センター長メッセージ
みなさま、明けましておめでとうございます。
昨年は、この地球上の誰一人にとっても忘れ難い一年になりました。そんな中、J-PARCでは、みなさまのご理解とご支援のもと、感染対策をしっかり進めながら、研究と教育の機会を守るべく、できる限りの施設運転とユーザーの受け入れを行なって参りました。大きなトラブルもなく、普段にも増して成果を上げて、世界に発信することができましたのも皆様のご支援の賜物であります。衷心より感謝申し上げます。
いまだに新型ウイルスによる災禍の収束が、はっきりとは見出せない状況です。この問題に正面から取り組みながらも忘れてならないのは、他にも人類社会にとって大きな課題が、いまも進行中であるということだと思います。とくに、自国中心主義に象徴される世界の分断と気候問題は、今すぐに解決しなければならない課題です。前者の問題は、あまりに大きいですが、国際協力で研究を進める実績をさらに積み上げていくことで、微力であっても貢献し続けることが重要だと考えています。後者の気候問題については、中性子ビームやミュオンビームの特徴を生かして水素社会実現への貢献を進めていきたいと思います。その為にも、施設性能の継続的向上と、産学連携や国際協力など連携の拡充を、今後も進めて参ります。
最後に、私事ではありますが、私はこの3月31日をもって、6年間にわたるセンター長としての任期を満了し、4月からはつくばキャンパスに勤務することになります。この場をお借りしまして、これまでの皆様のご理解とご支援に心から感謝申し上げます。なお、4月以降も引き続きJ-PARCには関わり続けることになりますので、どうぞよろしくお願いします。
これからも、国民の負託に応え、広く人類に貢献できるようJ-PARCとしての不断の努力を続けて参ることを誓いまして、年頭の挨拶とさせて頂きます。
令和3年1月吉日
J-PARCセンター長
齊藤 直人