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2023.01.10

センター長メッセージ

みなさま、明けましておめでとうございます。J-PARCセンター長の小林です

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  昨年中は、コロナウイルス流行の大きな波があり、収束の兆しは見えない中でも、ウィズコロナでの社会経済活動を再開させる動きが国内外で進みました。私達J-PARCでも、適切な感染症対策を継続し、研究活動を進めることができました。加速器、実験施設の安全安定な運転を実施できたことを喜ぶとともに、皆様のご協力と努力にお礼申し上げます。海外との往来も本格的に再開しました。J-PARCサイト内に海外からの研究仲間を再びお迎えすることができ、胸が熱くなる思いでした。昨年は、ロシアのウクライナ侵攻という世界平和を揺るがす深刻な事態も起こりました。J-PARCなどでの世界最先端の研究は世界の国々の研究者との国際協力・共同研究による切磋琢磨が本質的に重要で、「同じ釜の飯を食った」経験がその後の長期にわたる協力関係、ひいては国際平和にも、つながるものと信じます。国際的な協力、共同研究を今後もさらに進めていければと思います。

  昨年、RCS/MLFは4月から830kWにビーム強度を高め、95%という非常に高い運転効率でビームを供給できました。MLFの実験から、小惑星探査機はやぶさ2が持ち帰った小惑星リュウグウからのサンプルの成分分析結果や、燃料電池の開発など、様々な成果が上がりました。2023年もビーム強度の増強と安定運転を実現し、さらに多くの成果を目指したいと思います。

  MRは、長年取り組んできた、大強度化のための建設と工事が2021年度中に完成しました。このアップグレードはMR全体の背骨に当たる中枢部分の多くを取り替えるという大掛かりなものです。生まれ変わったMRの立ち上げが始まり、新年はいよいよ、新生MRを用いた大強度ビーム運転が本格的に始まります。大いに期待したいと思います。

 J-PARCの発展は、J-PARC構成員の努力とともに、世界中のユーザーの皆様の努力、関わって下さったすべての関係企業の皆様のご協力により成り立っています。コロナ感染症対策、国際情勢など不透明な状況が続いていますが、J-PARCの使命に今一度立ち返り、真摯に研究を続けたいと思います。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

令和5年1月吉日
J-PARCセンター長
小林 隆