■ 大強度陽子加速器計画月報2月号より       (2004/2) 

●遮蔽体貫通水冷バスダクトの開発
 原子核素粒子実験施設では放射線レベルが高いことから、電磁石等への給電バスダクト(除熱のために水冷方式)をコンクリート遮蔽体に埋込み状態で貫通させる必要がある。 バスダクトは最大電圧200V、最大電流3500Aで使用され十分な絶縁が求められている。現在、遮蔽体厚8mを目標に開発を進めており、今回、バスダクトの絶縁にポリイミドとアルミナの2種類を用いた試作品を製作した。今後、電磁石等と組合わせた総合試験を進めていく。
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●四極電磁石(QM)2台とDC電源2台の3線式結線方式の実証試験
 通常、電磁石とその電源は1対のケーブルで接続される2線式結線。3GeVシンクロトロンから物質・生命科学実験施設へのビーム輸送施設は全長約310mあり、54台のQM(使用電流 450A〜1200A)が設置される。 これまでに、空調負荷の低減のためケーブル本数を減らして気中放熱量を下げること、ケーブルコスト及び配線スペースを抑える等の目的から、QMへの電源供給方式としてKEK-PSで実績のある標記接続方法を検討してきた。今回、実機QMとDC電源を使用して、その実証試験を行い良好な結果が得られた。
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●第3回原子核素粒子実験施設委員会
 16日、KEKにて阪大・山中委員長、他委員12名(国外:2名)の出席の下、第3回標記委員会が開催された。 建設グループから当施設建設の進捗状況、スケジュールおよびハドロン実験室のビームラインレイアウト、Nu-TAC報告、ニュートリノ実験室建設に関する進捗状況等の報告がなされ、これらに関する議論及び今後の正式プロポーザルの募集等に関する討論が行われた。 今後、委員長からプロジェクトディレクターに報告がなされる。

●第10回J-PARC運営会議
 9日、KEKで、小間・田中両新議長の下、鈴木東海研所長が新たにメンバーに加わり運営会議が開催された。会議では全般的な状況報告が行われた。 特に低温タスクフォースと監督官庁との鋭意協議により、中性子実験施設に用いられる低温水素循環システムが、この手のシステムとして高圧ガス保安規則ではなく冷凍保安規則の適用が可能との初の判断を得たことが大きなニュースとなった。

●「加速器駆動核変換システム(ADS)の技術開発」報告会
 東海研で24日、ADSの技術開発に関わる連携機関の関係者64名(所外38名)による標記報告会が開催された。 技術開発は大別して、「超伝導線形加速器 」、「未臨海炉心」、ならびに「核破砕ターゲット及び冷却材としての鉛ビスマス溶融合金」に関して実施されており、各担当者からの報告に対して活発な議論がなされた。 全体討論では、今後事故対策を含めたシステム設計を行うこと、及び安全性に関する検討を更に深める必要があること等の意見が出された。
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●「村松白根遺跡」説明会
 茨城県教育財団は21日、東海村村松コミュニティセンターで、昨年4月から進めてきたJ-PARC建設地での遺跡発掘調査の現地説明会を開催した。スライドを使った発掘調査状況等の説明の後、出土した遺物の展示では調査員の説明に多くの質問があった。来場者は約150名。
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