ハイパーカミオカンデ計画の開始について
ハイパーカミオカンデ計画は、日本をホスト国とする国際協力科学事業であり、スーパーカミオカンデの8.4倍の有効体積を持つ水槽と超高感度光センサーからなる超大型地下実験装置とJ-PARCの高度化により、宇宙の物質の起源と素粒子の統一理論の解明を目指すものです。
この度、ハイパーカミオカンデ計画の初年度予算35億円を含む2019年度補正予算が成立し、ハイパーカミオカンデ計画を正式に開始する運びとなりました。
日本の分担は、ハイパーカミオカンデ検出器の地下空洞掘削、水槽と構造体、内水槽光センサーの半数、水循環システムの主要部分、初段データ解析システム、J-PARC加速器およびビームラインのアップグレード、前置検出器のための施設整備になります。一方海外参加国の分担は、光センサーの防爆カバーと集光システム、内水槽光センサーの残り半分、外水槽光センサー、データ読み出し回路、検出器較正システム、前置検出器等となります。
今後建設を着実に進め、2027年の実験開始を目指します。海外パートナーと協力し、ニュートリノ物理学とニュートリノ天文学の発展に資したいと存じます。
2020年2月12日
東京大学
高エネルギー加速器研究機構
J-PARCセンター