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JーPARCでは、いろいろな研究が行われますが、最も規模が大きい研究はニュートリノ研究でしょう。 ニュートリノは不思議な粒子です。太陽からも1平方センチメートル (1cm×1cm) に、毎秒660億個!!くらいのニュートリノが地球に降り注いでいます。私たちの身体にも1秒間に200〜300兆個くらいのニュートリノが衝突しているのです。
でも何も感じませんよね?じつはニュートリノは体も地球も、何でも通り抜けてしまうので感じることができないのです。また、何でも通り抜けしまうので、見つけるのも難しいのです。 このニュートリノを何とか観察しようと、世界中の研究者が一生懸命考えています。岐阜県飛騨市神岡町にある「スーパーカミオカンデ」は、ニュートリノを観察する世界最高性能の研究施設です。
JーPARCでは、このスーパーカミオカンデと協力して、ニュートリノの謎に迫る研究を行います。
JーPARCで発生した数多くのニュートリノは、地球の中を通り抜け、西方、およそ300kmもはなれた場所にあるスーパーカミオカンデで観測されます。世界最高のスーパーカミオカンデを使っても、ニュートリノ観測することはなかなか難しいのですが、JーPARCから数多くのニュートリノを送って、一緒になって研究を行います。
東海村のJーPARCにも、写真のようなニュートリノを観測する装置があります。JーPARCで観測したデータと、スーパーカミオカンデで観測したデータを比べて、これまで謎とされてきたニュートリノの性質などを明らかにすることができれば、ノーベル賞級の大発見になるかもしれませんね!!
12月1日夜、いばらき量子ビーム研究センター2階の「東海村研究交流プラザ」で、JーPARCに訪れている世界各国の研究者と、JーPARC関係者、地元東海村の皆さんなどとの交流会が開催されました。
30名を超える外国人研究者の皆さんが、忙しい研究の合間に参加してくれました。地元東海村を代表して村上村長が研究者の皆さんを歓迎するご挨拶をされました。
研究者たちは、それぞれに出身地や自分の研究内容などを話したほか、いろいろなお話しをしてくれました。例えば「今まで日本と言えば東京しか知らなかったけど、東海村に来て、日本の別の、そして本当の姿を見たような感じがします」といったお話しや、「カラオケなんか行ったこと無かったけど、ここへ来て1回行ったら病みつきになってしまい、何度も行ってま〜す!」といった、楽しいお話しをたくさん聞くことができました。
みんなでとても楽しい一時を過ごしました。そしてこれからまた研究に、仕事に頑張ろう!と誓い合って記念写真を撮りました。
J-PARCは世界中の研究者に開かれた研究施設として、たくさんの外国人研究者が訪れています。
JーPARCの近傍にある「いばらき量子ビーム研究センター」には、ユーザーズオフィスという国内外からの研究者、施設利用者のサポートをする部署もあります。
また、同センターには200人くらいで会議ができる、大きな会議室もあります。ここでは外国からの研究者も一緒に参加する国際会議も数多く開かれています。最新の研究成果や情報が次々と発表されます。会議に参加する研究者たちは、発表者の話を聞きながらメモを取ったり (今はパソコンに直接メモする人も多いよ) 質問したりして、議論を重ねています。会議はほとんどが英語で行われます。
最新の情報を知ったり、自分の意見や成果を世界に向けてアピールするためには、英語で話したり聞いたりすることが必要です。将来、研究者や科学者になろうとしている君たち!英語の勉強もしっかりやろう!!
7月から9月まで保守・点検作業進めていたJーPARCは、10月から装置の運転や実験が再開されました。
長い間装置を停止していたので、いろいろな装置を確認しながら、徐々に、そして慎重に運転を開始しました。15日からは中性子利用実験もはじまり、たくさんの施設利用実験者、研究者がJーPARCを訪れています。
物質・生命科学実験施設の実験ホールでは、点検や調整が終わった「ビームライン」と呼ばれる実験装置に、JーPARCで加速した陽子ビームから生み出される中性子を導いて実験します。中性子は、陽子ビームを水銀という金属に衝突させて発生させることができます。およそ20トンもの水銀が入ったタンクは、直径10m、高さ8mの鉄やコンクリートでできた筒状の放射線遮蔽容器に囲まれ、中性子が外へ漏れるのを防いでいるので安全です。写真左上の番号が付いている、濃い青色のものが放射線遮蔽容器です。
この容器には直径30cmくらいの穴が23箇所開いています。この細い穴 (ビーム取り出し口) から中性子が取り出され、実験装置に導かれます。写真の手前側に向かって長く延びている、色とりどりの装置がビームラインです。 取り出し口には、重さが40トンもある鉄でできた巨大なシャッターがあります。シャッターが開いているところだけ、その取り出し口から中性子を導くことができます。それ以外からは中性子は出てきません。写真では、放射線遮蔽容器の番号の上にランプがありますが、オレンジのランプがシャッターを開けて中性子を取り出しているビームラインです。緑色のランプのビームラインはシャッターが閉められているので、中性子を取り出していません。
このように、たくさんのビームラインが設置されていて、たくさんの研究者が同時に研究できること。そしてシャッターの開け閉めで、どのビームラインインも自由に中性子を導いたり止めたりすることができることが、JーPARCの特徴です。研究を進めるのにとても便利ですね!
毎週日曜日夕方から放送している人気アニメ番組「サザエさん」を知っていますか? 番組のオープニングでは全国各地の名所が紹介されていますが、10月から来年3月末までは、茨城県内の名所や観光地が紹介されます。 秋編 (10月から12月まで) では、日本三大名瀑布 (滝) のひとつ、袋田の滝や笠間焼などが紹介されています。そして来年1月から3月までの冬編で、日本三公園のひとつである偕楽園などとともに、J-PARCが紹介されることになりました!
JーPARCは、およそ65ヘクタール (東京ドームおよそ14個分!) にもなる、とても広い場所に建設した施設なので、施設全体をお見せするのはなかなか大変です。サザエさんの番組では、JーPARCはどのように紹介されるのでしょうかねぇ?とても楽しみです。
皆さんもぜひ番組を見て下さい!
JーPARCは9月末まで定期点検や工事を行っています。JーPARCは電気をたくさん使って動かす装置なので、冷房などでたくさんの電気を使う夏の間は装置の運転を停止して、できるだけ電気を使用しないようにしています。そして装置を停止させている期間を利用して、点検や工事を行うのです。 7月から開始されたJーPARCの各装置の点検や工事は、予定どおり着々と進んでいます。50GeVシンクロトロンのトンネルでも、レーザー光線を利用して電磁石の設置場所を正確に測定する作業などが続けられています (写真参照) 。
秋からは、またJーPARCの運転や実験が再開されます。