第1回メディアサロン (J-PARCプレス勉強会) (報道機関向け案内)
2021年4月19日
J-PARCセンター
大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構
標準理論を超える新物理発見なるか!?
ミュオンg-2実験の最新情報を徹底解説
日時:4月22日 (木) 13時15分~14時25分
場所:Zoomによるオンライン記者勉強会
世界中の素粒子物理学分野の研究者の間で、今ミュオン (素粒子のひとつで、電子の仲間) が大きな注目を集めています。ミュオンのg-2が標準理論の理論予想からずれているという結果が、アメリカのフェルミ国立加速器研究所から4月7日午前10時 (米国中部標準時) に発表されたからです。g-2 (異常磁気能率) は、素粒子が持つ磁力のうち、量子効果に起因するものであり、未知の粒子や力が存在すれば、その効果が顕著に現れると考えられています。
J-PARCでは、フェルミ国立加速器研究所とは全く独立した手法でミュオンg-2の精密測定を目指す国際共同実験の準備を進めています。この実験では、様々な分野の専門家が結集し、従来にない革新的な方法によるミュオンg-2測定の実現を目指しています。もしJ-PARCの実験でg-2の標準理論の予想値と実験値の間のずれが決定的となれば、そこから新粒子や新しい力といった、標準理論を超える新物理の兆候を掴む事ができると期待されています。
この度はJ-PARCミュオンg-2/EDM実験代表の三部 勉 准教授が、J-PARCの実験の概要やフェルミ国立加速器研究所との相違点、独立した他の実験でg-2の実験値を測定する意義などを、解説いたします。さらに、J-PARC ミュオン科学研究施設の下村 浩一郎 教授が、g-2の精密測定に必要なミュオンに関する2つの値の精密測定実験について、4月16日に発表したプレスリリース 「『理想の水素原子』で未知の物理現象を探索する ミュオニウムのマイクロ波分光実験がスタート」と関連づけて、ご説明します。
参加をご希望の方は、所属、氏名を明記の上、4月21日 (水) 17:00までに、J-PARCセンター広報セクション (pr-section[at]j-parc.jp) までメールでお知らせください。お申込みいただいた皆様には、当日の午前中までにZoom入場URLのご案内をさせていただきます。
ミュオンを用いた基礎物理測定を行う設備群(J-PARC物質・生命科学実験施設 ミュオンHライン):
写真左手奥で生成した大強度ミュオンビームが、g-2/EDM測定用ビームライン(左)、ミュオニウム超微細構造の測定設備(中)、ミュオニウム1S-2S分光の測定設備(右)へと導かれる。
[スケジュ-ル]
Tel:029 -284 -4578
e-mail:pr-section[at]j-parc.jp