■ J-PARC News 第156号より       (2018/04) 
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●齊藤直人氏、J-PARCセンター長に再任
  平成30年度からのJ-PARCセンター長に、齊藤直人氏が再任されました。任期は平成30年4月1日から平成33年3月31日までです。今後J-PARCが多目的研究施設として多様な科学の発展に力を発揮するとともに、社会のニーズに応える実用的な科学技術の開発に貢献していく方針で、新年度がスタートしました。
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●パルス中性子ビームにより原子サイズでの未知の力を検証 (3月23日、プレス発表) 
- 空間が縦・横・高さの3次元だけでできているのかを探る大きな一歩 -
  中性子利用セクションの三島賢二氏 (KEK) は、九州大学、名古屋大学、大阪大学、インディアナ大学との共同研究により、物質・生命科学実験施設 (MLF) の中性子光学基礎物理実験装置 (BL05:NOP) を用いて、原子の大きさ (0.1ナノメートル) 程度の距離に働く未知の力の探索を行いました。実験では希ガス標的を封入した容器にパルス中性子ビームを照射し、中性子の散乱角度分布を精密に測定しました。未知の力が存在するなら、予想される分布から誤差が生じることとなります。今回、その誤差の測定感度を従来の実験に比べて1桁向上させることに成功しました。本研究は、科学研究費助成事業若手研究 (B) (JP25800152) 、学術創成研究JP19GS0210の支援を受けています。
  詳細は、J-PARCホームページをご覧ください。
  http://j-parc.jp/ja/topics/2018/press180323.html

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●重いハイパー核 (フッ素19ラムダハイパー核19ΛF) の構造解明に成功 (4月3日、プレス発表) 
  陽子や中性子を結び付けて原子核を形成する「核力」の性質は謎が多く、なぜ原子核が存在できるかというこ重要な問いに我々はまだ完全に答えることができていません。そこで、ハドロン実験施設では、原子核を構成している陽子・中性子に似たラムダ粒子を原子核にいれたハイパー核を人工的に作り出し、ラムダ粒子と陽子や中性子の間に働く核力を調べる研究を行っています。今回、ハドロン実験施設のK1.8ビームラインで、ラムダ粒子の入ったフッ素19ハイパー核の励起状態を生成し、その脱励起に伴うガンマ線を測定して、フッ素19ハイパー核の準位構造を初めて決定しました。この成果は、物理学の国際的な専門誌である「Physical Review Letters 120号」に掲載されました。
  詳細はJ-PARCホームページをご覧ください。http://j-parc.jp/ja/topics/2018/press180403.html

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●中村惇平氏、平成29年度「KEK 技術賞」を受賞
  MLFミュオンセクションの中村惇平氏は「超低速ミュオン発生を実現させたコヒーレントライマンα光の輸送と強度測定技術」の開発により、平成29年度KEK技術賞を受賞し、昨年12月26日に表彰されました。この技術開発により、超低速ミュオンの安定的な生成が実現し、超低速ミュオン収量のライマンα光波長依存性が初めて得られるなど、様々な測定結果が得られるようになりました。
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●ハドロン実験施設拡張計画のための国際ワークショップ (3月26-28日、J-PARC/KEK東海1号館) 

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  ハドロン実験施設拡張計画のための国際ワークショップがハドロンホールユーザー会 (HUA) 主催でKEK東海1号館にて開催されました。3月26日 (月) 〜28日 (火) の3日間にわたる本ワークショップの初日は、拡張計画の概要説明、現有施設での成果、海外の2施設 (米国Jefferson Lab.と、ドイツPANDA@GSI-FAIR) の研究計画紹介などが行われ、2日目は3つの分科会での議論、最終日は各ワーキンググループ、核物理委員会TaskForceからの報告と議論が行われ、拡張計画を考えられているビームラインでどのような実験を行うか、また、これまでの計画の中で見落としている実験テーマはないかなど、具体的なアイデアを持ち寄って、実験提案書作成にむけての活発な議論が行われました。

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●ADS加速器に関するMYRRHA - J-PARC情報交換会議 (3月6-7日、J-PARC) 
  加速器駆動システム (ADS) は、高レベル放射性廃棄物の減容化・有害度低減に有効な技術と考えられています。この度、ベルギーのADS実験炉建設プロジェクトMYRRHAから研究者3名が来訪し、J-PARCの加速器・核変換研究者との間で情報交換会議が開催されました。会議では、MYRRHAにおける加速器開発の現状、J-PARC加速器の運転経験と今後の開発計画などが紹介されました。特に、ADS加速器に求められる高い信頼性を実現するための方策について議論が交わされました。ADSへの陽子ビーム供給には線形加速器の使用が想定されており、施設見学ではJ-PARCの線型加速器や加速器制御システムについて担当者が説明を行いました。情報交換会議は双方にとって大きなメリットがあるため、今後も継続していきます。
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●工作室と電子回路製作室オープン (J-PARC研究棟) 
  ユーザーやセンター職員が利用することのできる工作室と電子回路製作室がJ-PARC研究棟1Fにオープンしました。工作室を利用する際は事前に安全講習会を受講し、利用申請書類を提出していただきます。電子回路製作室は、備え付けの共用品を用いた軽作業の場合は事前の手続き無しで利用することも出来ます。皆さまのご要望に応えるために様々な装置を整備しておりますので、ぜひご活用ください。利用方法の詳細につきましては、今後、ユーザーズオフィスのホームページなどでお知らせします。

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●第15回J-PARCハローサイエンス「重力波で宇宙を観よう」開催 (3月30日、東海村産業・情報プラザ「アイヴィル」) 
 
  3月のサイエンスカフェでは、KEK重力波グループの都丸隆行氏が表題をテーマに講演しました。重力波を調べることで宇宙のことをより詳細に調べることができるため、世界では『国際重力波望遠鏡観測網』を作る計画が進んでいます。さらに、日本で建設中の大型低温重力波望遠鏡『KAGRA』も完成後は計画に参加する予定であるとの報告がありました。KAGRAにはJ-PARCのニュートリノ超伝導ビームラインで使われた極低温・超高真空技術が応用されていることも紹介されました。
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●米国の物理学者Taylor WILSON氏によるJ-PARC視察 (4月12日) 
  米国で注目されている物理学者Taylor WILSON (テイラー・ウィルソン) 氏が今月12日の原子力機構訪問に際し、J-PARCのMLFと核変換技術研究のための試験装置を見学し、研究者らと意見交換を行いました。現在23歳のWILSON氏は9日、第51回原子力産業協会年次大会の特別講演に招待され、科学技術によって世界の人々の生活向上に貢献したいこと、放射性廃棄物の処分問題においては核変換技術に注目していることなどを述べました。

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●ご視察者など
 
    4月 17日  東博暢 株式会社日本総合研究所 プリンシパル
   
●加速器運転計画
  5月の運転計画は、次の通りです。なお、機器の調整状況により変更になる場合があります。

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