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2021.12.06

名古屋大学・J-PARCセンターの奥平琢也氏が日本中性子科学会奨励賞を受賞

  名古屋大学理学研究科助教、J-PARCセンター 共通技術開発セクション 外来研究員の奥平琢也氏が、2021年度日本中性子科学会奨励賞を受賞しました。この賞は中性子科学に関して優秀な研究を発表した40歳以下の研究者に対して贈られるものです。

  受賞タイトルは「J-PARCにおける高性能3He中性子スピンフィルターの開発とその先導的研究」です。中性子科学研究において、中性子のスピンを揃えるための中性子偏極デバイスの開発・高性能化は非常に重要です。奥平氏はJ-PARCセンター 物質・生命科学実験施設(MLF)にて高性能スピンフィルターの作製プロセスを確立するとともに、大強度レーザー偏極装置を組み合わせることにより、理論限界に迫る85%の核スピン偏極率および200時間のスピン緩和時間を実現する3Heスピンフィルターの高性能化に成功しました。MLFの多数のビームラインで3Heスピンフィルタの使用実績をあげ、原子核の偏極中性子吸収反応に伴うγ線放出方向の偏りの発見や、中性子小角散乱における偏極解析手法の確立などを成し遂げました。授賞式は2021年12月1日、日本中性子科学会2021年度年会にて行われました。

  受賞対象となった成果の一部は以下のプレスリリースをご参照ください。http://www.j-parc.jp/c/press-release/2020/07/15000563.html

Topix20211206

受賞した奥平氏(背景は大強度レーザー偏極装置)