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3月11日の東日本大震災から、間もなく半年になります。J-PARCは建物の周りや道路、装置などに大きな被害を受けましたが、全力で復旧作業に取り組んできました。しばらくの間、この日記もお休みさせていただきましたが、今回は復旧のようすについてお話します。
J-PARCは全体で東京ドーム14個分もの広さがある、とても大きな研究施設ですが、ひとつひとつの装置はとても精密に作られています。またその装置は地球の丸みによるズレも影響しないように、レーザー光線などを利用して正確に並べられています。
J-PARCの建物は強固に作られているので、今回の地震によって中の装置はほとんど壊れることはありませんでした。しかし地下のトンネルに少しヒビが入ってしまい、地下水がそのヒビのすき間からしみ込んできました。特殊なスポンジのような材料 (ウレタン) でヒビを埋めることで、水漏れを止める作業を行いました。
また加速器などは、正確に並べられている装置が一部ずれてしまいました。ずれたといっても、数ミリから数センチくらいの少しのずれなのですが、これでもJ-PARCの運転には影響してしまいます。
50GeVシンクロトロンでは、1,600mの地下トンネル内におよそ400台並べてある全ての電磁石が、どのくらいずれたのかを測量しました。測量したデーターをコンピューターで計算して、どこのずれをどのくらい直せばよいのかを調べました。他の加速器も同じように調べました。
トンネルの水漏れ修復作業を終えてから測量を始めたので、この作業が終わったのは8月になりました。これからこの調べたデーターに基づいて、1台1台、電磁石の位置を0.1ミリ単位で調整します。これも大変な作業ですが、みんなで頑張って進めています。
この他にも、傾いた建物をジャッキで持ち上げる作業や、地面に埋まっている水の配管が切れてしまったところをつなぎ直す作業など、あちらこちらで工事が進んでいますが、順調に復旧は進んでいます。
J-PARCでは、何とか12月までに復旧作業を完了させて運転を再開しようと計画しています。来年早々には、また国内や海外から、たくさんの研究者の方に来ていただいて、実験を始める予定です。
どうぞこれからも、復旧に向けて皆さんのご支援をよろしくお願いいたしします。
3月11日、午後2時46分、J-PARCのある茨城県東海村でも震度6弱の大きな地震がありました。津波は茨城県沿岸にも押し寄せ、場所によっては6メートルを超えました。多くの家が流されたり、亡くなった方もありました。J-PARCは、地震発生時はリニアック (直線加速器) だけが運転をしていて、地震発生とともに直ちに自動的に停止しました。J-PARCエリアには津波の影響はありませんでした。けが人もなく、放射線に関する問題も生じていません。
当日J-PARCには、千葉県松戸市から約40人のお年寄りの皆さんが見学に訪れていました。J-PARCには、全国から年間約8千人を超える方が見学に訪れています。皆さんに会議室でJ-PARCについて説明をしていた時に地震が発生しました。強い地震の横揺れがあり、安全のため皆さんに机の下に隠れてもらった次の瞬間、会議室の天井が全て落下しました (写真参照) 。まさに間一髪でした。
その後も長い間揺れは続きましたが、揺れが収まったあとで皆さんを机の下から救い出しました。幸いだれにもけがはなく、全員が無事でした。被害の大きさから考えると奇跡的だったかもしれません。そんな大きな災害でした。会議室に並ぶ数多くの机が、落下してきた天井を支える役目をしてくれたようです。皆さんも、地震の時は机の下に隠れることがとても大切だ、ということをぜひ覚えておいて下さい。
J-PARCは建物の周りや道路が大きく陥没し、装置などが傾いていてしまったものもあります。 (写真参照) 。施設は安全に停止していますが、現在、各機器や装置の被害のようすを調べています。再び運転を開始するまでには、しばらく時間がかかりそうです。
また、となりの福島県では原子力発電所で大きな事故がありました。デマが流れたり風評被害も出ています。原子力発電や原子炉についてよく知らない多くの人たちにとっては、発表される事をどのように理解したらいいのか分からないので、「こわい」という思いだけが残ってしまうのではないでしょうか?
日ごろから少しでも、重要な電気の供給源である原子力発電について関心を持ってもらえていたら、いや、関心を持ってもらえるように、私たちが分かりやすく説明していれば、皆さんの不安を少し解消することができたのではないかと思っています。原子力のみならず、さまざまな科学や技術について、皆さんがきちんと理解できるような、分かりやすい広報の大切さをあらためて感じました。
J-PARCは、関係する皆さんのご協力をいただきながら、復旧に向けて全力で取り組んで行きます。今後の復旧に向けて皆さんご理解とご支援をよろしくお願いいたしします。
今年もJーPARCをよろしくお願いいたします。 昨年12月24日、25日に、つくば市の国際会議場で「TXテクノロジーショウーケース in つくば」が開催されました。研究者・技術者が、最新の研究成果、アイデア、技術を持ち寄って、それぞれが披露して交流することを目的として毎年開催され、今年で10回目になりました。
今年は「高校生科学研究発表会」も開かれ、研究者が大学生や高校生の皆さんとの交流も進められました。JーPARCも、写真のような施設や研究内容などを紹介したパネル設置して、高校生の皆さんとなどと意見を交流したり、質問に答えたりしました。
JーPARCのパネルは、他にはないような後ろからの明かりで照らす方式のため、会場でとても注目されました。たくさんの皆さんが次々と訪れ、とても活発な意見交換ができました。
JーPARCでは、これからもこのような展示会などへ参加してPRする活動を積極的に進めていきます。どこかの会場でJーPARCの展示を見つけたら、皆さん、ぜひ訪れてみて下さいね!!
本年もまたJーPARC,P君日記をよろしくお願いします。