■ J-PARC News 第111号より       (2014/7) 
●第2回J-PARC国際シンポジウム2014
  7月12〜16日、標記シンポジウムをつくば国際会議場で開催した。13名の招待講演者による基調講演、加速器、素粒子原子核物理、物質・生命科学、核変換、安全と最先端技術に関わる5分野の各講演、合計139件が行われ、ポスター発表は255件で、17カ国約550名の研究者、学生などが参加した (その内、海外の研究機関の研究者は約60名) 。

  12日は、市民講座を開講し、中性子の研究で博士号取り、その後転身してドイツの宇宙飛行士第1号になられたウルリッヒ・ウォルター博士をお招きし、宇宙空間の不思議についてお話頂いた。また、J-PARCでニュートリノ素粒子の研究に携わっている多田將氏 (KEK助教) が、J-PARCで進めている科学研究の魅力について語った。宇宙にまつわる二つの講演に212名の来場者があった。13日のシンポジウムオープニングでは、池田裕二郎J-PARCセンター長による主催者挨拶のあと、工藤雄之 文部科学省科学技術・学術政策局研究開発基盤課量子放射線研究推進室長、楠田幹人 茨城県副知事、山田修 東海村長から来賓挨拶をいただいた。その後の講演、ポスター発表では活発な質疑応答が繰り広げられた。また、同日夕方の懇親会では、大土井智 文部科学省研究振興局 基礎研究振興課 素粒子・原子核研究推進室長に来賓挨拶をいただいた。

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●下村博文 文部科学大臣、J-PARCをご視察
  7月7日、下村博文 文部科学大臣が原子力機構を来訪され、J-PARCなどをご視察された。物質・生命科学実験施設 (MLF) では、新井正敏ディビジョン長が施設全体の概要と実験装置、中性子ビームの利用実験、得られた研究成果などについて、また、三宅康博ミュオンセクションリーダーがミュオンビームを利用した実験関連について説明した。視察後、プレスの取材を受けた大臣は、"施設は多くの民間企業や研究機関などに有効活用され、産学連携による科学技術イノベーションに貢献する場所になる"とコメントされた。


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核変換実験施設テクニカルアドバイザリー委員会 (T-TAC) 
  近年、放射性廃棄物の減容化や有害度低減を図り環境負荷を低減する「核変換技術」に対する国民の関心が高まっている。今春閣議決定された「エネルギー基本計画」においても、加速器を用いた廃棄物の有害度低減技術の開発推進が記載され、昨年度文部科学省に設置された「群分離・核変換技術評価作業部会」でも、研究推進の方向性を明記した中間とりまとめが提示された。 J-PARCでは、大強度陽子加速器計画の初期段階より加速器駆動システム (ADS:Accelerator Driven System) による核変換を行うための試験研究を行う核変換実験施設 (TEF:Transmutation Experimental Facility) の建設を提案している。今回新たに、国内外の専門家7名で構成した核変換実験施設テクニカルアドバイザリー委員会を設置し、7月10-11日に第1回委員会を開催した。委員会では、池田裕二郎J-PARCセンター長の挨拶及び委員会開催の主旨説明に引き続いて、TEF建設計画に携わる各担当者から施設の概要、主要機器の設計などについて報告が行われた。委員会の最後に、議長のSchyns氏から、当計画に対する評価とともに、多くの助言・提言が提示された。また委員会2日目の午後には、実験施設へ陽子ビームを取り出すリニアック下流部エリアや、TEF建設予定地の視察も行われた。


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●原子力科学研究所とJ-PARC合同の事故対応訓練
  6月25日、ニュートリノ実験施設で放射性物質の異常放出が発生したと想定し、原子力科学研究所、J-PARCセンター、高エネルギー加速器研究機構の合同事故対応訓練を実施した。事故対策本部を設置し、これまでの事故現場指揮所との電話、ファックスによる情報伝達に加え、テレビ会議システムを取り入れ、より迅速かつ正確な情報伝達の訓練を行い、その実効性、改善点などを確認した。

  また、7月9日には、物質・生命科学実験施設、ハドロン実験施設関係者及びJ-PARCの安全統括関係者による各施設での火災事故を想定した事故対応訓練を実施した。模擬事故対策本部を設置し、事故現場指揮所と、事故時を想定した情報伝達などの訓練を実施した。


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●施設の状況
   
  (1) リニアックでは、トンネル内で初段加速部の交換作業を開始した。
  (2) 物質・生命科学実験施設 (MLF) では、水銀ターゲット容器の交換に向け準備作業を開始した。また、同施設のミュオン実験設備では、標的交換に向けてトンネル上部遮蔽体の移動を行った。


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●平成26年度MLF全体報告会 (7月7日/いばらき量子ビーム研究センター) 
  物質・生命科学ディビジョンの各セクション及び加速器やMLF安全対応の各担当者が、進捗状況、研究開発の最新情報、本年度の予定などを報告。また、施設利用促進業務を担当するCROSSの現状について、7月から東海事業センター長となった横溝英明氏が紹介。意見交換では、相互信頼と親交を深めて施設運用を図ることなどが確認された。参加者、約120名。


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●サイエンスツアー (7月12日、つくば市) 
  J-PARCは、科学に興味を持ってもらうことを目的に、東海村在住の中学生以上を対象としたサイエンスツアーを、東海村の後援で実施した。ツアーは、宇宙に関わることに触れてもらう内容とし、J-PARC国際シンポジウムで開催された"宇宙の不思議を科学する"をテーマとした市民講座への参加と、JAXA (宇宙航空研究開発機構) の見学などを行った。また、バス移動の車内では、J-PARCの坂元眞一広報アドバイザーによる月の不思議の話やクイズなどで楽しんだ。


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●平成26年度事業計画説明会 (原子力科学研究所、他) 
  原子力機構の平成26年度事業計画説明会を、J-PARCエリアに隣接する地元の宿区自治会 (7/2) 、東海村自治会連合会 (7/16) に対して開催した。J-PARC関連としては、事故対応の現状、今年度の展開、得られた成果などを報告。出席者からは、J-PARCでの身近に役立つ研究内容などを更に聞きたい、自治会などのイベントに、J-PARCに来られてる外国人の方などにも参加してもらいたいなどの希望も出された。2日の説明会では、施設見学会も実施し、利用運転が再開されたMLFとニュートリノ実験施設を案内し、施設の状況、研究内容などについて説明した。


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●3GeVシンクロトロン (RCS) の大強度試験運転 (6月28〜30日) 
  今年秋以降に予定されているRCSの500kW運転に向け、その出力相当となる粒子数でビームロスの低減を目的とした試験運転を実施した。各種パラメータを調整した結果、573KW相当のビーム出力までロスを最少化することに成功した。

   
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