トピックス

2023.08.24

「宇宙線ミュオンで古墳を透視プロジェクト!」を開催 - その1 -

  2023年4月から東海村、J-PARCセンター、茨城大学、東京都立大学が実施し、宇宙線の一つであるミュオンを使って、東海村の古墳の内部を非破壊で調べるプロジェクトが始まりました。
  この活動は毎月1回の頻度で行われます。

活動の様子

◆◇◆ 4月 宇宙線を見る体験教室 ◆◇◆

  4月30日(日)に「体験 見えないものを見る - 宇宙線を見てみよう - 」というテーマのもと16名の参加者を得て第1回の講座が開催されました。活動第1回目ということで、最初に宇宙線ミュオンで古墳の内部を透視するという本プロジェクト全体の説明をしました。
  ついで、J-PARCセンターニュートリノセクションの藤井 芳昭氏による宇宙線ミュオンとは何か、霧箱の原理、古墳透視についての講演がありました。その後、グループごとに霧箱の組み立て作業に入りました。自作の霧箱を使って初めて見るアルファ粒子に、子どもたちはとても興味をもってくれました。

20230824_01

◆◇◆ 5月 東海村の古墳についての講座 ◆◇◆

  5月21日(日)に「古墳って何? - 東海村の古墳の謎にせまる - 」というテーマのもと第2回の講座が開催されました。今回は51名の参加があり、村内をはじめ県内から参加した子どももいました。
  まず、茨城大学の田中 裕氏から、古墳時代および古墳について紹介いただきました。古墳の特徴やかたち、古墳の内部について大変わかりやすく紹介していただけたので、子どもたちも熱心に耳を傾けていました。ついで、東海歴史と未来の交流館学芸員の中泉氏と林氏から、東海村の古墳や出土品についての紹介がありました。出土した形象埴輪が登場した際には、参加者の注目を集めました。最後にJ-PARCセンター長小林 隆から「加速器でさぐる物質と宇宙」というテーマで、J-PARCの紹介がありました。

20230824_02-03

◆◇◆ 6月 テーマ「宇宙から降り注ぐもの」についての講座 ◆◇◆

  6月18日(日)の第3回の講座は、43名の参加者を得て、「宇宙から降り注ぐもの」というテーマのもと講座が開催されました。J-PARCセンター長 小林 隆から「大きな宇宙とちいさな素粒子と加速器と」、物質・生命科学ディビジョンの下村 浩一郎氏から「宇宙から降り注ぐもの - 宇宙線とミュオン - 」の紹介があり、宇宙や素粒子、加速器、ミュオンについて紹介しました。
  講演終了後別室に移動し、つくばの高エネルギー加速器研究機構から運んできた、スパークチェンバーのデモンストレーションを見学しました。スパークチェンバーの中でミュー粒子が通った道筋に沿って放電が起き光の筋が見えるたび、参加者から歓声があがりました。4月の霧箱実験ではアルファ粒子を可視化することができましたが、今回は宇宙線をはっきりと見ることができたので、参加者の感動も大きかったようです。

20230824_04-05

 

20230824_06

◆◇◆ 7月「古墳の中は何があるの?」についての講座 ◆◇◆

  7月23日(日)の第4回講座は、「古墳の中は何があるの」というテーマのもと開催されました。参加者は30名で、東海歴史と未来の交流館学芸員の林氏と中泉氏が講師を務めました。古墳から出土した品々についての講座が開かれました。
  林氏と古墳の埋葬者に扮した中泉氏が掛け合いながら出土品を紹介し、会場はとても和やかな雰囲気に包まれました。講座で紹介された須恵器や縄文土器に実際の触ることができ、参加者にとっては貴重な体験となったようです。

20230824_07-08

  このプロジェクトは、今後も様々な活動を続けていきます。
  詳しくは東海村ホームページをご覧ください。https://www.vill.tokai.ibaraki.jp/soshikikarasagasu/kyoikuiinkai/shogaigakushuka/9/1/2/8705.html