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JーPARCではいろいろな研究が行われますが、そのために、たくさんの種類の粒子を発生させています。その中に「ミュオン」と呼ばれている粒子があります。! ミュオンは、宇宙から地球に降り注いでいる放射線である「宇宙線」のなかで見つけることができます。電子などの粒子と同じ仲間ですが、マイナスの電気を帯びている電子と違い、ミュオンにはプラスの電気を持つものと、マイナスの電気を持つものがあります。このようなミュオンの持つ特別な性質を利用して、いろいろな研究を行うのです。
JーPARCでは、光の速さくらいまで加速した陽子ビームを、黒鉛 (カーボン) の標的にぶつけて、たくさんのミュオンを発生させることができます。そのミュオンを集めた「ミュオンビーム」が、いろいろな研究に利用されています。
去年の12月にJーPARCで行った実験で、これまでに無いほどたくさんのミュオンを発生させることに成功しました。そしてその実験で得られたデーターを細かく調べたところ、なんと!世界で最も強いミュオンビームを発生していたことが確かめられたのです!!JーPARCのミュオンビームは、世界一の強さを持っています。
強いミュオンビームを利用すると、これまでよく観察できなかったものがよく見えるようになったり、これまでより観測する時間を短くできるので、次々といろいろなものを調べることができるようになります。研究者の強〜い味方になりますね。
JーPARCでは、このミュオンを利用して、優れた電池や磁石の研究、新しい材料の開発などを進めていきます。私たちの生活向上に役立つような製品の開発や研究に、JーPARCの世界一の強さを持つミュオンが大活躍するといいですね。
昨年12月15日のP君日記「ニュートリノをつかまえろ!」でお話しした、JーPARCからおよそ300kmもはなれた場所にある、世界最高性能のニュートリノ検出器「スーパーカミオカンデ」で、24日の朝6時に、JーPARCから発生したニュートリノを観測することに初めて成功しました!
JーPARCで発生したニュートリノは地球の中を通り抜け、スーパーカミオカンデで見つけることができたのです。これでJーPARCやスーパーカミオカンデの高い能力が明らかになり、これからさらに研究が進められます。
ニュートリノは謎の多い粒子で、その性質はまだよく解っていません。不思議な粒子、ニュートリノの秘密や謎を明らかにしていく研究の、大きな第一歩と言えます。
皆さんも、これからのJーPARCなどでのニュートリノ研究に注目してくださいね!!
昨年の10月にも日記でお伝えしましたが、毎週日曜日夕方から放送している人気アニメ番組「サザエさん」のオープニングに、ついにJーPARCが登場しました!
オープニングで茨城県内の名所や観光地が紹介されていますが、サザエさんが気球に乗って水戸芸術館を空から眺めたすぐ後に、同じように空からの眺めとしてJーPARCが紹介されています。登場している時間は短いですが、画面の左下にJーPARCと出ています。
東京ドームおよそ14個分にもなる、広い場所に建設したJーPARCを紹介するのは大変ですが、大きさがわかってもらえたかなぁ〜?
まだ見ていない方は、ぜひ番組を見て下さいね!
新年、明けましておめでとうございます。今年もJーPARCをよろしくお願いいたします。今年は寅年ですね。実は12年前の寅年 (平成10年) は、JーPARCにとって大きな節目となる年でした。
皆さんは「経済協力開発機構」 (OECD;Organization for Economic Co-operation and Development:本部はフランスのパリ) という国際機関を知っていますか?OECDには30カ国が加盟していて、先進国間の自由な意見交換・情報交換を通じて、経済成長や貿易自由化などに貢献することを目的としています。全体で20を超える委員会が多岐に亘る分野において活動しています。エネルギー問題を検討する付属機関として、IEA (国際エネルギー機関:International Energy Agency) もあります。
12年前、このOECDのメガ・サイエンスフォーラムという会議で、「これからの世界の科学の発展、貢献のためには、日本、アメリカ、ヨーロッパの3地域に、先進的な中性子科学研究施設を建設するべき」と言うことが提案されました。
その後この提案に従って、アメリカでSNS計画、ヨーロッパでESS計画、そして日本でJーPARC計画が進められてきました。ですから、12年前のOECDの提案が、JーPARCのスタートであるとも言えるのです。
今年はJーPARCから、次々と研究成果が生み出されることが期待されています。世界中の研究者とともに、最先端の研究をするJーPARCに、ぜひ注目して下さい!!