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2022.04.04

the JNST Most Popular Article Award 2021に選ばれました

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  J-PARCセンター核変換ディビジョンの松田洋樹氏 (現所属は量子科学技術研究開発機構) が筆頭著者となり、日本原子力研究開発機構 (JAEA) 及び (高エネルギー加速器研究機構) KEKの研究者が共著者となって2020年6月に日本原子力学会が発行するJournal of Nuclear Science and Technology (JNST) 誌に発表した論文が、the JNST Most Popular Article Award 2021に選ばれました。本賞は、2020年にJNST誌に掲載された論文のうち、ダウンロード数の多かった6本の論文に授与されたものです。2022年3月16-18日に開催された同学会2022年春の年会において、授賞式が行われました。

  高レベル放射性廃棄物の減容化・有害度低減のため研究開発が進められている加速器駆動核変換システム (ADS) では、大強度陽子ビームが通過するビーム窓等の材料損傷評価が重要です。しかし、評価の基準となる「原子の弾き出し断面積」の実験データは乏しく、評価計算結果の妥当性が不明でした。そこで著者はJ-PARCの陽子ビームを用い、ADSで使われる鉄と銅の弾き出し断面積の測定を行い、鉄については世界で初めてデータの取得に成功しました。本論文ではこの実験結果について述べるとともに、実験値と評価計算値との比較によりADS等の高エネルギー加速器施設で用いられる材料損傷評価の精度向上に貢献したものです。詳細については2020年7月1日のプレス発表をご覧下さい。

  ■ プレス発表 (2020/7/1) 
  http://j-parc.jp/c/press-release/2020/07/01000552.html

  ■ 論文
  Hiroki Matsuda, Shin-Ichiro Meigo, Yosuke Iwamoto, Makoto Yoshida, Shoichi Hasegawa, Fujio Maekawa, Hiroki Iwamoto, Tatsushi Nakamoto, Taku Ishida & Shunsuke Makimura, "Measurement of displacement cross-sections of copper and iron for proton with kinetic energies in the range 0.4 - 3 GeV", Journal of Nuclear Science and Technology, 57:10, 1141-1151 (2020) .

  https://doi.org/10.1080/00223131.2020.1771453

  ■ the JNST Article Awards
  https://www.aesj.net/publish/journal-main/jnst-article-awards