2024年度 日本表面真空学会 熊谷記念真空科学論文賞 受賞
真空科学の進歩発展に特に大きく貢献したと認められる論文著者として、加速器ディビジョンの神谷潤一郎氏へ2024年度日本表面真空学会 熊谷記念真空科学論文賞が贈られました。
神谷氏は加速器等の更なる超高真空化の実現を目指し、真空と材料表面の観点から研究を行いました。部品の材料であるステンレス鋼にvacuum firingと呼ばれる高真空中での熱処理を行うと、ステンレス鋼製真空容器の放出ガスを低減できることを明確に示しました。さらに、vacuum firingにより、ステンレス鋼から放出される水素ガスが低減できかつガス放出源となる他の気体分子も吸着しにくい表面改質が起こるという放出ガス低減のメカニズムの解明にも成功しました。
本賞は2022年度、2023年度と受賞の該当者は無く、3年ぶりに神谷氏が選出され、日本表面真空学会学術講演会(福岡県)にて受賞記念の講演を行いました。