わる外国加速器施設の例や利用者側の声が紹介された。その中で、産業界からの要望としてアクセスの容易性、大強度出力の早期実現、国際化などへの要望が出された。
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●村松白根遺跡の「鹹(かん)水槽剥ぎ取り模型」の引渡し式 |
2007年3月20日、村松コミニュティセンターにて、J-PARC建設地で発掘調査の行われた村松白根遺跡において塩水を貯めた鹹水槽の断面を直接剥ぎ取って製作された模型が、KEKから東海村教育委員会へ寄贈された。
この遺跡からは、製塩のために使われた「塩水を煮詰めるための釜屋、塩水を貯めた鹹水槽」 や、それに伴うものと思われる建物跡や畑の跡「畝(うね)状遺構」、墓跡などが数多く確認されている。いずれも製塩に従事した人々に関わるものと想定されており、150体を超える人骨や獣骨などが数多く出土した。発掘調査は、平成15年4月から平成16年8月末まで(財)茨城県教育財団によって行われ、遺物の多くは、15世紀前半から17世紀前半頃にかけてのものと考えられている。
建設現場での発掘調査では、東海村教育委員会、(財)茨城県教育財団、茨城県教育庁、KEK及び旧原研が協力して、東海村の小中学生を対象とした「埋蔵文化財発掘体験学習」を行い、参加した多くの児童が体験学習を通して、昔の塩造りと東海村の歴史に触れるとともに、埋蔵文化財への理解を深めてもらった。
(関連記事:大強度陽子加速器計画月報2003年6、8、10月号、2004年2、5、7月号)
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