プレスリリース

2022.09.23

小惑星探査機「はやぶさ2」初期分析 石の物質分析チーム
研究成果の科学誌「Science」論文掲載について

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
国立大学法人 東北大学
大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構
J-PARCセンター
公益財団法人 高輝度光科学研究センター
国立大学法人 北海道大学
国立大学法人 京都大学
国立大学法人 九州大学
国立大学法人 広島大学
国立大学法人 東京大学

発表のポイント

  国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 (JAXA) では小惑星リュウグウ試料分析を、6つのサブチームからなる「はやぶさ2初期分析チーム」および、2つの「Phase-2キュレーション機関」にて進めています。

  この度「はやぶさ2初期分析チーム」のうち「石の物質分析チーム」の研究成果をまとめた論文が、アメリカの科学誌「Science」に2022年9月23日付 (日本時間) で掲載されますのでお知らせします。

タイトル 炭素質小惑星リュウグウの形成と進化:リターンサンプルから得た証拠
原題 Formation and evolution of carbonaceous asteroid Ryugu:Direct evidence from returned samples
掲載誌Science
DOI 10.1126/science.abn8671

  概要につきましては、 別紙 をご参照ください。

小惑星リュウグウ試料の初期分析について

  小惑星探査機「はやぶさ2」により2020年12月6日に地球へ帰還したリュウグウ試料は、JAXA宇宙科学研究所に設置された施設において、初期記載 (Phase-1キュレーション) が行われました。試料の一部が、6つのサブチームからなる「はやぶさ2初期分析チーム」と2つの「Phase-2キュレーション機関」へ分配されました。初期分析チームは「はやぶさ2」の科学目的達成のために専門サブチームが分担して、計画された高精度分析により、試料の多面的価値を明らかにします。Phase-2キュレーション機関はそれぞれの特徴である"総合分析"に基づき、個々の「はやぶさ2粒子」カタログを作成すると同時に、粒子の特性に応じた測定・分析により、「はやぶさ2粒子」がもつ潜在的価値を明らかにしていきます。

  なお、初期分析の6つのチーム、Phase-2キュレーション機関からの報告は、論文としての成果が公表されるタイミングで、個別にお知らせしてまいります。 また、全ての初期成果が公表されたのち、あらためて「はやぶさ2」サイエンス全体の総括をご説明する予定です。

本件内容の問い合わせ先

J-PARCセンター 広報セクション
メール:pr-section[at]j-parc.jp
 

  ※ E-mailは上記アドレスの[*]を@に変えて使用してください。

 
 

別紙

小惑星リュウグウ試料の初期分析について
Formation and evolution of carbonaceous asteroid Ryugu:
Direct evidence from returned samples

発表のポイント

  ✣ 液体の水との反応を大規模に経験したリュウグウサンプルに高温環境 (1000℃以上) でできた粒子 (Ca、Alに富む包有物 1) など) が含まれていることを発見した。これらの高温微粒子は太陽近くで形成された後に太陽系外側まで移動し、リュウグウの材料物質と共に現在のリュウグウの元の天体 (リュウグウ母天体 2) ) を形成したと考えられる。これは、誕生時の太陽系において内側と外側で大規模な物質混合が起こっていたことを示す。

  ✣ サンプルに残された磁場の情報から、リュウグウ母天体は太陽から離れた太陽光が届かない星雲ガス 3) の暗闇の中で生まれた可能性が高い。

  ✣ リュウグウ母天体が形成されたのは、水と二酸化炭素が氷で存在する-200℃以下の低温領域であった。

  ✣ サンプル中の結晶に閉じ込められた液体の水を発見した。この水はかつてリュウグウ母天体にあった水であり、塩や有機物を含む炭酸水であった。

  ✣ リュウグウの天体内部に存在した液体の水から、サンゴ礁のような形をした結晶が成長していた。

  ✣ リュウグウの母天体では、水と岩石の比率が表層と地下内部で異なり、地中深くの岩石の方が水を多く含んでいた。

  ✣ サンプルの硬さ、熱の伝わりやすさ、磁気特性などを測定した。その結果、リュウグウサンプルは包丁で切れるほど柔らかいことがわかった。また、小さな磁石が数多く含まれていたことから、過去の磁場を記録した天然のハードディスクであると言える。

  ✣ リュウグウ母天体の誕生から衝突破壊までのプロセスをコンピュータによるシミュレーションで再現した。小惑星の形成進化のシミュレーションに、実際の小惑星のサンプルの硬さや温まりやすさなどの測定結果を取り入れたのは世界初であり、より精密な小惑星進化の描像が明らかになった。

  ✣ このシミュレーションにより、リュウグウ母天体は太陽系形成から約200万年後に集積し、その後300万年をかけておよそ50℃まで温まり、水と岩石の化学反応が進行したこと、直径100 km程度のリュウグウ母天体を破壊した衝突天体の大きさはせいぜい直径10 km程度であること、現在のリュウグウは衝突点から離れた領域の物質からできていることがわかった。

概要

  東北大学理学研究科中村智樹教授らの研究グループは、小惑星探査機「はやぶさ2」が回収した小惑星リュウグウのサンプル (探査機が回収した3番目に大きなサンプル (図1) を含む17粒子) を日米欧の放射光施設5か所、ミュオン施設などを利用し宇宙化学的・物理学的手法による解析を行った。その結果、リュウグウの形成から衝突破壊までの歴史 (太陽系内での形成とその位置、天体材料物質の情報、含まれていた氷の種類、天体表層および内部での水との反応による化学進化、天体衝突の影響など) が判明した。また、リュウグウサンプルには、衝突破壊前の母天体の表層付近の物質と天体内部の物質が混在していることが判明した。さらに、リュウグウサンプルの硬さ、熱の伝わり方、比熱、密度などを実測し、この実測値を使って、リュウグウ母天体形成後の天体内部の加熱による温度変化、および衝突破壊プロセスの数値シミュレーションを行い、リュウグウの形成進化をコンピュータ上で再現した。

詳細な説明

  リュウグウサンプルの分析結果から判明したリュウグウの形成史は、以下に示す6つの段階に分けられる。分析結果を導入して行った数値シミュレーションの結果を図2に示す。

  1.リュウグウ母天体の形成、2.放射性元素の崩壊熱による氷の融解、3.さらなる天体内部温度上昇による水岩石反応の進行、4.放射性元素の枯渇による天体の冷却、5.大規模な衝突現象による母天体破壊、6.衝突で生じた岩片の再集合によるリュウグウ形成。

  それぞれの形成段階に関してどのような物的証拠がリュウグウサンプルに残されていたのかを説明する。

  リュウグウの母天体誕生 

  •   サンプルに残された磁場の情報から、リュウグウの母天体は今は存在しない原始太陽系星雲 3) の中で誕生した可能性が高い。リュウグウは太陽から遠く離れた太陽光が届かない星雲ガスの暗闇の中で生まれた。
  •   リュウグウ母天体は-200℃以下の極低温の場所で誕生した。その領域には水の氷だけではなく、ドライアイス (CO2氷) も存在していた。リュウグウ母天体は、その領域に存在していた岩石粒子と氷を取り込んで形成された。
  •   極低温でできたリュウグウに、太陽近くの高温下でできた粒子 (Ca、Alに富む包有物など) を発見した (図3) 。生まれたてのリュウグウには低温物質 (氷とドライアイス) と太陽の近くの高温でできた物質が少量共存していた。これらの高温微粒子は太陽近くから太陽系外側まで移動したと考えられる。これは、太陽系誕生時の内側と外側の大規模物質混合の証拠となる。
  •   リュウグウサンプル10粒子 (総計126 mg) を使い、ミュオン 4) ビームを使った軽元素を含む化学組成分析を行った (@J-PARC) 。軽元素の窒素や炭素の存在度は化学的に最も始原的な隕石 (CI炭素質隕石) に近く、リュウグウの元素存在度は極めて始原的であることがわかった。

  リュウグウ母天体形成後に起こった岩石と液体の水による反応 

  •   リュウグウの原材料は、氷を含む多様な固体微粒子の集合物であった (図2図4) 。これらの原材料が天体内部で水やCO2と反応し (水質変成) 、サンプルの大部分を占める含水鉱物や炭酸塩鉱物を形成した。水質変成時の水温は、変成時に形成された鉱物の安定関係から、およそ25℃であったと推定される。
  •   サンプル中の結晶に閉じ込められた液体の水を発見した (図5) 。水はミクロンサイズの空孔に保持されていた。質量分析計で分子種を調べると、水は塩や有機物を含む炭酸水であった。
  •   リュウグウサンプルは~1㎜程度の小さな岩片が集まってできた石であった。これらの岩片を構成する鉱物が多様であることは、水との化学反応の際の条件の違いで説明できる。
  •   岩片は水の割合が少ない環境 (水と岩石の質量比<0.2) でできた物質と、水の割合が高い環境 (0.2<水と岩石の質量比<0.9) でできた物質の2種類に大きく分けられる。前者は天体の表層付近の天体表層で冷えやすく氷が溶けにくかった環境でできた岩片 (図4) であり、後者は天体内部の水が豊富な環境でできた物質であると考えられる。したがって、現在のリュウグウには、リュウグウ母天体の表層と内部の物質が混在していることが判明した。
  •   リュウグウの母天体内部で液体の水からテーブルサンゴのような形をした結晶が成長していた (図6) 。このことから、リュウグウの内部には、地球の海に似た環境が存在していたと考えられる。

  水との反応を経て特徴づけられたリュウグウサンプルの物性 

  •   リュウグウサンプルの物性 (硬さ、熱の伝わり方、弾性波速度、比熱、密度など) を測定した。
  •   リュウグウサンプルの体積を空間解像度1ミクロン以下の放射光CT分析 (@SPring-8) で精密に求め、質量はサンプルへの吸着水の影響を避けるため大気遮断の環境で測定した。その結果、サンプルの平均密度は1.79 ± 0.08 g/cm3であり、この値は小惑星リュウグウ全体の密度 (1.19 g/cm3) より非常に大きい。このことは、小惑星内部に30%以上の隙間があることを示唆する。
  •   リュウグウの石の硬さは地球上の火成岩の数分の1しかなく、柔らかかった。実際に刃物を使って切断することができた。
  •   リュウグウサンプルは磁化されていた。サンプルには磁鉄鉱が多く含まれており、 この結晶の内部には特徴的な磁力線分布 (渦状磁区構造:図7) が確認された。この構造は一般のハードディスクよりも安定で、46億年以上にわたって磁場を記録できる。磁鉄鉱の内部、および周辺の磁場はこの結晶が形成された当時の磁場を反映しており、リュウグウ母天体形成時には、太陽系は星雲ガス (磁場を持つ) に覆われていた可能性が高い。

  リュウグウ母天体の熱史と衝突破壊を再現した数値シミュレーション 

  •   リュウグウ母天体の誕生から大規模な衝突破壊を経て現在に至るまでを、コンピュータで再現することに成功した。実際の小惑星のサンプルの硬さや温まりやすさの測定結果を、小惑星の形成進化のシミュレーションに使ったのは世界初である。
  •   サンプルの分析結果、および物性測定結果に基づき、放射性元素の崩壊熱による天体内部の温度変化の数値シミュレーションを行った。その結果、太陽系形成後およそ200万年後に-200℃以下の環境でリュウグウ母天体が形成され、およそ300万年後に水岩石反応が開始され、およそ500万年後に天体内部が最高温度 (~50℃) に達し、現在のリュウグウの構成物質が形成されるまでの過程を再現することができた。
  •   物性測定結果に基づき、リュウグウ母天体の衝突破壊の数値シミュレーションを行った。リュウグウはかつて小惑星族 5) のうち、ポラーナ、またはエウラリア族に属していたと考えられており 6) 、これらの族に属する小惑星すべてがリュウグウの母天体が破壊されて形成されたと考えられる。この推論に基づくと、リュウグウ母天体は直径100 km程度の大きさであったと考えられる。この母天体に直径が母天体の1/10程度の大きさの他の天体が正面衝突すると、母天体は破壊され、最大径が~50 ㎞程度 (ポラーナやエウラリアと同程度の大きさ) の天体と無数の小さな岩塊を形成することが分かった。現在のリュウグウは、この衝突で生まれた岩塊が再集合してできたと考えられる。
  •   衝突破壊のシミュレーションにより、衝突時に高温高圧に達するのは、衝突の震源近くのみであり (10GPa以上の衝撃圧を経験するのは母天体の0.2%程度) 、母天体の大部分は高温高圧を経験せずに破壊される。リュウグウのサンプルからは、強い衝突の証拠はほとんど見つからなかった。このことから、現在のリュウグウを形成した岩塊は、リュウグウ母天体の衝突の震源から離れた物質であることがわかる。

  以上のプロセスを経て、現在のリュウグウが形成されたと考えられる (図2) 。太陽系の中には、リュウグウのような水を含む小惑星の方が水を含まない天体よりも広範囲に分布している。本研究により、太陽から遠く離れた木星の外側の極低温の領域で、どのように小惑星が形成され、進化し、破壊され、現在の姿まで変成していったのか、示すことができた。これにより、太陽系形成に関する多くの未解決の問題のうち、いくつかの問題について、解決の道筋を示すことができた。

  本研究は、中村が代表の科学研究費 (20H00188 (基盤研究A) および21H00159 (新学術領域 公募研究) ) の研究助成を受けている。

202209230300_01

© SPring-8、 東北大学

図1: (A) 分析した最大のサンプル C0002の光学顕微鏡写真と (B) SPring-8の放射光X線CT分析で得られたサンプル内部のCT図。サンプル全域が細粒な物質 (灰色) で構成されていることがわかる。

202209230300_02

© MIT、千葉工業大学、東京工業大学、東北大学

図2: リュウグウサンプルの分析結果から推定されるリュウグウの形成進化プロセス。天体の温度分布や年代、衝突破壊のプロセスは数値シミュレーションで求めた。

202209230300_03

© 東北大学

図3: リュウグウサンプル中に発見された高温環境 (1000℃以上) で形成された粒子 (すべて電子顕微鏡写真) 。 (A、B) Ca、Alに富む包有物、 (B-D) 溶融したカンラン石 (Ol) 、 金属鉄 (FeNi) 、硫化鉄 (FeS) から形成されるコンドリュール 7) 、 (F) アメーバー状カンラン石集合物に類似した多孔質な粒子。

202209230300_04

© 東北大学

図4: C0002サンプル中に発見された天体形成時の始原的な特徴を残した岩片 (電子顕微鏡写真) 。 (A) 細粒で多孔質な岩片の全体像、 (B) 岩片の一部を拡大したもの、 (C) Bと同じ領域の元素分布。赤色の粒子はカンラン石、または輝石を示し、これらの鉱物が多産していることがわかる。 (D) 細粒で多孔質な岩片の全体像、 (E) Dの一部を拡大したもの。1ミクロン以下の非晶質ケイ酸塩や硫化鉄で形成される微粒子 (写真中でGEMS-likeと表示) 、およびカンラン石 (Ol) などが主な構成物質である。

202209230300_05

© 東北大学、NASA/JSC、SPring-8

図5: リュウグウサンプル中の6角板状の結晶 (硫化鉄) の内部に発見された水とCO2を主成分とする液体。 (A、B) 硫化鉄結晶中の空孔のCT像。数ミクロンの大きさの空孔 (白矢印) が結晶中に存在している、 (C) 質量分析計で測定した空孔内に含まれていた様々なイオン種 (同じ分子種の2枚の写真は、左側が空孔上部、右側が空孔中部に含まれていたイオン種を示す) 。結晶の温度を-120℃にして、空孔中の液体を凍らせて分析した。 (D) 分析後の空孔中の液体を蒸発させて、空孔内部を観察した結果、結晶を構成する元素 (鉄と硫黄) 以外は検出されなかった。空孔内には液体以外の固体成分は存在しないことを示す。

202209230300_06

© 東北大学

図6: リュウグウサンプル表面に発見されたテーブルサンゴに似た形をした結晶 (電子顕微鏡像) 。極微小の薄い結晶が積み重なるようにして成長している。

202209230300_07

© JFCC、北海道大学、日立、東北大学

図7: 球状の磁鉄鉱 (Fe3O4) 結晶に刻まれた古地磁気の記録。リュウグウ試料から切り出した磁鉄鉱の透過型電子顕微鏡像 (A) と電子線ホログラフィー法により得られた磁束分布像 (B、C) 。矢印と色は磁化の方位。粒子の内部に見られる同心円状の縞模様は、磁力線が矢印の方向に巻いていることを示している (渦状磁区構造と呼ばれる) 。粒子の外側に見られる磁力線は粒子からの漏れ磁場で、リュウグウ母天体の内部が温まり、水と鉱物の反応が起こった時のリュウグウの磁場環境を反映している。

語句説明

1)  Ca、Alに富む包有物
  太陽系で最古の固体粒子。太陽系形成期に太陽近くの高温のガスから凝縮してできたと考えられている。

2)  リュウグウ母天体
  誕生時のリュウグウ。直径はおよそ100km程度であったと考えられる。この母天体が破壊されて現在のリュウグウになった。

3)  原始太陽系星雲、星雲ガス
  45億6700万年前に誕生した直後の太陽系に存在していたと考えられる太陽を取り巻くガス円盤。現在の太陽系には存在せず、太陽系形成期の早い段階で消失したと考えられている。

4)  ミュオン
  電子の約200倍の質量をもつ素粒子。

5)  小惑星族
  小惑星族とは、軌道長半径、離心率、軌道傾斜角など類似の固有軌道要素を持つ小惑星の集団である。同じ族に属する小惑星は、共通の母天体の衝突破壊によって形成された破片群であると考えられている。

6)  Sugita et al,(2019) Science 364, eaaw0442. doi
  10.1126/science.aaw0422/

7)  コンドリュール
  小惑星起源の隕石に多く含まれている球状、またはそれに近い形態の粒子である。原始太陽系星雲内部で1200℃以上の加熱の後、急速に冷却されたことによってできたと考えられている。

 

論文情報

雑誌名 Science
論文タイトル Formation and evolution of carbonaceous asteroid Ryugu: Direct evidence from returned samples
著者 T. Nakamura1, M. Matsumoto1, K. Amano1, Y. Enokido1, M. E. Zolensky2, T. Mikouchi3, H. Genda4, S. Tanaka5,6, M. Y. Zolotov7, K. Kurosawa8, S. Wakita9, R. Hyodo5, H. Nagano10, D. Nakashima1, Y. Takahashi11,12, Y. Fujioka1, M. Kikuiri1, E. Kagawa1, M. Matsuoka13,14, A. J. Brearley15, A. Tsuchiyama16,17,18, M. Uesugi19, J. Matsuno16, Y. Kimura20, M. Sato11, R. E. Milliken21, E. Tatsumi22,11, S. Sugita11,8, T. Hiroi21, K. Kitazato23, D. Brownlee24, D. J. Joswiak24, M. Takahashi1, K. Ninomiya25, T. Takahashi26,27, T. Osawa28, K. Terada29, F. E. Brenker30, B. J. Tkalcec30, L. Vincze31, R. Brunetto32, A. Aléon-Toppani32, Q. H. S. Chan33, M. Roskosz34, J.-C. Viennet34, P. Beck35, E. E. Alp36, T. Michikami37, Y. Nagaashi38,1, T. Tsuji39,40, Y. Ino41,5, J. Martinez2, J. Han42, A. Dolocan43, R. J. Bodnar44, M. Tanaka45, H. Yoshida11, K. Sugiyama46, A. J. King47, K. Fukushi48, H. Suga49, S. Yamashita50,51, T. Kawai11, K. Inoue48, A. Nakato5, T. Noguchi52,53, F. Vilas54, A. R. Hendrix54, C. Jaramillo-Correa55, D. L. Domingue54, G. Dominguez56, Z. Gainsforth57, C. Engrand58, J. Duprat34, S. S. Russell47, E. Bonato59, C. Ma60, T. Kawamoto61, T. Wada1, S. Watanabe5,26, R. Endo62, S. Enju63, L. Riu64, S. Rubino32, P. Tack31, S. Takeshita65, Y. Takeichi50,51,66, A. Takeuchi19, A. Takigawa11, D. Takir2, T. Tanigaki67, A. Taniguchi68, K. Tsukamoto1, T. Yagi69, S. Yamada70, K. Yamamoto71, Y. Yamashita69, M. Yasutake19, K. Uesugi19, I. Umegaki72,65, I. Chiu25, T. Ishizaki5, S. Okumura52, E. Palomba73, C. Pilorget32,74, S. M. Potin13,75, A. Alasli10, S. Anada71, Y. Araki76, N. Sakatani70,5, C. Schultz21, O. Sekizawa49, S. D. Sitzman77, K. Sugiura4, M. Sun17,18,78, E. Dartois79, E. De Pauw31, Z. Dionnet32, Z. Djouadi32, G. Falkenberg80, R. Fujita10, T. Fukuma81, I. R. Gearba43, K. Hagiya82, M. Y. Hu36, T. Kato71, T. Kawamura83, M. Kimura50,51, M. K. Kubo84, F. Langenhorst85, C. Lantz32, B. Lavina86, M. Lindner30, J. Zhao36, B. Vekemans31, D. Baklouti32, B. Bazi31, F. Borondics87, S. Nagasawa26, 27, G. Nishiyama11, K. Nitta49, J. Mathurin88, T. Matsumoto52, I. Mitsukawa52, H. Miura89, A. Miyake52, Y. Miyake65, H. Yurimoto90, R. Okazaki91, H. Yabuta92, H. Naraoka91, K. Sakamoto5, S. Tachibana11,5, H. C. Connolly Jr.93, D. S. Lauretta94, M. Yoshitake5, M. Yoshikawa5,6, K. Yoshikawa95, K. Yoshihara5, Y. Yokota5, K. Yogata5, H. Yano5,6, Y. Yamamoto5,6, D. Yamamoto5, M. Yamada8, T. Yamada5, T. Yada5, K. Wada8, T. Usui5,11, R. Tsukizaki5, F. Terui96, H. Takeuchi5,6, Y. Takei5, A. Iwamae97, H. Soejima5,97, K. Shirai5, Y. Shimaki5, H. Senshu8, H. Sawada5, T. Saiki5, M. Ozaki5,6, G. Ono95, T. Okada5,98, N. Ogawa5, K. Ogawa5, R. Noguchi99, H. Noda100, M. Nishimura5, N. Namiki100,6, S. Nakazawa5, T. Morota11, A. Miyazaki5, A. Miura5, Y. Mimasu5, K. Matsumoto100,6, K. Kumagai5,97, T. Kouyama101, S. Kikuchi8,100, K. Kawahara5, S. Kameda70,5, T. Iwata5,6, Y. Ishihara102, M. Ishiguro103, H. Ikeda95, S. Hosoda5, R. Honda104,105, C. Honda23, Y. Hitomi5,97, N. Hirata38, N. Hirata23, T. Hayashi5, M. Hayakawa5, K. Hatakeda5,97, S. Furuya11, R. Fukai5, A. Fujii5, Y. Cho11, M. Arakawa38, M. Abe5,6, S. Watanabe106, Y. Tsuda5.
著者所属 1 Department of Earth Sciences, Tohoku University, Sendai 980-8578, Japan.
2 NASA Johnson Space Center; Houston TX 77058, USA.
3 The University Museum, The University of Tokyo, Tokyo 113-0033, Japan.
4 Earth-Life Science Institute, Tokyo Institute of Technology, Tokyo 152-8550, Japan.
5 Institute of Space and Astronautical Science, Japan Aerospace Exploration Agency (JAXA) , Sagamihara 252-5210, Japan.
6 Department of Space and Astronautical Science, The Graduate University for Advanced Studies (SOKENDAI) , Hayama 240-0193, Japan.
7 School of Earth and Space Exploration, Arizona State University, Tempe AZ 85287, USA.
8 Planetary Exploration Research Center, Chiba Institute of Technology, Narashino 275-0016, Japan.
9 Department of Earth, Atmospheric and Planetary Sciences, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge MA 02139, USA.
10 Department of Mechanical Systems Engineering, Nagoya University, Nagoya 464-8603, Japan.
11 Department of Earth and Planetary Science, The University of Tokyo, Tokyo 113-0033, Japan.
12 Isotope Science Center, The University of Tokyo, Tokyo 113-0032, Japan.
13 Laboratoire d'Etudes Spatiales et d'Instrumentation en Astrophysique (LESIA) , Observatoire de Paris, Meudon 92195 France.
14 Geological Survey of Japan, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST), Tsukuba, 305-8567, Japan.
15 Department of Earth and Planetary Sciences, University of New Mexico, Albuquerque NM 87131, USA.
16 Research Organization of Science and Technology, Ritsumeikan University, Kusatsu 525-8577, Japan.
17 Chinese Academy of Sciences (CAS) Key Laboratory of Mineralogy and Metallogeny, Guangdong Provincial Key Laboratory of Mineral Physics and Materials, Guangzhou Institute of Geochemistry, CAS, Guangzhou 510640, China.
18 CAS Center for Excellence in Deep Earth Science, Guangzhou 510640, China.
19 Scattering and Imaging Division, Japan Synchrotron Radiation Research Institute, Sayo 679-5198, Japan.
20 Institute of Low Temperature Science, Hokkaido University,Sapporo 060-0819, Japan.
21 Department of Earth, Environmental, and Planetary Sciences, Brown University, Providence, RI 02912, USA.
22 Instituto de Astrofísica de Canarias, University of La Laguna, Tenerife 38205, Spain.
23 Aizu Research Center for Space Informatics, The University of Aizu, Aizu-Wakamatsu 965-8580, Japan.
24 Department of Astronomy, University of Washington, Seattle WA 98195 USA.
25Institute for Radiation Sciences, Osaka University, Toyonaka 560-0043, Japan.
26 Kavli Institute for the Physics and Mathematics of the Universe (The World Premier International Research Center Initiative), The University of Tokyo, Kashiwa 277-8583, Japan.
27 Department of Physics, The University of Tokyo, Tokyo 113-0033, Japan.
28 Materials Sciences Research Center, Japan Atomic Energy Agency, Tokai 319-1195, Japan.
29 Department of Earth and Space Science, Osaka University; Toyonaka 560-0043, Japan.
30 Institute of Geoscience, Goethe University, Frankfurt, 60438 Frankfurt am Main, Germany.
31 Department of Chemistry, Ghent University, Krijgslaan 281 S12, Ghent, Belgium.
32 Institut d'Astrophysique Spatiale, Université Paris-Saclay, Orsay 91405, France.
33 Department of Earth Sciences, Royal Holloway University of London, Egham TW20 0EX, UK.
34 Institut de Minéralogie, Physique des Matériaux et Cosmochimie, Muséum National d'Histoire Naturelle, Centre national de la recherche scientifique (CNRS), Sorbonne Université, Paris, France.
35 Institut de Planétologie et d'Astrophysique de Grenoble, CNRS, Université Grenoble Alpes, 38000 Grenoble, France.
36 Advanced Photon Source, Argonne National Laboratory, Argonne, IL 60439, USA.
37 Faculty of Engineering, Kindai University, Higashi-Hiroshima 739-2116, Japan.
38 Department of Planetology, Kobe University, Kobe 657-8501, Japan.
39 Department of Earth Resources Engineering, Kyushu University, Fukuoka 819-0395, Japan.
40 School of Engineering, The University of Tokyo, Tokyo 113-0033, Japan.
41 Department of Physics, Kwansei Gakuin University, Sanda 669-1330, Japan.
42 Department of Earth and Atmospheric Sciences, University of Houston, Houston TX 77204, USA.
43 Texas Materials Institute, The University of Texas at Austin, Austin TX 78712, USA.
44 Department of Geoscience, Virginia Tech., Blacksburg VA 24061, USA.
45 Materials Analysis Station, National Institute for Materials Science, Tsukuba 305-0047, Japan.
46 Institute for Materials Research, Tohoku University, Sendai 980-8577, Japan.
47 Department of Earth Science, Natural History Museum, London SW7 5BD, UK.
48 Institute of Nature and Environmental Technology, Kanazawa University, Kanazawa 920-1192, Japan.
49 Spectroscopy Division, Japan Synchrotron Radiation Research Institute, Sayo 679-5198, Japan.
50 Department of Materials Structure Science, The Graduate University for Advanced Studies (SOKENDAI) , Tsukuba, Ibaraki 305-0801, Japan.
51 Institute of Materials Structure Science, High Energy Accelerator Research Organization, Tsukuba 305-0801, Japan.
52 Division of Earth and Planetary Sciences, Kyoto University; Kyoto 606-8502, Japan
53 Faculty of Arts and Science, Kyushu University, Fukuoka 819-0395, Japan.
54 Planetary Science Institute, Tucson AZ 85719, USA.
55 The Pennsylvania State University, University Park, PA 16802, USA.
56 Department of Physics, California State University, San Marcos, CA 92096, USA.
57 Space Sciences Laboratory, University of California, Berkeley, California 94720, USA.
58 Laboratoire de Physique des 2 Infinis Irène Joliot-Curie, Université Paris-Saclay, CNRS, 91405 Orsay, France.
59 Institute for Planetary Research, Deutsches Zentrum für Luftund Raumfahrt, Rutherfordstraße 2 12489 Berlin, Germany.
60 Division of Geological and Planetary Sciences, California Institute of Technology, Pasadena CA 91125, USA.
61 Department of Geosciences, Shizuoka University, Shizuoka 422-8529, Japan.
62 Department of Materials Science and Engineering, Tokyo Institute of Technology, Tokyo 152-8550, Japan.
63 Graduate School of Science and Engineering, Ehime University, Matsuyama 790-8577, Japan.
64 European Space Astronomy Centre, 28692 Villanueva de la Cañada, Spain.
65 High Energy Accelerator Research Organization, Tokai 319-1106, Japan.
66 Department of Applied Physics, Osaka University, Suita, 565-0871, Japan.
67 Hitachi, Ltd., Hatoyama 350-0395, Japan.
68 Institute for Integrated Radiation and Nuclear Science, Kyoto University, Kumatori 590-0494, Japan.
69 National Metrology Institute of Japan, AIST, Tsukuba 305-8565, Japan.
70 Department of Physics, Rikkyo University, Tokyo 171-8501, Japan.
71 Japan Fine Ceramics Center, Nagoya 456-8587, Japan.
72 Toyota Central Research and Development Laboratories, Inc., Nagakute 480-1192, Japan.
73 Istituto di Astrofisica e Planetologia Spaziali, Istituto Nazionale di Astrofisica, Rome 00133, Italy.
74 Institut Universitaire de France, Paris, France.
75 Faculty of Aerospace Engineering, Delft University of Technology, Delft, The Netherlands.
76 Department of Physical Sciences, Ritsumeikan University, Shiga 525-0058, Japan.
77 Physical Sciences Laboratory, The Aerospace Corporation, California 90245, USA.
78 University of Chinese Academy of Sciences, Beijing 100049, China.
79 Institut des Sciences Moléculaires d'Orsay, Université Paris-Saclay, CNRS, 91405 Orsay, France.
80 Deutsches Elektronen-Synchrotron Photon Science, 22603 Hamburg, Germany.
81 Nano Life Science Institute (The World Premier International Research Center Initiative) , Kanazawa University, 920-1192, Japan.
82 Graduate School of Life Science, University of Hyogo, Hyogo 678-1297, Japan.
83 Institut de Physique du Globe de Paris, Université de Paris, Paris 75205, France.
84 Division of Natural Sciences, International Christian University, Mitaka 181-8585, Japan.
85 Institute of Geosciences, Friedrich-Schiller-Universität Jena, 07745 Jena, Germany.
86 Center for Advanced Radiation Sources, The University of Chicago, Chicago, IL 60637, USA.
87 Optimized Light Source of Intermediate Energy to LURE (SOLEIL) Synchrotron, L'Orme des Merisiers, Gif sur Yvette Cedex, F-91192, France.
88 Institut Chimie Physique, Université Paris-Saclay, CNRS, 91405 Orsay, France.
89 Graduate School of Science, Nagoya City University, Nagoya 467-8501, Japan.
90 Department of Natural History Sciences, Hokkaido University, Sapporo 060-0810, Japan.
91 Department of Earth and Planetary Sciences, Kyushu University, Fukuoka 819-0395, Japan.
92 Graduate School of Advanced Science and Engineering, Hiroshima University, Higashi-Hiroshima 739-8526, Japan.
93 Department of Geology, Rowan University, Glassboro NJ 08028, USA.
94 Lunar and Planetary Laboratory, University of Arizona; Tucson AZ 85721, USA.
95 Research and Development Directorate, JAXA, Sagamihara 252-5210, Japan.
96 Department of Mechanical Engineering, Kanagawa Institute of Technology, Atsugi 243-0292, Japan.
97 Marine Works Japan Ltd., Yokosuka 237-0063 Japan.
98 Department of Chemistry, The University of Tokyo, Tokyo 113-0033, Japan.
99 Faculty of Science, Niigata University, Niigata 950-2181, Japan.
100 National Astronomical Observatory of Japan, Mitaka 181-8588, Japan.
101 Digital Architecture Research Center, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, Tokyo 135-0064, Japan.
102 JAXA Space Exploration Center, JAXA, Sagamihara 252-5210, Japan.
103 Department of Physics and Astronomy, Seoul National University, Seoul 08826, Korea.
104 Department of Information Science, Kochi University, Kochi 780-8520, Japan.
105 Center for Data Science, Ehime University, Matsuyama 790-8577, Japan.
106 Department of Earth and Environmental Sciences, Nagoya University, Nagoya 464-8601, Japan.
掲載誌 Science
DOI番号 10.1126/science.abn8671