■ J-PARC News 第107号より       (2014/3) 
●国際アドバイザリー委員会IAC2014 (3月10〜11日) 
  標記委員会が、いばらき量子ビーム研究センターで開催され、2月から3月に開催された中性子 (NAC) 、加速器 (A-TAC) 、ミュオン (MAC) アドバイザリー委員会のまとめが、それぞれ報告された。J-PARC関係者からは、昨年5月のハドロン実験施設での事故の概要、事故後の対応、安全体制の強化などについて、また、各施設の現状や研究の進捗状況、前回の委員会で受けた提言への対応状況などを報告し、審議が行われた。最後に、委員会から今回の報告に対する評価、提言を受けた。


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●第12回ミュオンアドバイザリー委員会MAC2014
 (2月27-28日、KEK東海1号館) 
  ミュオン関係者が、今年夏の長期停止期間中にミュオン生成グラファイト標的を回転標的に置き換える計画や、現在整備中のUラインと建設が進むSラインなどについて報告し、審議を受けた。


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●加速器アドバイザリー委員会A-TAC2014
 (3月6〜8日、いばらき量子ビーム研究センター) 
  加速器関係者が、リニアックの加速器後段部にACS型加速空洞を設置したことで、ビームエネルギーを設計値の400MeVに達成したこと、3GeVシンクロトロンでは、その陽子ビームを3GeVまで加速し取り出したことなど、J-PARCの3つの加速器の性能向上に関わる取組み状況と、その成果などについて報告し、審議を受けた。


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●元素戦略プロジェクト・大型研究施設連携シンポジウム2014 (2月28日- 3月1日) 
  文部科学省は2012年、J-PARCなど国内の4つの大型研究施設※1を利用して、磁石材料、触媒・電池材料、電子材料、構造材料と4領域の材料についての研究を、研究拠点形成型で推進する元素戦略プロジェクトをスタートさせた。今回、各研究拠点と大型研究施設の関係者が連携した会議が、東京大学柏キャンパスで開催され、200名を越える参加者となった。各研究拠点の代表者から研究の現状、得られた成果と課題などが、また、大型研究施設関係者からは、施設の現状と課題などが報告され、情報共有と見識が広められた。J-PARC施設については、新井正敏物質・生命科学ディビジョン長が報告した。当プロジェクトがスタートして間もなく、ハドロン実験施設での事故に伴いJ-PARCの運転を停止し、物質・生命科学実験施設 (MLF) での成果が出せなかったことについてお詫びした。しかし、施設の安全体制の見直しと強化などを進め、2月17日に中性子やミュオン実験が再開されたことを紹介し、MLFで可能な研究内容、装置性能などを紹介した。

  初日最後のパネルディスカッションでは、藤井保彦総合科学研究機構 (CROSS) 東海センター長がパネラーで参加し、各材料の戦略拠点と大型研究施設利用のあり方などについて、 (1) 元素戦略における基礎科学の課題、 (2) 研究組織・仕組み、 (3) 期待・要望のテーマをもとに意見交換が行われた。

※1:CMSIとスーパーコンピューター「京 (けい) 」、大型放射光施設 (SPring-8) 、大強度陽子加速器施設 (J-PARC) 、KEKフォトンファクトリー (PF) 


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●鉄系超電導物質で新しい発見 J-PARC/MLFの中性子、ミュオンビームが活躍!
 
  高エネルギー加速器研究機構 (KEK) 物質構造科学研究所の元素戦略・電子材料研究グループと東京工業大学は、物質・生命科学実験施設 (MLF) の中性子とミュオンビーム及びKEKフォトンファクトリー (PF) の放射光ビームを相補的に用いた手法により、鉄系超電導物質 (LaFeAs (O1-xHx) ) の磁気的性質および構造を調べた。図に示すように、これまでに測定されなかった水素濃度領域 (電子濃度0.4を超えた領域) で、微細な構造変化を伴った新たな磁気秩序相が現れることを発見した。
  詳細は、KEKホームページhttp://www.kek.jp/ja/NewsRoom/Release/20140317100000/をご参照ください。


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●超低速ミュオンビームライン (Uライン) の施設検査 (3月3日) 
  MLFの第2実験ホールでは、ミュオン実験エリアでUラインの建設が進み、3日に施設検査が実施された。国の検査代行機関である原子力安全技術センターにより、設備の構造、放射線遮へい性能、安全インターロック装置の動作試験など、一連の検査が行われた。その結果、設備の安全性などに問題が無いことが確認され、5日付けで合格となり、本格的な実験の開始が可能となった。


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●物質・生命科学実験施設 (MLF) の運転状況
  MLFでは、2月17日のJ-PARC運転再開後、ユーザーの利用実験が開始された。MLFの入射陽子ビームパワーは100kW、200kW、そして事故以前と同じ300kWへと順調にパワーを上げて、現在、中性子及びミュオンビームを利用したユーザー実験が進められている。

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●第1回J-PARC Heavy-Ion Workshop JHI2014 (3月17-18日、先端基礎研究センター) 
  標記ワークショップが、原子力機構の先端基礎研究センター主催で開催された。将来、J-PARCで重イオンビームを利用する原子核研究計画案の概要を佐甲博之研究主幹 (先端研) が講演し、関連する高エネルギー重イオンビームによる高バリオン密度研究と低エネルギー重イオンビームによる重原子核の研究、さらに重イオン加速についての議論を行った。これらの分野の第一線で活躍する海外7名、国内3名の招聘講演者を始め、国内外の参加者からこの計画に強い関心と期待が寄せられた。


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●第5回MLFシンポジウム2014 (3月18-19日) 
  3月18-19日の2日間、標記シンポジウムをつくば国際会議場で開催し、初日はポスターセッション、2日目に各種講演を行った。今回、KEK物構研サイエンスフェスタ、第31回PFシンポジウムとの合同開催となり、全体で約300件のポスター報告と50件の講演があり、約450名の研究者などが参加した。

  初日、サイエンスフェスタの開会挨拶は、山田和芳KEK物構研所長、池田裕二郎J-PARCセンター長が行った。2日目は、実験施設報告を新井正敏物質・生命科学ディビジョン長が行い、次に電池材料、磁性材料、鉄系材料の水素化物に関する3件の招待講演が行われた。その後のユーザーから施設への要望に関するセッションでは、まず、ユーザーをサポートする現場の担当者4名が実験環境の整備状況を報告した。そしてユーザーから、施設利用に関わる意見や要望が出された。午後からは3会場に分かれて、ハードマター・材料、ソフトマター・生物・技術開発、線源・デバイス・技術開発、研究成果などについての報告を行った。


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●ご視察等
     3月  4日    川上伸昭 文部科学省 科学技術・科学政策局長
     3月12日    バークレー国立研究所 (LBNL/米国) 、グレン・T・シーボーグセンター研究員
     3月13日    ポール・シェラー研究所 (PSI/スイス) 、P.Schmidt-Wellenburg氏
     3月18日    J-PARC Heavy-Ion Workshop 参加者
     3月19日    国際会議Nuclear Fission and Structure of Exotic Nuclei 参加者

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